定期船が島々を渡って海辺の町にやって来ました。
サクランボの花は満開になりました。
峠道に着く頃には僅かに日が差して
飽きずに空を眺めていました。
おやつには戴きもののお煎餅を。
明るさは体内時計が朝を知らせてくれる 定期船当番日の朝 目覚ましよりも早く起きた。
綱取り当番はどちらが出ても良いはずなのに 夫は白河夜船。
天然パーマの寝起きの顔は決まってこの時季涙目に赤い頬。
良く降った雨 午後から晴れ間が覗くという 変り映えのない日常自ら動かねば言葉は紡がれない。
向かい風に押し戻されながら峠道まで出掛けた。
右手に海を見やりながら進んでいくが強い風は容易に身体を押しのける。
其れでも前傾姿勢で歩を進め。
ホーホケキョと鶯が鳴きチュチュチュチュィ ピピピピィ ピィピィピィ
鳴き声からして小さな鳥のようだが名前は分からない。
イノシシは雨で緩んだ道端を掘り起こしている 出会わぬようにと自然と急ぎ足になりながら。
峠に近づく頃には身体も温かくなり 高くなってきた太陽を眺め
ユックリ降った峠道。足もとには石蕗が大きくなっていた。
あと半月もすれば石蕗採りの人達で賑わうだろう。
この地に春を告げる食材の一つ石蕗 灰汁の強い苦味がタマラナイ。