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投薬の「その後」確かめる 患者宅訪問、変わる薬剤師の役割

2014-10-05 17:18:22 | 健康
投薬の「その後」確かめる 患者宅訪問、変わる薬剤師の役割
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/life/snk20141002574.html へのリンク
産経新聞:2014年10月5日(日)14:25


 重度要介護の高齢者や認知症患者への訪問診療が広がるなか、薬がきちんと飲まれていないなどで服薬指導が課題になっている。薬剤師が患者宅に出向いて薬を飲む環境を整え、薬の効果や副作用を医師に報告。チーム医療で解決を図るところも。よりよい療養環境のため、薬剤師の役割に期待が寄せられている。(佐藤好美)

 滋賀県東近江市の永源寺診療所で、医療や介護の多職種が情報共有をする「サービス担当者会議」が開かれていた。診療所の花戸貴司医師が数日前に往診で抗生物質を投与し、薬を追加した在宅の高齢患者についてだ。

 地元、丸山薬局の薬剤師、大石和美さんは薬の追加を踏まえ、患者の「その後」を報告した。「先日訪問したら、呼吸数は20台に落ち着き、熱も36度台。酸素量も90%台に回復しています。水分摂取が困難な様子だったので、とろみをつけることを家族に提案しました。口腔(こうくう)内が乾燥しているので保湿ジェルを塗りたいのですが…」

 花戸医師が同意し、ケアマネジャーやヘルパーらも方針を共有した。

 永源寺地区は6千人弱が暮らし、自宅で亡くなる人が4~5割に上る。訪問看護師が入らない地域もある中山間地だが、大石さんはそんな地域も訪問する。花戸医師は「仕事が縦割りになると、抜けるところが出てしまう。みんなが一歩ずつ前に出ると、患者さんを細かい網の目で支えられる。医療資源が少ない地域だからこそカバーしあう面はあります」と言う。

 大石さんは15年前、父親が脳塞栓で倒れたとき、生家の薬局を閉めるために帰省した。だが、地域に唯一の薬局だ。店内を整理していると、閉めたブラインドの合間から近所の人がのぞきこんだ。「よう帰ってきたな。薬が無くなってしもた」「薬、作ってや」。以来、愛知県に夫を残し、単身赴任で薬局を継続してきた。

 患者を訪問する際は聴診器や血圧計、血中酸素濃度計も持参。患者の脈も取れば呼吸数も数える。肺炎やぜんそく、狭窄(きょうさく)の音は、父親を介護したとき、かかりつけ医に教え込まれた。その後もさまざまな場で医師からバイタルチェックの指導を受けてきた。

 その技術が今も生きるが、目的は明確だ。「薬が効いたか、効いていないか、効き過ぎていないか、思わぬ副作用がないか。それを判断するのが大事。そのために心臓や肺の音も聞く。先生にお知らせするまでが私の責任です」

 薬をきちんと飲んでもらうため、薬局には高血圧の薬「アムロジピン」だけで後発品も含めて20品目以上ある。飲み込みの機能が落ちている人には小粒の錠剤を選び、白内障の人には黄色の錠剤を避ける。見えにくいからだ。

 胃ろうの患者に処方された薬は、溶かしてチューブに入れる簡易な方法を家族に教える。溶かしたり粉砕したりしてはいけない薬もあるから、患者の状態と薬剤によって「飲ませ方」は異なる。

 薬剤師は、患者の病名や検査結果を知らされていないことが多い。だが、このあたりでは「お薬手帳」が威力を発揮する。通常よりひと回り大きいA5判に、花戸医師はカルテの写しも検査結果も貼る。延命治療の希望の有無を聞いたら、それも記入する。「患者さんも情報共有に参加できるように始めた。カルテは患者さんの情報だから、自分で持ってもらったらいい」(花戸医師)

 患者は分厚いお薬手帳を大事に持ち歩く。大石さんは「検査結果を継続して追える。患者さんに『この前の検査はお祭りの後だったから、数値が悪かったね。でも、去年より良くなっているから、薬をちゃんと飲んで、また頑張ろう』とエールを送れる。それが地域薬剤師の役割だと思う」と話している。

 ■人口・疾病構造変わる中、地域の健康拠点に

 薬剤師の仕事は、薬局や院内で処方箋(せん)を確認し、薬と情報を正しく渡すことだと思われてきた。厚生労働省幹部は「薬剤師が患者に触れてはいけないという『都市伝説』すらある」と嘆く。

 だが、職能を再評価しようとの動きもある。「日本在宅薬学会」(会員1300人)は第3世代の薬剤師「薬剤師3.0」を提唱。薬剤師を対象に血圧、呼吸、脈拍などを取る「バイタルサイン講習会」を行う。受講者は2300人を超えた。

 同会理事長で薬局も経営する医師、狭間(はざま)研至さんは「手技も大事だが、本当に大切なのは発想の転換。薬剤師さんは今まで、処方箋をチェックして薬を出す技術を磨いてきた。だが、出した後が勝負。患者さんが薬を飲んだのを踏まえ、『効きましたか』と問わないといけない。在宅はそれがしやすい場です」と言う。

 薬がきちんと飲まれていなければ、医師が意図した薬物治療が行われていないのに等しい。薬剤師が効き過ぎや副作用の情報を医師にフィードバックすれば、治療自体が変わる可能性もある。

 狭間医師自身も経験がある。在宅患者から幻覚を訴えられ、認知症の周辺症状だと思い、薬を足そうとした。だが、薬剤師に「前回処方した睡眠薬の副作用では」と提案され、減量したら軽快した。「薬学の見立てが入ると治療実績が上がる。薬の効果が出ないとき、薬剤師が原因を考え、意見を持ち、医師とディスカッションすることは、地域医療ではとても重要です」

 厚労省は、薬剤師が呼吸や脈をみることについて、「患者の疾病や病状を判断する『診断行為』は、医師にしか認められていない。だが、薬剤師が患者の状態を確認することは、患者に必要な情報提供や指導を行う際に、内容を適切に選択するために行うもので、薬剤師の職能の範囲」としたうえで、「薬局・薬剤師には、医薬品の提供だけでなく、後発品使用の促進や残薬解消といった医療の効率化、栄養・食生活など生活習慣全般にかかる相談応需など、地域に密着した健康情報拠点としての役割も期待される」(医薬食品局)とする。

