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2014年4月25日(金)15:42
(神戸新聞)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/37/9dad990e7bf391584413ece63e867bf6.jpg)
【マチュピチュ(宇佐)=田中一世】世界中の観光客のロマンをかきたてる南米・ペルーの世界文化遺産「マチュピチュ」。記者も1度は訪ねたいと思いつつ、時間も金も余裕がなく憧れるだけだった。ところが、大分県宇佐市に、景観がそっくりで「宇佐のマチュピチュ」と呼ばれるスポットがあると聞いた。いざ憧れの“空中都市観光”へ。胸を躍らせながら大分県の山中へ向かった。
噂のスポットは、平成17年に宇佐市と合併した旧院内町の西椎屋(にししいや)集落。大分道を走り、玖珠(くす)インターチェンジで降りる。マチュピチュを築いたインカ帝国の首都クスコと名前が似ているのも、何かの縁だろうか。
インターから国道387号を北東に走ること30分。カーナビの画面でもそろそろ西椎屋のはず…。だが、見つからない。どうやら見過ごしてしまったようだ。
引き返すと、国道の左側に広がる谷間の奥に、頂上が尖った円錐(えんすい)形の小山(高さ約200メートル)が見えた。
慌てて車を止めようとするが、スペースがない。脇道に入り、広めの路側帯でエンジンを切る。そこで道路脇に設置された案内板を発見した。
「空中都市と称されるマチュピチュに似ていませんか?」
親切にもペルーの本物の写真も載せてくれている。確かに、尖った山の形は、マチュピチュの聖なる山ワイナピチュの輪郭と重なる。山麓に広がる棚田の石垣と集落の家屋も、空中都市マチュピチュの城壁のように見えなくもない。
画家やプロカメラマンのように両手の親指・人差し指で四角形のファインダーを作り、目を凝らすと…。なんと憧れのマチュピチュが浮かび上がるではないか。
この宇佐のマチュピチュは、住民グループが案内板を設置した平成22年頃から見物客も増えた。週末になると1日に何台もの車がこの場所を訪れ、記念写真を撮って帰るという。県外ナンバーも少なくない。見物客がブログで写真を公開するなどし、静かなブームの兆しが見える。
「念願かなった」とまでは言えないが、心はコンドルのようにアンデス山脈の大空を飛んだ。ちなみに本物のマチュピチュに行こうと思ったら、JTBの4泊7日の旅(成田発着)で41~61万円。これに比べると、何とお手軽だろうか。思わず「得した!」と思ってしまった…。
次に、ふもとの西椎屋集落を訪ねた。17戸の民家があるが、大半は高齢世帯。市有形文化財の樹齢1300年の大イチョウがシンボルだという。
円錐形の山は、昔から「秋葉様(火伏せの神)」と呼ばれる信仰の対象であり、頂上に祠(ほこら)もある。
「観光客に『マチュピチュに似てますね』と声をかけられるけどペルーに行ったことないからわからんのですよ…。マチュピチュって言うのも難しくて最近やっと言えるようになりました。まあ、私らにとっては秋葉様は秋葉様。昔からそこにあるものです…」
西椎屋で生まれ育った住民の小野加代さん(77)はこう語る。
大イチョウには「幹を触ると母乳が出るようになる」という言い伝えがあり、昭和30年代までは集落外からの訪問客もいたが、最近はすっかり途絶えていた。住民で元宇佐市議の河野征夫さん(76)はこう喜ぶ。
「マチュピチュ効果で再び外から人が来るようになった。活気が出てきた気がします。本当にありがたいことです」
「日本のマチュピチュ」といえば、兵庫県朝来(あさご)市の国史跡「竹田城跡」が、雲海に石垣が浮かび上がる姿がメディアに取り上げられ、すっかり有名になった。平成25年度は約51万人が訪れたという。
知名度と集客力では竹田城跡に遠く及ばない西椎屋だが、河野さんはにっこりと笑ってこう言った。
「竹田城は石垣がよく似ちょるし、こっちは山の形が似ちょるわな。どっちが上かは言われんが、両方似ちょるということですよ」
