降り続いた雨も漸く上がり太公望がやって来た
隅に追いやられても忘れず咲いてくれた
昨年2月に54歳の若さで亡くなった芥川賞作家西村賢太。
私小説作家藤沢清造の没後弟子を自称し 西村賢太もまた私小説を書き続けていた。
芥川賞受賞当時のインタビューが衝撃的だったのを覚えている。
手元にあった「苦役列車」を数ページ読んだままだった。
昨夜ETV特集 魂を継ぐもの~破滅の無頼派・西村賢太~を観た。
小学生の頃父親が犯罪者となり 両親の離婚 その後の人生が彼を苦しめ
中学を卒業すると親元を離れ待ち受ける肉体労働の日々。
その様な生い立ちからか華やかな世界から遠ざかり
破滅型作家藤沢清造の作品に出会ったのを切っ掛けに傾倒していった。
日々もがき続ける人生の哀しさ愛しさを書いていた。
私小説に拘りつづけ自分の人生をさらけ出し人気作家になっても
駄目な自分を書き続けた。
ー前方に終わりを臨んで・後ろを振り向いたとき其処には何も残っていない
死ぬまでには何か一篇 埋もれてもいつかしぶとく蘇る不屈の作品をーと
言っていた彼
ー人生を棒に振っている者に今年も来年もない 一切関係が無い
本当の始動は今からである。自分の為すべき事はやり続けるより他はない
まあ大した事じゃ ねえわなあー
破天荒に生きた彼の人生だったが彼の作品に救われた人が少なからず
居ることも知った 食わず嫌いだったけれど読んでみる価値があると教えられた。
さきほどNHKプラスで観ました。
私はこの人の「苦役列車」を読んで2011年06月24日の九想話に書いてます。
https://blog.goo.ne.jp/qsou/e/95989772ef8ba78f2481d2d32d5baa6d
あのときはこの小説に対して、いい感情は持たなかったです。
それからこの人の小説は読んでいません。
でもこの番組を観て、西村賢太の小説を読んでみようかな、と思いました。
ブログに書いていただいてありがとうございました。
芥川賞授賞式のインタビューも記憶の中にありましたから良い印象を持っていなかったのです。
今回のEテレを観て最初に抱いていた私の考えが覆りました。
周囲に媚びない駄目な自分を書き続けてきた西村賢太 読んでみたくなったのです。
此方こそ有り難うございました。