 とはいえ、すべての薬剤師が、期待に見合う技能を発揮しているわけではない。患者や国民の理解と信頼も道半ば。窓口ではもっぱら「早く薬を出すこと」が求められる。

 狭間医師は言う。「まずは薬剤師が変わらないといけない。だが、国民にも『薬を買っているのか、健康を買っているのか』と問いたい。人口や疾病構造の変化で医療ニーズは急拡大している。今のメンバーで対処するしかないのに、全国に5万5千もある薬局が薬の払い出しの場所になっているのはもったいない」


エボラ出血熱 日本のインフル治療薬投与で治癒…フランス人女性が退院

2014-10-05 06:55:48 | 健康
日本の薬でエボラ出血熱治療、仏の患者退院
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/world/20141005-567-OYT1T50026.html へのリンク
読売新聞:2014年10月5日(日)11:47


 【パリ=三井美奈】AFP通信によると、フランスのトゥーレーヌ保健相は4日、エボラ出血熱に感染し、日本の製薬会社が開発した抗インフルエンザ薬で治療を受けていたフランス人患者が治癒し、入院先から退院したと発表した。

 患者は民間団体「国境なき医師団」に所属する女性看護師で、西アフリカのリベリア共和国で医療活動中にエボラ出血熱に感染。9月半ばにパリ郊外の病院に入院し、富士フイルムホールディングスのグループ会社、富山化学工業が開発した抗インフルエンザ薬「アビガン」の投与を受けていた。薬はエボラ出血熱の治療薬としては未承認だが、仏政府が投与を要請し、仏国内での使用を許可した。

想像を絶する恐怖、「エボラ出血熱との戦い」 緊急復刊した『ホット・ゾーン』を読む
http://news.goo.ne.jp/article/toyokeizai/entertainment/toyokeizai-49703.html へのリンク
(東洋経済オンライン)
2014年10月4日(土)10:00


西アフリカでエボラが猛威を振るっている。WHOの発表によると、今回のアウトブレイクは、ギニア、リベリア、シエラレオネ3カ国での感染者が6553名、死者は3083名という史上最大の規模に発展している(2014年9月26日時点)。そしてついに、アメリカ本土での感染者も現れてしまった。アメリカ疾病対策センター(CDC)の想定では、このままの状況が続くと2015年1月末までに感染者数は140万にまで及ぶ可能性があるという。

本書はこの危機を受けて緊急復刊された。このタイミングで迅速に復刊されたことに加えて、400頁超の本書の価格が1300円に抑えられていることも素晴らしい。1994年に出版された原書は出版当時から大きな反響を呼び、26カ国語に翻訳されている。250万部以上の売上を記録し、エボラの起源とアメリカの首都近郊での知られざるアウトブレイクを描き出したこの本が、全世界でエボラの名を一躍有名にしたのである。発売から20年が経った今でも、エボラとは何か知るための最良のサイエンス・ノンフィクションとして、アメリカでもこの8月にペーパーバック版が7万部増刷されている。
眼球の奥の疼くような痛み

本書に最初に登場する犠牲者シャルル・モネは、ケニア西部に1人で暮らす孤独なフランス人だ。彼を最初に襲ったのは眼球の奥の疼くような痛み。その後も発熱、嘔吐と症状は改善する兆しをみせない。体調の変化だけではなく、彼は怒りっぽくなり、物忘れも増え、奇妙に受動的になったという。地元ケニアの病院で受けたあらゆる治療、抗生物質は効果がなく、モネは東アフリカでも屈指のナイロビ病院へと向かった。吐血しながらも飛行機に乗り、なんとか救急外来の待合室にたどり着いたモネだが、彼にはもう時間は残されていなかった。モネはあらゆる体腔から出血して倒れ込み、翌朝集中治療室のベッドで死亡した。

1980年当時、モネを殺したウイルスの存在を知る者は医者にも少なく、彼の最後を看取ったムソキ医師はモネの死因を“劇症肝不全”と診断した。その数日後、モネの血や吐瀉物を浴びていたムソキにも、彼と同様の症状が現れる。この未知の病に打つ手のなくなったナイロビ病院の医師たちは、ムソキから採取した血清をCDCと南アフリカの国立ウイルス研究所に送り、分析を依頼した。そして、モネ、ムソキを襲った正体がマールブルグ・ウイルスであることが突き止められる。

 マールブルグ・ウイルスとは、高熱、血栓や激しい出血などをもたらす、致死率25%にも及ぶ凶悪なウイルスである。このマールブルグ・ウイルスは、ラテン語で“ひも状ウイルス”を意味するフィロウイルス科に属している。そして、本書の主役であり、現在世界に混乱をもたらしているエボラもこのフィロウイルス科のウイルスなのだ。本書にはエボラ・ザイール、エボラ・スーダンという2種のエボラが登場するが、現在では5種類のエボラウイルスが確認されている。

一口にエボラといってもその種によって、その感染力や致死性は大きく異なる。エボラ・スーダンはその致死性が50%にも及ぶが、エボラ・ザイールは更にその上をいく。なんと、エボラ・ザイールの致死性は90%、つまり感染した者10人中9人が亡くなってしまうほどの威力があるのだ。今回の西アフリカでのアウトブレイクも、このエボラ・ザイールによるものだという。本書出版からの20年で、エボラの自然宿主がコウモリである可能性が高いことなど新たな事実も明らかになってきているが、有効なワクチン、治療法は未だ確立されていない(ZMappなど動物実験で有効性が確認されたものもある)。

マールブルグの脅威にさらされたアフリカからスタートした本書は、1976年のエボラと人類の初めての邂逅の物語を経て、1989年のアメリカへと移る。その舞台はバージニア州レストン、首都ワシントンからわずか10マイル程度の距離にある都市だ。舞台の中心地は、熱帯各地からアメリカに輸入されてきたサルが全米各地に輸送される前に1ヶ月間留め置かれる検疫所の1つ、レストン霊長類検閲所。この検閲所の異変に、最初に気付いたのは施設の管理人。フィリピンからやってきて1ヶ月しか経っていないサル100匹のうち、29匹が死んでいたのだ。
アメリカに現れた殺人ウイルス