ペルーのマチュピチュは103年前、映画「インディ・ジョーンズ」の主人公のモデルとなったアメリカの探検家ハイラム・ビンガムが発見した。
では、宇佐のマチュピチュの発見者は誰なのか-。宇佐市役所に聞いたところ、元市職員、松本公則さん(66)と判明した。
旧宇佐市と旧院内町の合併を控えた平成15年秋。旧宇佐市職員で合併協議会事務局長だった松本さんは調査のため、西椎屋近くを通りかかり、こう直感した。
「あの山は最近テレビで見たペルーのマチュピチュに似ちょる!」
これを市観光協会の知人に伝えたところ、話があちこちに伝わり、平成18年9月の宇佐市広報誌で紹介された。
「街おこしに活用しよう」との機運が高まり、20年に河野さんの呼びかけに応じて集落出身者が「大銀杏の会」を結成した。
大銀杏の会は22年に案内板を設置し、23年には展望所で南米の楽器のケーナとオカリナによる「マチュピチュの郷コンサート」を開催、宇佐市民ら150人が悠久のインカの歴史に思いをはせた。
今でも西椎屋の風景を描いた「マチュピチュトートバッグ」(600円)ならば、近くの「道の駅いんない」(宇佐市院内町副)で購入できる。
大銀杏の会のメンバーは30~60代の17人が参加するが、最近はPR活動が滞り気味。きちんとした展望台や駐車場が整備されていないので観光バスも立ち寄れないことが大きなネックとなっている。ついでに肝心の西椎屋集落が高齢者ばかりとなり、街おこしへの関心が今一つなのだという。
それでも大銀杏の会事務局長で市職員の井上涼治さん(53)は熱く夢を語った。
「宇佐マチュピチュによる街おこしはまだまだこれから。今年度から駐車場と展望台の整備に向け、本格的な検討を始め、来年度に作れればいいなと思っています。秋葉様に登る道も整備したいですね」
ただ、発見者の松本さんには複雑な思いもある。
「今となっては、変なことを言い出してしまったんじゃないかとちょっと怖いんです。あの一帯は独特の地形で『椎屋耶馬溪』ともいわれる風光明媚(ふうこうめいび)な場所。マチュピチュのパクリみたいな形で有名になったら住民の皆さんに失礼じゃないのかと…。記者さん、西椎屋のよいところをアピールしてくださいよ」
確かに、山並みを背景に棚田と集落が続く光景は、日本の原風景そのもの。その魅力はマチュピチュに似ていることだけではない。
記者も「紅葉がきれいな秋に、またドライブに来たい」と思っている。記者が将来、ペルーのマチュピチュに行ったらおそらく「西椎屋っぽい」と感じるのではないだろうか。
もうすぐゴールデンウィーク。今年は曜日配列が悪く海外旅行が難しいだけに、自然がいっぱいの「プチ世界遺産」へ旅立ってはいかがでしょうか。
姫路城大天守、青空に白く輝く 最上層が姿現す
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2014年4月26日(土)11:47
(神戸新聞)
「平成の大修理」が行われている世界文化遺産・国宝姫路城で、素屋根(工事用建屋)の解体が上部から進み、大天守の最上層が約3年半ぶりに姿を現した。輝きを取り戻した“白鷺”が春の青空に映える。
平成の大修理は2009年に始まり、大天守の瓦をふき替え、壁の漆喰を塗り直すなどした。今年1月から素屋根解体に着手。鉄骨が順次取り外され、大天守の最上層が現れた。下層はまだ囲われたままになっている。
瓦の目地(継ぎ目)の漆喰も新しくなり、壁に加えて屋根も白く光る。JR姫路駅前からもはっきりと望むことができ、写真を撮る人が増えている。
姫路市によると、8月ごろにほぼ全容が現れる。内部公開は来年3月27日からの予定。(仲井雅史)
参院の「一票の格差」是正に向けて与野党が議論する「選挙制度協議会」の会合が25日、国会内で開かれた。脇雅史座長(自民党参院幹事長)は有権者数が少ない選挙区を隣接する選挙区と統合する「合区」について、計22選挙区を対象に11カ所つくる案を提示した。実現すれば最大格差は1・83倍となる。
