旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

旅の装備紹介=スタッフバッグ

2015年12月25日 | 旅のノウハウ
 荷物をスーツケースに詰めて、いつもバスやタクシーのトランクに収めておけるような旅行であれば必要ないのだと思いますが、トゥクトゥクやミニバスを利用するような旅であったり、またはバイクで旅する場合などは突然の雨などに備えておく必要があります。バックパックの記事で紹介したようにある程度バックパック自体にも防水加工が施されていますが、完全なものではありません。

 自分の足で歩いているときなら雨が降ってくれば雨宿りすればよいのですが、例えばバス移動中で、ミニバスの屋根の上に荷物を載せているときにスコールに会った場合、自分は濡れなくても荷物はずぶ濡れです。タイ&ラオス路線バスの旅にご参加の皆さんに、荷物の防水対策をお願いしていた最大の理由はここにあります。またスーパーカブで旅するタイ北部では雨の時は雨宿りしますが、その場合でもバイクと荷物は雨ざらしになる場合がほとんどなのでやはり荷物の雨対策は必要。

 はい、E&Gの本当の旅企画に参加の場合は必須の知識かと思います。

  旅先で出会うバックパッカーを見ると、レインカバーをかけっぱなしにしている人を時々みかけます。転ばぬ先の杖的な良いアイデアだと思います。雨が降った時にレインカバーを出すのであれば晴れている間はレインカバーは荷物になりますが、ずっとかけておけばバッグ内のスペースも取りません。

 バックパックのレインカバーはバックパック本体が濡れることや汚れる事に対する対策として優れていると思います。副次的に航空機の受託手荷物として預ける際にストラップ類が他の荷物に引っかかったりターンテーブルに巻き込まれて破損することを防ぐ効果もあります。

 とはいえ、私個人はレインカバーは使っていません。バックパックそのものは出かける前に撥水スプレーをかけていくようにしている程度。レインカバーは背中が当たる側が無防備になりますのでミニバスのルーフラックへの荷物の積み方によっては水溜めになりますし、何かに引っ掛けて破いてしまう事も多いので、バッグの中を防水するようにしています。そこで使うのが冒頭の写真のスタッフバッグ。アウトドアの経験がある方ならお馴染みの装備だと思います。

 アウトドア用に容量やカラーの違い、その他工夫が凝らされた様々な商品が発売されています。
スタッフバッグいろいろ

 バックパックの中で荷物を分類、整理するのに使うと同時に、雨が降っても着替えが濡れないようにするために使います。シャワーを浴びる時に貴重品をシャワールームに持ち込むのにも使います。

 写真の2枚のうち青は10リットル、赤は多分5リットルの容量があります。10リットルの方にTシャツや短パンを入れ、余ったスペースに文庫本と各種充電器。5リットルの方に下着と靴下とタオルを入れています。

 
 内側にはレインウェアのようなラバーコーティングがなされていて基本的に雨を通しません。私は口を紐で閉めるタイプのものを多く使っていますが、折り返してバックルで止める物や止水ファスナーが装備されているものもあります。バッグ自体の軽量化のためにとても薄い素材でできたもや、逆に高い強度を持ったターポリンでできたものなど、いろいろ工夫が凝らされた製品があるので選ぶのに迷うほど。私もカメラだけはターポリンのバッグに入れていますが、すべてを強度の高いスタッフバッグに入れるとパッキングしずらいですし、重量も増えるのでバランスを考える必要があります。

 口を紐で閉めるタイプの場合は少し余裕のあるサイズを使うのがポイントです。口を紐で閉めた後、一度折り返してから折り返し部分に紐を巻いてもう一度閉めます。文章だとわかりにくいですが下の写真でご覧ください。


 こうしておくと、気密性はしっかりしています。水どころか空気も抜けません。下は空のスタッフバッグに空気だけ入れて口を閉めた写真。


 気密性が高いので口を閉める前にしっかり空気を抜いておかないと荷物がスタッフバッグ内の空気で増えるという事に注意が必要です。その名の通り”スタッフ=詰め込む”事で衣類そのものが含んでいる空気も極力追い出して口を閉めれば荷物はより小さくなります。

 それからもう一つ。洗濯して、乾かなかった衣類やタオルはスタッフバッグに入れません。防水性があることは外へも水は逃げず乾かないですし、他の荷物に湿気がうつります。

 荷造り全般に言えるアドバイスとして、私の経験ではあまり小分類はしない方がよいと思います。旅の途中で”あれはどこに入れたっけ?”と迷う事も多くなり、結局崩壊することが多いのです。

 それから、同時に使うものを一つにまとめて置くのがよい方法。例えば下着とタオルはシャワーで使うので仲間にしておくとか、そういう具合に分類するとわかりやすいです。

 スタッフバッグ選びとしては中身によって色分けできるように様々な色をそろえておくと便利。安宿の薄暗い室内で忘れ物にならないように明るい色のスタッフバッグがおすすめです。

 防水性にこだわるなら縫い目の処理を確認しましょう。生地自体がコーティングされていても縫い目に何の処理もされていない場合は雨を浴びる程度なら大丈夫でもバッグごと水没するような状況では水が入ります。私は旅行ではそこまでの防水性は必要ないと考えていますが、アウトドア用と兼用するのであればそのあたりも重要な条件になるかと思います。

 私が使っている赤と青のスタッフバッグは赤い方は何かのイベントでいただいた物。青い方はイスカのウエザーテックスタッフバッグ



 写真を見ての通り、赤い方は縫い目の目止め処理がされていないですが、青い方は目止めテープで処理されています。その分高価な製品。目止め処理がされていないバッグは完全防水でない反面、パッキング後空気が自然と抜けやすいというメリットもあって、旅で使うにはどちらも一長一短かもしれません。

 旅先ではバスが谷底に転落して(実際、1987年のカラコルムハイウェイで目の当たりにしました)、荷物が水没することだっと起こりえます。まあ、どこまでの事を想定するかですね。


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