サルの死因を突き止めることのできなかった検閲所の獣医は、アメリカ陸軍伝染病医学研究所に助けを求める。陸軍で最初にサンプルを分析した実験技師トムは、自分が目にしているものが信じられなかった。顕微鏡が映し出しているウイルスは、あの悪名高きマールブルグにそっくりな、ひも状の姿をしていたのである。トムの脳裏に言葉がめぐる、「まさか、アメリカにマールブルグがいるはずがない」。しかし、トムの嫌な予想は悪い方に外れる。このウイルスは、マールブルグよりも恐ろしいエボラウイルスだったのだ。

アメリカ本土に現れたまさかの殺人ウイルスに、陸軍は総力をあげて立ち向かおうとする。ところが、陸軍にはアメリカ本土でウイルスと戦うという指名を議会から付与されてはおらず、その役目を負っていたのはCDCであった。これが、未曾有のウイルス禍に立ち向かうために厄介な事態を引き起こす。陸軍にはこのような事態に対処する能力はあったが権限はなく、CDCには権限はあったが能力がなかった。組織の軋轢を乗り越え、彼らがどのようにこの事態に立ち向かい、勝利したのか。ウイルス発生現場はもちろん、研究室においても死という究極的な危険がつきまとうリアリティがひしひしと伝わってくる。この危機を乗り越えた経験が、きっと今回のアウトブレイクにも役立つはずだ。

エボラは恐ろしい。読み終えたとき、誰もが思うはずだ。本書が描き出すエボラの物語は、あのスティーブン・キングが「人生の中で最も恐ろしい読み物の1つ」と評するように、背筋が凍る。しかし、それ以上にその恐怖のウイルスに立ち向かう医師、研究者や軍人たちの勇敢な姿に胸を打たれるはずだ。彼らが恐怖を感じなかったわけではない。恐怖に震えながら、家で待つ家族のことを思いながら、それでも彼らはウイルスに挑んだ。現在進行中のアウトブレイクでも、多くの医師たちがその身を危険に晒している。その致死性の高さゆえ、エボラにまつわるデマやが流布しているという。誤ったに踊らされることなく、事態の改善を願いたい。


続きは 東洋経済オンライン で

降圧剤で妊婦や胎児に副作用63件 「医師と相談して欲しい」厚労省が注意

2014-10-01 19:31:39 | 健康
降圧剤で妊婦や胎児に副作用63件 「医師と相談して欲しい」厚労省が注意
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/life/snk20140930574.html へのリンク
産経新聞:2014年9月30日(火)19:05

 高血圧の治療に使われる「ARB」「ACE阻害剤」という2種類の降圧剤により、妊婦や胎児に副作用が出る事案が平成23年~25年に計63件(28人)起きていたことが30日、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の調べで分かった。これらの降圧剤は妊娠中の服用をしないよう文書で注意喚起されているが、厚生労働省は改めて注意を呼びかけた。

 PMDAに報告された降圧剤の副作用が疑われる事例は、羊水過少(10件)や早産(2件)、胎児の骨形成不全症(2件)など。胎児が死亡した例も2件あった。発育不全や新生児の腎機能などに障害が出る例も多く報告されている。

 このうち妊娠前からARBの服用を続けていた30代の女性は、妊娠24週で羊水がなくなり、服用を中止。その後、羊水量は戻り31週で男児が生まれたが、腎機能障害などの先天異常があった。

 2種類はいずれも血圧上昇に関与する物質の働きを抑制する薬で、ARBを含む薬はブロプレスやディオバンなど19種、ACE阻害剤は12種承認されている。厚労省は「他の降圧剤に切り替えるなど、医師と相談してほしい」としている。


コンドームいらずの男性用避妊法まであと少し

2014-09-13 13:28:48 | 健康
コンドームいらずの男性用避妊法まであと少し
http://news.goo.ne.jp/article/newsweek/world/newsweek-E134231.html へのリンク
2014年9月11日(木)16:21
ニューズウィーク日本版

 コンドーム不要の男性向け避妊法「ベイサルジェル」が2016年~17年に実用化にこぎつける見込みだ。この技術の普及を支援しているパーセマス財団によると、ヒヒを使った実験では有効性が確認されている。

 パーセマス財団は製薬業界が取り上げない「埋もれた先進的医学研究」を支援し、低所得層や途上国の人々が利用できる低価格帯の医薬品を開発する目的で設立された。

 ベイサルジェルはホルモン剤を使用せず、効果が長続きする避妊法として注目されている。パイプカット(精管切除)と同様の永続的な避妊法だが、画期的な利点がある。生殖機能を簡単に回復できることだ。

「メスを使わないパイプカットのようなものだが、精管を切断するのではなく、精管にゲル状ポリマーを注入する」と、パーセマス財団は説明している。精管内のポリマーを通過すると、精子が破壊される仕組みで、「何カ月、あるいは何年か後に子供が欲しくなったら、再び注射してポリマーを流し出せばいい」という。

 ヒヒを使った実験では、ベイサルジェルを注入した3頭のヒヒをそれぞれ10~15頭の雌と一緒にして6カ月間観察したが、今のところ妊娠した雌は1頭も確認されていない。

 次の段階として、ヒヒの精管からポリマーを流し出し、生殖機能が回復することを確かめる実験が近々実施される。

 ヒヒを使った実験が順調に進み、デービッド・アンド・ルシール・パッカード財団から助成金が下りたおかげで、来年初めまでには人間の男性を対象に臨床試験を実施できる見通しになった。

 ベイサルジェルの価格は、途上国でパイプカットなどの避妊法を受ける場合とほぼ同じレベルに設定し、アメリカでの相場より安くしたいと、パーセマス財団は述べている。


「事業を継続するには採算がとれなければならないが、アメリカで女性が避妊リングを装着するのに必要な800ドルより安くなることは確実だ。避妊の費用が薄型テレビより高いようでは普及は望めない。製品の価格は診察料より安くなるようにしたい。また、医療保険の対象となるよう働きかけていく」