比例代表については、個人の得票数で当選順位を決める「非拘束名簿式」と、当選順位を事前に決める「拘束名簿式」の両方を認め、各政党が選択できるようにする。
11の合区は「岩手・秋田」「宮城・山形」「新潟・富山」「山梨・長野」「石川・福井」「大阪・和歌山」「鳥取・島根」「香川・愛媛」「徳島・高知」「福岡・佐賀」「宮崎・鹿児島」。合区による定数減は東京、神奈川、愛知、埼玉、兵庫、北海道の6選挙区に割り振られ、全体として「12増12減」となる。
脇氏は5月末に開く次回会合で、案への賛否や対案を示すよう各党に求める考えだ。年内に関連法を成立させ、平成28年の参院選から実施する日程を描く。
最高裁は「一票の格差」が最大5・00倍となった22年参院選について、24年の判決で「違憲状態」とし、「都道府県単位の選挙区を改める立法措置が必要」と指摘した。
■地震調査委「警戒度変わらず」
政府の地震調査委員会は25日、相模トラフ(浅い海溝)で関東大震災と同等以上のマグニチュード(M)8級の地震が30年以内に起きる確率を「ほぼ0~5%」とする新たな長期予測を公表した。地震の規模や場所は多様で予測が難しいとして、トラフ全域を一元的に評価する手法を導入。見かけ上の確率は高まったが、実質的な警戒度は変わらないとした。
平成16年に公表した従来予測では、関東大震災を起こした大正12年の大正関東地震(M7・9)、1703年の元禄関東地震(M8・2)の2タイプが同じ場所で繰り返し起きると予想し、発生確率を個別に算出。30年以内の確率は今年1月時点で大正型がほぼ0~2%、元禄型がほぼ0%と評価していた。しかし最近の地質調査で、どちらにも当てはまらないタイプの地震が過去に起きていた可能性が浮上。想定外の巨大地震が起きた東日本大震災の教訓も踏まえ、個別評価を廃止した。
新予測ではM8級の発生場所として、フィリピン海プレート(岩板)が沈み込む相模トラフ沿いに首都圏から房総沖までの広い範囲を想定。ここで発生の恐れがあるM7・9から最大級のM8・6までの地震を一括して予測した。このうち元禄型(M8・2)以上の規模になる巨大地震の確率は、ほぼ0%と推計した。本蔵義守委員長は最大5%の確率について「ことの重大さを考えれば高い」と指摘。ただ、大半は2%以下にとどまり、実質的に「従来と大きく変わらない」とした。一方、首都直下地震の代表的なタイプで、M8級の発生時期の数十年前から起きやすくなるM7程度の地震の確率は、30年以内に70%で従来と同じ。プレートの沈み込みを考慮し範囲を修正した。
相模トラフ 神奈川県沖の相模湾から千葉県の房総半島南東沖へ延びる全長約300キロの浅い海溝。関東地方を乗せた陸側プレート(岩板)の下に、フィリピン海プレートが北西方向に沈み込んでおり、両プレートの境界部でM8級の大地震やM7程度の首都直下地震が起きる。M8級は1293年に永仁関東地震、1703年に元禄関東地震、1923年に大正関東地震が発生。国の被害想定は大正型が最悪で死者7万人、経済被害160兆円、首都直下が死者2万3000人、経済被害95兆3000億円。
魚が体にいいとはよくいわれる一方、実際は食生活の変化とともに摂取量が減少している。魚の油に多く含まれている脂肪酸のDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)が心筋梗塞、脂質異常症、高血圧など生活習慣病の予防に役立つことは広く知られており、なるべく摂取を心がけたい。
消費者庁の機能性評価でもDHA・EPAは、「心血管疾患リスクの低減」「血中中性脂肪の低下」「関節リウマチ症状緩和」で「明確で十分な根拠がある」レベルと報告された。最近の研究でも鬱病、認知症などの予防効果もあることが分かってきた。
早稲田大学研究院の矢澤一良教授は、「落ち着きのない子供の集中力が高まり、精神安定性も向上するなどDHA・EPAを摂取すると精神面にも良い影響を与えるという研究成果もある」と指摘する。