 ベイサルジェルの使用には年齢制限はない。パーセマス財団は、「パイプカットその他の既存の避妊法と並ぶ選択肢の1つとなる」とした上で、「将来的に子供が欲しくなる可能性がある男性にとっては、回復可能というエビデンス(科学的証拠)は重要な意味をもつ」と強調している。

マリア・カーン

意思を脳波から把握、「ロボット車いす」開発へ

2014-09-02 15:16:02 | 健康
意思を脳波から把握、「ロボット車いす」開発へ
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/trend/20140830-567-OYT1T50071.html へのリンク
2014年8月30日(土)14:51
読売新聞

 利用者の意思を脳波から把握し、自動走行する「ロボット車いす」の開発に総務省が乗り出す。

 高齢化社会が進む中、人手不足の介護の現場での実用化を見込んでいる。2020年の東京パラリンピックの会場で活用することも目指す。

 総務省は、来年度政府予算の概算要求に開発費5億円を盛り込んだ。研究機関や通信会社、機械メーカーなどと協力し、17年をめどに実用化を急ぐ。

 利用者の頭に付けたセンサーで、脳波や神経の動きなどから意思を読み取り、自動で車いすを動かす。国際電気通信基礎技術研究所(京都府)などでは、利用者が左右のどちらに進みたいかを考えるだけで、コンピューターが認知するなど、基盤となる技術の研究が進んでいる。実験では、車いすの短い距離の移動や、家電の簡単な操作などに成功している。


糖尿病新薬で脳梗塞12例、使用注意呼びかけ

2014-08-30 16:01:24 | 健康
糖尿病新薬で脳梗塞12例、使用注意呼びかけ
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/nation/20140830-567-OYT1T50037.html へのリンク
2014年8月30日(土)10:43
読売新聞

 今年4月以降に相次いで発売された糖尿病治療薬「SGLT2阻害薬」で様々な副作用が報告されている問題で、日本糖尿病学会は29日、報告された副作用件数は、今月17日までに脳梗塞12例、低血糖114例、皮膚症状が500例以上に達したと発表した。

 新薬は、腎臓で尿に出た糖を再び取り込むのを妨げる働きがあり、体重を減らす効果がある。一方、服用後は尿の量が増え、体内の水分が減るため、脱水への注意が必要とされている。


神経伝達物質の大半は腸で作られ脳に送られているい

2014-08-13 19:00:52 | 健康
【デキる人の健康学】神経伝達物質の大半は腸で作られ脳に送られている
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/life/snk20140808550.html へのリンク
2014年8月13日(水)11:45
産経新聞

 腸は食べ物の消化・吸収、ウイルスや細菌からのバリアー形成、腸内環境による免疫力の維持など生命にとって重要な役割を果たしている。さらに腸の働きは心とも密接に関連していることが最近の研究によって明らかとなってきた。感情や思考などを司る神経伝達物質の大半は腸で作られ脳に送られていることが知られている。

 このため「腸は第二の脳」とも呼ばれ、腸内環境のバランスが低下すると神経伝達物質の分泌不全が生じ心の健康にも影響を及ぼす可能性が指摘されている。

 カリフォルニア州立工科大学のエレーヌ・シャオ教授らの研究チームは腸内環境のバランスを改善することで自閉症の症状を改善できる可能性をマウスの実験で示し注目を集めている。

 自閉症といえば社会性や他者とのコミュニケーション能力に困難が生じる精神発達障害である。シャオ教授は妊娠マウスに母体免疫活性化の技術を用いることにより、その仔マウスに自閉症のモデルを作ることに成功した。

 興味深いことに自閉症を発症した仔マウスの腸を調べると、腸内細菌のバランスが崩れ腸管バリアーが破綻していた。そこで研究チームはヒトの日和見感染菌として知られているバクテロイデス・フラギリスを自閉症マウスに与えると、驚くべきことに異常行動が減少した。

 自閉症の症状が改善したマウスの腸を調べると、腸内細菌のバランスが調整され、バリアー機能が復調していた。今回の報告で腸内細菌が神経系に作用していることが明らかとなり、ヒトの認知機能、感情制御、精神的健康にも関与している可能性を示唆した。

 今後、小児の発達障害だけでなく、高齢期の認知機能低下にたいしてもこのようなプロバイオティックなアプローチが期待される。

■白澤卓二(しらさわ・たくじ) 1958年神奈川県生まれ。1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大大学院医学研究科博士課程修了、医学博士。東京都老人総合研究所病理部門研究員、同神経生理部門室長、分子老化研究グループリーダー、老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーを経て2007年より順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座教授。日本テレビ系「世界一受けたい授業」など多数の番組に出演中。著書は「100歳までボケない101の方法」など100冊を超える。


韓国産「アワビ粥」から微生物反応 さいたま市が回収指示

2014-08-09 07:42:56 | 健康
韓国産「アワビ粥」から微生物反応 さいたま市が回収指示
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/life/snk20140808573.html へのリンク
2014年8月9日(土)00:05
産経新聞

 さいたま市保健所は8日、食品販売会社「有利」(同市桜区田島)が輸入した韓国産のレトルト食品「アワビ粥(かゆ)」の抜き取り検査で微生物の陽性反応があったため、同社に対してこの製品の販売中止と回収を指示した。

 同市食品安全推進課によると、市場で販売されている可能性がある同製品は最大で6カートン、144個。販売先は東京都で2カ所、川崎市で1カ所、さいたま市で1カ所。

 微生物の陽性反応がある同製品を食べると、体調によっては嘔吐(おうと)や下痢などの症状が出る可能性があるという。同課は、手元に製品がある場合は食べないで廃棄するか返品するよう呼びかけている。


高齢者の大動脈弁狭窄症 切開しない新治療法(TAVI)が普及

2014-07-24 16:38:16 | 健康
高齢者の大動脈弁狭窄症 切開しない新治療法(TAVI)が普及
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/life/snk20140723544.html へのリンク
2014年7月24日(木)08:05
産経新聞

 心臓の大動脈の弁が固くなり、血液が流れにくくなって心不全などを起こす重症の大動脈弁狭窄(きょうさく)症の治療にカテーテルを使って人工弁を挿入する「経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)」という新治療法が普及し始めている。高齢などで胸部の切開による外科手術が不可能な患者が対象で、患者の負担が少なく、短期間で退院できる。昨年10月には保険償還も認められ、実施病院は全国で30カ所以上に増えている。(坂口至徳)

 ◆QOLも改善

 大動脈弁狭窄症は、収縮して血液を全身に送り出す左心室と大動脈の間にある大動脈弁に石灰が沈着して固くなり、十分に開かなくなる。65歳以上の高齢者の約4%に症状があると推計され、加齢とともに進行し、狭心症や失神、心不全などの症状が出れば生存率が低下する。

 国内では毎年約7千人が病んだ大動脈弁を人工弁で置換する外科手術を受け、回復。しかし、ほぼ同数の患者が高齢や再手術不可能などの理由で外科手術が受けられず、症状が進行しているとみられる。TAVIはそのようなケースに有効で、これまで600例以上の手術が行われている。

 国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)の小林順二郎副院長によると、TAVIは2002年に欧州で開発され、改良を重ねてきた。人工弁は直径23~26ミリ。牛の心膜で作られた生体弁で、拍動で起きる血流によって開閉する。

 治療はモニターを見ながら行う。太ももから血管内を通ってワイヤや風船を入れ、固くなった弁をこじ開けて広げる。その後、カテーテルの先に直径8ミリに圧縮した人工弁を付けて挿入。固くなった弁の内側に届いたところで、人工弁を風船で元の弁の大きさに膨らませ、外周を取り巻く金網状の金属で固定する。

 80歳の男性は大動脈弁狭窄症で息切れなど狭心症などの症状が出て、同センターに入院。12年前に心臓の冠動脈の4カ所にバイパス手術を受けており、再度の外科手術はバイパス部分を傷付けて合併症が起こりやすいため、できなかった。

 このため、小林副院長ら外科医と内科医がTAVIを行い、2時間で治療を終了。早期に回復した男性は1週間後に退院し、QOL(生活の質)も改善した。

 ◆体に楽な方法

 ただ、この治療では弁が固まっているため、挿入した人工弁との間に隙間ができ、弁の周囲で血液の逆流が起きないようにぴったりと植え込む必要がある。カテーテル挿入の際にできた血栓による脳梗塞などにも注意が必要だ。その点を改良し、弁の周囲の金属部分に形状記憶合金を使って自動的に開くようにしたり、隙間を布で埋めたりする人工弁も開発され、一部は欧米で既に使われている。

 TAVIが早くから行われてきたドイツやデンマーク、オランダでは保険での治療が認められるようになってから大動脈狭窄症の治療の半数近くに増えている。人工弁の耐久性についてはまだ開発されて間がないため、はっきりとした結論は出ていない。臨床例を見ながら年齢の適応を拡大していくという。

 小林副院長は「今まで高齢で手術を諦めていた人もTAVIは人工心肺を使わないなど比較的、体に楽な方法なので治療を申し出てほしい」と話している。



「健康な食事」認証制を導入 政府、来年度にも調理済み食品対象

2014-07-21 18:53:23 | 健康
「健康な食事」認証制を導入 政府、来年度にも調理済み食品対象
http://news.goo.ne.jp/article/businessi/business/fbi20140720011.html へのリンク
2014年7月21日(月)08:21
フジサンケイビジネスアイ

 政府がスーパーマーケットやコンビニエンスストアで販売される総菜などの調理済み食品を対象に、栄養バランスなど一定の基準を満たす食品について、「健康な食事」として認証する制度を導入することが20日、分かった。国民が自立して元気に暮らせる「健康寿命」を延ばすことを後押しする狙いがある。今夏にも厚生労働省が基準の詳細を決定し、来年度から導入する方針だ。

 健康の維持に必要な栄養の摂取量は、国の「食事摂取基準」で年齢や男女別に、1日に摂取してもよいカロリーや食塩の量などについて、それぞれ平均的な目安が定められている。販売されている総菜でも、カロリーや食塩含有量について表示はあるものの、1食で目標値に対してどの程度の割合を占めるかは分からなかった。

 新たに導入する制度では、炭水化物を多く含む米や麦などの主食▽タンパク質や脂質の供給源である肉や魚介類を使ったおかず類▽ビタミンや食物繊維を補給するサラダや煮物などの野菜を使った料理-の3分野に分けて、それぞれ1食当たりの摂取量の基準を設定。この基準をクリアしている商品には容器や包装に認証マークを入れ、マークがついている食品であれば、1食分の栄養バランスを確保できる仕組みとする方針だ。

 身近で購入できる総菜などが健康維持の基準を満たしているかどうかを分かりやすくすることで、国民全体の健康に対する意識を高め、医療費の抑制などにつなげる狙いもある。将来的には、糖尿病患者などを対象にした特別食や介護が必要な高齢者向けの食事でも同様の基準を作ることも検討する。

 政府は6月に閣議決定した新成長戦略で、2020年までに国民の健康寿命を1歳以上延ばすことや、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)人口を08年度比25%減少を掲げている。

コンビニ健康食品さらに隆盛  「糖質80%オフのパン」まで
http://news.nifty.com/cs/economy/economyalldetail/postseven-20140720-267084/1.htm へのリンク
2014年7月20日(日)16時0分配信 NEWSポストセブン
niftyニュース

  コンビニエンス・ストアで健康路線を打ち出した商品が急激に増えている。進撃のローソン、追うセブン、独自路線のファミマ。食文化に詳しい編集ライターの松浦達也氏が解説する。

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 いまから半年ちょっと前、2013年12月に「ローソンVSセブン ダイエット効果を謳う低糖質食品でバトル」という記事を書いた。現在、快進撃を続けるローソンの低糖質パン「ブランパン」の認知がじわじわと進みブレイクし始め、そしてセブン―イレブンの「サラダチキン」が爆発的な人気で製造が追いつかなくなり、一時的に製造が止まった頃だった。