厚生労働省は、さまざまな分野の健康改善につながるDHA・EPAを1日当たり1グラム摂取することを目標に定めているが、実際の平均摂取量は目標の4割に達していない。摂取量の多い50代以上の男性でも7割強。10~20代の若年層は男女とも目標摂取量の2割程度だ。
日本人のDHA・EPAの摂取量が少ないのは、食の欧米化で魚料理を作らなくなっているため。日本人の魚介類の摂取量は減少を続け、平成18年に肉の摂取量と魚介類の摂取量が逆転した。23年の魚介類の摂取量は20年前の約4分の3だ。1グラム摂取するには、イワシで2匹、マグロ(中トロ)の刺し身なら5切れだ。
DHA・EPAは酸化しやすいのが欠点。市販のサプリメントはセサミンやビタミンなど抗酸化物質と一緒に摂取するよう工夫されている。「食事で取るときも海藻や緑黄色野菜と一緒に食べるとよい」(矢澤教授)という。(財川典男)
認知症患者の遺族に対し、名古屋高裁が24日、鉄道事故の賠償命令を出すなど患者を取り巻く環境は厳しい。
◆老老介護の厳しさ
「近所に散歩に出ていると思っていた夫が、リュックサックを背負って鉄橋を歩いていたと親戚から聞いた。危ないので一緒に歩くことにしたが、子供時代にいた町まで十数時間歩きっぱなし。足が腫れ、ストレスで目も見えなくなった」
4年前に認知症と診断された70代の夫の介護をする北海道釧路市の70代の女性はそう話す。徘徊など激しく動く高齢者は施設への入所を断られることも多く、夫婦は精神科に入院することに。高齢者の見守りを行う「釧路地区障害老人を支える会(たんぽぽの会)」の岩渕雅子会長は「疲れ切って海岸の崖から心中を考えた妻もいる」と老老介護の現状を明かす。
◆徘徊阻止は不可能
しかし、こうした認知症患者や介護への理解は十分ではない。24日には名古屋高裁が、徘徊中に電車にはねられた男性の遺族に、賠償支払いを命じる判決を出した。「認知症の人と家族の会」の高見国生代表理事は「鍵を掛けてもうまく外す。ブロック塀を乗り越えて外に出る。認知症の人はまるで忍者。徘徊を完全に防ぐのは不可能だ」と話す。
国立社会保障・人口問題研究所の推計では、平成47年には全世帯の4割超が65歳以上が世帯主の高齢世帯となる。介護訴訟に詳しい浜松医科大の大磯義一郎教授(医療法学)によると、介護中の事故をめぐる民事訴訟はこの10年で倍増したという。大磯氏は「徘徊中の事故に備える保険など、患者や家族を支える社会の仕組みづくりが必要だ」と指摘している。
沖縄県久米島北方の排他的経済水域(EEZ)で中国の海洋調査船「科学号」が過去最長の12日連続で活動している問題で、中国政府が調査を事前に通告してきていたことが23日、分かった。日本政府は調査を認めず中止するよう再三求めているが、中国側は無視しており、一方的な通告を根拠に調査を正当化する構えだ。調査は潜水艦の展開を見据えたデータ収集が目的だとみられている。
尖閣諸島(沖縄県石垣市)をめぐる摩擦や防空識別圏設定と並び、不当な海洋調査が外交・安全保障上の懸案に浮上。そうした背景から、安倍晋三首相とオバマ米大統領は24日の首脳会談で、中国による東シナ海進出を強く牽制(けんせい)する。
科学号は今月12日から久米島北方海域を航行し、ワイヤのようなものを海中に垂らしており、海上保安庁の巡視船はその都度、無線で中止を求めている。科学号は23日もワイヤにつないだ物体を海中に投下した。
日中間では東シナ海の海洋調査に関する相互事前通報の取り決めが平成13年から運用されている。EEZなど相手国に近い海域で調査する場合、2カ月前までに通報することになっており、中国政府は2月上旬、日本のEEZ内で調査を行うと書面で通報してきた。
日本政府は原則的に認める科学的調査なのか、原則認めない天然資源探査なのかが不明確だとして、調査を認めず、調査内容や使用器材を確認するための協議を申し入れた。だが、中国政府は協議に応じないまま調査に踏み切った。
その後も外務省が在日中国大使館などを通じて調査中止を求めているが、中国側は聞き入れることなく調査を続けている。