 それから7か月、各コンビニの健康志向に拍車がかかっている。先鞭をつけたローソンは、ブランパンシリーズをこの5月にリニューアル。米ふすまを加え、看板商品のブランパン1個あたりの糖質を3.4g→2.2gと35%オフ。一般的なロールパンと比較すると84.3%オフという低糖質っぷりだ。ラインナップも強化された。ブレッドタイプの「ブランブレッド」「ほろにがショコラ&ホイップブラン」「ブランのトマトカレーパン」などタイプ違いで全8種類。店頭でもブランパンのコーナーは目に見えて拡大されている。さらに、これまで都市部の一部店舗以外であまり見ることのなかった(注文すれば入荷してもらえたらしい)ブランサンドを店頭で見かける機会も増えた。

 さらにこの夏、ローソンの冷凍庫に並んだのが「80kcal」とパッケージに大きくデザインされたカロリーコントロールアイスシリーズ。昨年も店頭に並んでいたバータイプのチョコ&クランチバーのほか、今年はカップ型5種にモナカ型3種が加わった。しかもいずれも糖質50~30%オフ。デザートシリーズの「UchicafeSWEETS?2014年夏コレクション」もすべて170kcal以下と、盤石の健康シフトだ。

 昨年、「サラダチキン」が爆発的な人気を博したセブン―イレブンも、周辺のアイテムを充実させた。袋タイプのカット野菜シリーズに「10品目の彩りミックス」「シャキシャキロメインレタスサラダ」などプレミアムラインとも言える「食卓サラダ」シリーズが加わり、全8種類に。サラダ全タイプを合計すると30種を超える大充実のラインナップだ。

 そのほか「生きて腸まで届く乳酸菌入りのむヨーグルト」シリーズ5種と、アイスミルクの「生きた乳酸菌が入ったアイス」など、やはり健康を意識したアイテムに注力。さらにオリジナルブランドのパンについては、健康リスクについて物議を醸すトランス脂肪酸を2005年比で十二分の一にまで低減している。

 “3強”の一角であるファミリーマートは、この4月、新宿区にコンビニエンスストアと調剤薬局との一体型店舗をオープンさせた。近隣にある病院の調剤薬局としての機能も果たしながら、通院客などに向けて栄養調整食品ややわらか食など健康食品のランナップを強化するという。

 ドラッグストアとの提携は、セブン―イレブンやローソンも進めていく予定となっている。商品開発超高齢化社会を迎える日本の日常を支えるコンビニに、もはや「健康」というキーワードは不可欠なものとなっている。


血液型と性格「関連なし」…日米1万人超を調査

2014-07-20 03:53:43 | 健康
血液型と性格「関連なし」…日米1万人超を調査
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/nation/20140719-567-OYT1T50087.html へのリンク
2014年7月19日(土)20:59
読売新聞

 血液型と性格の関連性に科学的根拠はないとする統計学的な解析結果を、九州大の縄田健悟講師(社会心理学)が発表した。

 日米の1万人以上を対象にした意識調査のデータを分析した。「A型の人は真面目」「B型は自己中心的」といった血液型による性格診断は、国内で広く信じられているが、就職や人事などで差別される「ブラッドタイプ(血液型)・ハラスメント」の問題も指摘されており、一石を投じそうだ。

 研究成果は6月25日に発行された日本心理学会の機関誌「心理学研究」に掲載された。

 縄田講師によると、血液型と性格を結びつける考え方は国内では流布しているが、海外ではほとんど知られていない。1970年代に出版された関連本がきっかけで、その後もテレビ番組などで紹介されたことで広がったという。

 縄田講師は、経済学分野の研究チームが、2004~05年に日米の1万人以上を対象に、生活上の様々な好き嫌いなどを尋ねた意識調査に、回答者の血液型が記載されていることに注目。血液型によって回答に違いがあるかどうかを解析した。

 その結果、「楽しみは後に取っておきたい」「ギャンブルはすべきではない」など、計68項目の質問に対する回答のうち、血液型によって差があったのは「子供の将来が気にかかる」などの3項目だけで、その差もごくわずかだった。このため「無関連であることを強く示した」と結論づけた。

 血液型を巡っては、特定の血液型の人格が否定的にとらえられる例があり、問題視されている。厚生労働省によると、採用面接などで血液型を尋ねられるケースは後を絶たず、同省は「血液型は職務能力や適性とは全く関係ない」として、血液型を質問しないよう企業に求めている。大阪労働局によると、採用試験の応募用紙に血液型などの記入欄を設けていた企業に対し、是正するよう行政指導した例があるという。


患者の8割が女性 「関節リウマチ」治療薬進歩、寛解が目標に

2014-07-19 14:27:47 | 健康
患者の8割が女性 「関節リウマチ」治療薬進歩、寛解が目標に
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2014年7月19日(土)08:05
産経新聞

 免疫の異常で全身の関節に腫れや痛みが生じる関節リウマチ。国内の患者は60万~70万人とされる。最近は治療薬の進歩で、症状を押さえ込むことも可能になってきた。東京女子医大付属膠原(こうげん)病リウマチ痛風センターの桃原茂樹医師に聞いた。(油原聡子)

 ◆8割が女性

 リウマチは、免疫の異常によって関節内にある滑膜(かつまく)(関節を包む膜)に炎症が起こり、腫れや痛み、こわばりなどの症状が出る。原因は分かっていないが、遺伝や環境などさまざまな要因が考えられている。桃原医師は「遺伝も関わるとされているが、家族がリウマチだからといって必ず発症するわけではありません」と話す。

 主に30~50代で発病することが多く、患者の8割が女性だ。悪化すると関節全体に炎症が広がり、軟骨や骨が破壊され、変形が生じ、さらに進行すると、腎臓や肺に合併症が出現し、寝たきりになったりすることもあるという。

 リウマチと間違えやすいのが、加齢による関節の痛み「変形性関節症」。「指の第一関節はリウマチになりにくい。第一関節だけ症状があるのなら変形性関節症の可能性が高い。第二、第三関節や手首に症状があるとリウマチの可能性が高くなる」(桃原医師)。リウマチは通常、腫れている部分が軟らかいが、変形性関節症は硬いという。

 ◆選択肢いろいろ

 リウマチが疑われるときはリウマチ内科や整形外科を受診する。桃原医師は「早期発見、早期治療が大事」と話す。

 治療の基本は薬物療法。国内では海外に比べて新規薬剤の導入が遅れていたが平成11年、免疫抑制剤「メトトレキサート」の認可を機に優れた治療薬が登場。治療の選択肢も広がった。以前から使用されていたステロイドのほか、最新のバイオテクノロジーを用いて誕生した生物学的製剤もある。生物学的製剤は高価で注射か点滴でしか使えない欠点もあるが、従来の薬にはない高い治療効果が得られる。

 桃原医師は「最近は海外と同等の治療が国内でも受けられるようになった。治療薬をうまく使えば、症状を完全に押さえ込む『寛解』が具体的な治療目標にできるようになった」。

 昨年7月に登場した分子標的薬「トファニシチブ(商品名・ゼルヤンツ)」は、炎症や免疫に働き掛ける物質を狙って作用し、症状を抑える。生物学的製剤と違って服薬でき、患者が扱いやすいのもメリットだ。ただ、副作用として感染症や悪性腫瘍、帯状疱疹(ほうしん)が懸念されている。

 薬を飲んでも効果がない場合や関節が変形してしまった場合は外科手術も選択肢の一つとなる。この際、ストレスをためない▽睡眠を十分に取る▽受動喫煙も含め、たばこを吸わない-などの生活指導、関節機能回復のためのリハビリ指導も並行して行われる。

 桃原医師は「リウマチは個人差が非常に大きい病気。個々人に応じた診察と治療が求められている。主治医と相談し、自分に合った治療を選択してほしい」と話している。

 ■確定診断まで3カ月以上が5割

 関節リウマチの患者のうち、確定診断までに3カ月以上も要している人が5割を超えることが、ファイザー(東京都渋谷区)の調査で分かった。調査は平成23年6月、薬剤による関節リウマチ治療中の患者500人に実施した。

 それによると、自覚症状発現から確定診断までに要した期間は53.6%が3カ月以上。関節リウマチによる仕事の退職や転職について、「仕事を辞めたことがある」が31.6%、「仕事を変えたことがある」は11.6%だった。治療薬について重視する点は、生物学的製剤を使っている患者120人のうち71.6%、使用していない患者380人のうち60.5%が、「痛みが確実に取れる(長期にわたって安定)」とそれぞれ回答した。


人生後期に発病する遺伝性腎臓病「ADPKD」 進行遅らせる世界初の治療薬

2014-07-13 17:39:12 | 健康
人生後期に発病する遺伝性腎臓病「ADPKD」 進行遅らせる世界初の治療薬
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/life/snk20140709563.html へのリンク
2014年7月10日(木)08:05
産経新聞

 腎臓に嚢胞(のうほう)(水が詰まった袋)が無数にでき、少しずつ大きくなることで腎臓の機能が低下する難病「常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)」の治療薬が世界で初めて承認された。根治には至らないが、病気の進行の速度を遅くすることが可能だ。患者にとって、腎不全による人工透析や腎移植を遅らせるための選択肢が広がった。(村島有紀)

 ◆平均50%抑制

 ADPKDの初の治療薬は「サムスカ錠」(一般名・トルバプタン)。大塚製薬(東京都港区)が開発したものだが、もともとは心不全の治療薬(錠剤の利尿剤)だった。しかし、ADPKDにも効果がある可能性が分かり、10年前から米国の病院を中心に、世界15カ国約1400人以上の患者の協力を得て治験を実施。服用により、腎臓が大きくなるスピードを平均50%抑制する効果が判明し、世界初の治療薬として今年3月、日本で承認された。

 初の治療薬について、ADPKDの患者団体「PKDの会」(www.pkdnokai.org)の会長、山地幸雄さん(62)は「治療薬の登場は画期的。ほかにも治療に使えそうな薬はまだある。根治治療が確立されるまでのつなぎの薬として歓迎したい」と話す。

 サムスカは強力な利尿作用があり、登録医だけが処方できる。副作用として肝機能障害の危険性もあるため、投与開始時は入院して定期的な血液や肝機能検査などのモニタリングが必要という。

 山地さんは49歳のときから腎機能が低下し始めた。徐々に腎不全が進み、55歳からは人工透析治療を開始。週3回の透析治療と仕事を両立させ、59歳まで勤務した。

 「当時、もしサムスカがあったら、透析治療の開始を、もう5年遅らせることができた可能性がある。勤務していた会社に理解があったので私は仕事ができたが、そうでない人は透析治療はつらい」と振り返る。

 ◆告知の難しさ

 ADPKDは親から受け継いだ遺伝子変異が原因だが、30、40代までは無症状で推移することが多い。嚢胞が徐々に大きくなっていって発病することから、ある程度、年齢を重ねた頃に症状が出てくる。発病まで気づかない人も多い。専門医が少ないため、ADPKDとの診断を受けないまま生涯を終えた患者も多くいるとされる。

 山地さんも35、36歳の頃、「多発性嚢胞腎」と診断された。しかし、「良性でがん化しない」とだけ説明を受けた。腎臓が大きくなることや、将来、腎不全になることを知らないまま過ごしたことへの疑問はぬぐえないままだ。

 「当時は遺伝性の病気と知られていなかったと思う。人生の後期に発症する病気は、生まれつきの病気とは別の悩みがある。子供の結婚や出産にも影響し、家族にも病気を知らせていない人もいる。治療法ができたことで腎臓が悪くても普通の生活が送れるなら前向きに病気と向き合える人が増えるはず」と話している。

【用語解説】常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)

 両親のどちらかがADPKDの場合、50%の確率で遺伝する。男女差はない。日本には約3万人、欧州には約20万人、米国には約12万人の患者がいるとされる。主な症状は、倦怠感(けんたいかん)や食欲低下、高カリウム血症などの腎不全症状のほか、血尿やおなかの痛み、おなか回りが大きくなるなど。肝臓に嚢胞ができる合併症や高血圧、尿路結石、くも膜下出血なども発症しやすい。厚生労働省進行性腎障害調査研究班の治療指針によると、30、40代までは無症状で、加齢によって両方の腎臓に嚢胞が増え、少しずつ肥大化。同じ家系であっても進行度はそれぞれ異なるが、70歳までに約半数が末期の腎不全になる。診断は超音波やCT(コンピューター断層撮影装置)などの画像検査で行い、遺伝子検査は行わない。