防衛省は海洋調査について潜水艦の展開を本格化させる予兆とみている。静粛性がカギを握る潜水艦を航行させる海域では海底地形や水温、潮流を把握し、音の伝わり方を分析しておくことが不可欠だからだ。
実際、昨年5月には中国海軍のものとみられる潜水艦が久米島周辺を航行しており、太平洋に出入りするルートを増やす狙いがあるとみられる。
自治連合会が防犯活動に使う青色パトロールカー(青パト)のガラスを割るなどしたとして、大阪府警北堺署は25日、器物損壊容疑で府内の府立高校3年の男子生徒ら少年4人=いずれも(17)=を逮捕したと発表した。
同署によると、4人は偽の110番をし、現場に署員を出動させて逃げ回る「ポリ鬼」と呼ばれる迷惑行為を繰り返していた。今年3月、「ポリ鬼」をして逃げ遅れた1人を任意同行して調べた際、少年の携帯電話から青パトを蹴っている動画が見つかり、事件が発覚した。
4人の逮捕容疑は3月7日、同市北区の自治会館に駐車されていた青パトにレンガをぶつけるなどし、フロントガラスを割るなどしたとしている。
実際にガラスを割ったのは1人で、ほかの3人は行為をあおっていたという。ガラスを割った少年は「青パトを壊したらゲームをさせてやるといわれたのでやった」と容疑を認めているという。
風俗業界をめぐっては、ホットポイントグループのような不正な税逃れが後を絶たない。現金決済で客が領収書を請求しないケースが多く、外部から正確な売り上げが把握しにくいのが理由とみられる。ある関係者は「税務調査で不正が明るみになっても、ほとぼりが冷めたら再び不正に手を染める。イタチごっこになるだけだ」と話している。
「どのエリアでも1、2を争う人気店ばかり」「業界でもナンバー1の注目度」。グループのホームページにはこうしたPRメッセージが並ぶ。拠点とされる京都では「18年連続シェアナンバー1」を掲げる。京都市内の別の風俗店に勤務する男性従業員は「うちは絶対に勝てない」とあきらめ顔で話す。
関係者によると、グループは各店の特徴や在籍する女性を紹介する雑誌を独自に発行し、集客を伸ばし続けてきた。実際、ホームページには毎年、インターネットや雑誌広告などに使う年間広告費が「約15億円」と紹介。「業界随一の圧倒的な広告費用」と強調し、他店を上回る集客力の高さをアピールしている。
楽天は25日、営業担当社員18人が、インターネット通販サイト「楽天市場」に出店する28店舗に対し、値引き額を大きく見せるために元値をつり上げる不当な価格表示を指示していたと発表した。
18人は2013年までの8年間に、担当する店の売り上げを増やそうと、店舗に対して元値表示のつり上げを電話などで指示したという。指示をした時期にばらつきがあることなどを理由に、楽天は組織的な行為ではなかったとしている。
楽天は、担当の常務執行役員ら4人を6か月間の減俸10%処分とした。指示をした社員18人は処分せず、監視体制を強化するなどして法令順守の徹底を図っていくという。
楽天市場では昨年11月、プロ野球・楽天の日本一記念セールで、17店舗が不当な価格表示をしていたことが発覚した。社員の関与は明らかにならなかったが、これをきっかけに、楽天は、営業担当経験のある社員661人と、楽天市場に出店する全店舗4万1993店に対し社内調査を行っていた。
東京都内などでパチンコ店やホテルを経営し、2010年7月に80歳で死亡した在日韓国人実業家の李日玉氏の遺族が、李氏が韓国に保有していた約130億円の預金などについて、東京国税局から相続税の申告漏れを指摘されていたことが25日、分かった。
李氏の長男(54)は「預金は父が生前、韓国の金融機関の担当者などから提案を受け、飛行機で日本から運び込んだ少なくとも約50億円の現金が原資となっている」と説明した。
関係者によると、遺族は既に韓国で預金などに相続税を課税された。日本では、韓国での課税分を差し引いた上で、過少申告加算税を含め約3億円を追徴課税され、13年に修正申告を済ませたという。
TPPをめぐる日米協議は25日、大筋合意に至らなかったが、「前進する道筋を特定した」と表現するところまでこぎつけた。ただ、今後のTPP交渉全体の“漂流”懸念を完全に払拭できたとは言い難い。TPP交渉全体のカギを握る日米協議が前進していかなければ、交渉妥結の機運が失われかねず、日本は米国との着地点を探る努力を続ける。
「今回駄目なら、交渉全体は大漂流を免れないとみていたが、瀬戸際で踏みとどまった」。ある政府高官はこう打ち明ける。
安倍晋三首相とオバマ米大統領による24日の日米首脳会談と、その前後に重ねられた閣僚折衝では、対立点で一定の歩み寄りはあったもようだ。
ただ、日本の重要農産品5分野の関税の扱いや自動車分野で双方の溝を埋めきれなかったのも事実で、「収斂するほど難しくなる」(甘利明TPP担当相)という協議で最終決着に持ち込める保証はまだない。
日米両政府は近く事務レベルの協議を再開し、残された課題を詰める作業を続行する方針だ。その進み具合によっては、甘利氏と米通商代表部(USTR)のフロマン代表による閣僚折衝が5月に再び行われる可能性もある。
一方、交渉参加12カ国は同月12~15日に首席交渉官会合を開催する予定。続く17、18日のアジア太平洋経済協力会議(APEC)貿易相会合後の20日前後には閣僚会合を開く方向で調整している。そこには、交渉の早期妥結を目指す米国の強い意向が働いている。
米国は11月の中間選挙が近づくほど、業界団体を刺激するTPP交渉は進めにくくなる。このため、遅くとも夏頃までには、何としても妥結に持ち込みたい考えだ。輸出と雇用の増加をもたらすTPPはオバマ政権の実績として有権者にアピールできる。
しかし、シンガポールのラジャラトナム国際研究所のデボラ・エルムス上級研究員は産経新聞に「農業問題を含む日米間の問題が解決しなければ、すべてのTPP協議が前進しない」とコメント。参加12カ国の経済規模の8割を占める日米が折り合わないままなら、知的財産分野などで米国と対立する新興国も、譲歩しない構えをみせているからだ。
日米の“神経戦”を着実に終結させられるかが交渉全体の行方を大きく左右するのは間違いない。
12か国交渉に弾み…TPP、日米実質合意環太平洋経済連携協定(TPP)交渉で、要となる日米両国が実質的な基本合意に至ったことで、交渉参加12か国全体による早期の妥結が現実味を帯びてきた。
今後の焦点は、日米以外の2国間の関税交渉や、全体でまとめるルール作りに移る。ただ、日米間でも細部の詰めが残っているほか、米国で議会が大統領に通商一括交渉権(TPA)を付与していないことなど、課題も少なくない。
◆現状を打開
米政府高官は25日、日米協議の結果について「双方、現状を打開したと感じている。(日米協議の)進展はほかの国との交渉に勢いをつける」と総括した。
12か国は5月中旬に、ルール作りを協議する首席交渉官会合をベトナムで開催する予定だ。さらに、今回、日米協議が前進したことにより、高官は「5月半ばには、TPP担当閣僚会合も開催される」との見通しも示した。日米協議がまとまることで「乳製品などの市場を開放しようとしなかったカナダも追随する」(元米通商代表部幹部)とみられ、各2国間の関税交渉が加速すると期待される。
5月の閣僚会合で交渉を妥結できれば、細かい条文の策定作業に移り、年末までの合意文書の署名も視野に入ってくる。
海上自衛隊厚木航空基地(神奈川県)に隣接する格納庫の屋根が2月の大雪で陥没し、定期修理中の自衛隊機6機に被害が出た問題で、防衛省は25日、うち4機は損傷が激しく、修理が困難だとする調査結果を公表した。
4機の調達価格は計約370億円に上るという。防衛省は、今も崩れた格納庫内にある機体を取り出してさらに詳しく調べ、修理の可否を最終判断する。
防衛省によると、格納庫は日本飛行機(横浜市)の所有で、6機は同社による定期修理を受けていた。修理が困難な4機の内訳は、潜水艦などを探知するP3C哨戒機が3機と、画像情報を収集するOP3C1機で、いずれも落ちてきた屋根で垂直尾翼などが激しく壊れた。電波情報を集めるEP3など他の2機は、修理が可能な状態という。