「糖質制限食」副作用リスクめぐり激論、体重・血糖・血圧では改善

2014-07-10 06:27:08 | 健康
「糖質制限食」副作用リスクめぐり激論、体重・血糖・血圧では改善
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/life/snk20140708551.html へのリンク
2014年7月9日(水)08:05
産経新聞

 ダイエットの方法として糖質制限が話題となっていることに注目し、日本糖尿病学会はこの是非をめぐって討論会を開いた。糖質制限は比較的短期間で体重を減らせる特徴がある一方で、欠点もあるようだ。専門家はどのような知見を披露したのか。激論となった討論会の一端を紹介する。(山本雅人)

 ◆合併症予防も

 5月に開催された糖尿病学会年次学術集会では「低炭水化物食は有益か、有害か?」と題するプログラムがあった。あえて「コントラバーシー」(論争の意)の部に組み込まれた。

 炭水化物とは、ご飯やパン、麺類の主成分であり、糖質制限ダイエットは主にこの炭水化物の摂取を控えることを目指すものだ。炭水化物を控えれば、摂取の総カロリー数はあまり気にせず、肉類でも一定量食べていいのが特徴だ。

 推進派として、北里大学北里研究所病院の山田悟・糖尿病センター長は糖質制限についての無作為比較試験に触れ、「血糖、体重、血圧、脂質の全てが改善した。動脈硬化症の改善データも得られた」との結果を示し、「糖尿病のさまざまな合併症予防の点からも意義がある」と語った。

 山田氏は米国の糖尿病学会が昨年、ガイドラインを改定し、糖質制限を糖尿病治療の第一選択肢としたことを紹介した。

 これに対し、京都府立医大大学院の福井道明准教授は慎重派の立場から、「糖質制限をうまくやれば有効だが、やり方には注意が必要だ」と前置きし、「一日の食事の中でタンパク質摂取量が増えれば、腎機能障害になるケースがあるほか、骨密度の低下で骨折しやすくなる事例も出ている」と指摘。悪玉のLDLコレステロールが増える側面も挙げ、「動脈硬化からの心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まることもある」と懸念を示した。

 ◆死亡率で報告

 糖質摂取の量をめぐる観察研究では、摂取が少ない集団での死亡率が上がるとの報告がある。

 山田氏が「死亡率が上がった原因が糖質制限にあるかどうかがはっきりしない」と因果関係に疑問を提示。一方、福井氏は、糖質を減らした際、残りのタンパク質と脂質が動物性に偏った場合、死亡率が有意に上がるとのデータを示した。

 糖質制限ダイエットは短期間で体重が減りやすいため、肥満やメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)、糖尿病の人も飛びつきやすい面がある。山田氏は「食事量を減らすカロリー制限のダイエット方法で挫折する人がいる中で、糖質制限にチャレンジするのも一考ではないか」と述べた。福井氏は「糖質制限は半年では体重が有意に減るが、1年たつとカロリー制限との有意差がほとんどなくなる。そういう研究データがある」と、リバウンドしやすい落とし穴を指摘した。

 ■ガイド本など出版界もブーム

 糖質制限ダイエットをめぐっては毎月のように新しいガイド本が出版され、一大ブームとなっている。

 『食べながらやせて二度と太らない史上最強のダイエット』(王尉青著、PHPエディターズ・グループ)は糖質制限に取り組んだ人の成功例を紹介。雑誌『Tarzan』(マガジンハウス)は6月26日号で、糖質制限について「極端に糖質を減らすのは危険」「動物性タンパク質を取り過ぎずに豆腐や魚類も大切」という記事を掲載した。


がんの分子標的治療薬に皮膚障害の副作用 皮膚科専門医参加で改善

2014-07-01 14:08:24 | 健康
がんの分子標的治療薬に皮膚障害の副作用 皮膚科専門医参加で改善
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/life/snk20140628536.html
2014年6月28日(土)11:25
産経新聞

 がん細胞を狙い撃ちして退治する分子標的治療薬が化学療法の大きなウエートを占めるようになってきた。ところが、顔面にニキビのような皮疹が出たり、手足にやけどのような水泡ができ、痛みが走ったりするなどの皮膚障害の副作用が高率に出る。投与前からの計画的な治療や予防の対策が迫られている。(坂口至徳)

 ◆重症化すると

 分子標的薬は、がん細胞が増殖したり、他の組織に入り込み転移したりする際に働く特有の分子を攻撃する。このため、正常細胞への影響は少なく、髪が抜けるなどこれまでの抗がん剤の副作用は少ないとされていた。しかし、がん細胞の表面に多く発現する特有の分子は正常な皮膚の細胞も少量持っているため、分子標的薬が作用し、症状を起こすとされる。

 これまで確認された皮膚障害は、分子標的薬の種類によって異なる。

 がん細胞同士の増殖の情報連絡を遮断するタイプの薬(EGFRチロシンキナーゼ阻害薬)では、ニキビのような「ざ瘡(ざそう)」という皮疹が皮膚一面に出る症状をはじめ、極端に皮膚が乾燥状態になり、指先やかかとの角質層がはがれ落ちるなどしてかゆみや痛みに悩まされる「乾燥性皮膚炎」、爪の周囲が赤く腫れ、重症化すると亀裂や痛み、出血で、歩行困難など生活に支障をきたす「爪囲(そうい)炎」がある。

 がん細胞の増殖や進行に関わる複数の酵素を阻害するタイプの薬(マルチキナーゼ阻害薬)では、「手足症候群」という症状が出る。手足に赤みや痛みが出て重症化すると、やけどのような水泡と激しい痛みに見舞われる。

 ◆積極的に相談を

 こうした症状は、分子標的薬の投与前から治療や予防の計画を立てておけば、的確な皮膚障害の治療薬の投与や塗り薬、スキンケアで改善できる。ところが、各地のがん専門の医療施設以外は、がんのチーム医療に皮膚科の専門医師が参加することが少ないという。

 早くから皮膚科を含めたチーム医療を展開している静岡県立静岡がんセンター(静岡県長泉町)の清原祥夫(よしお)皮膚科部長は「分子標的薬の延命効果がある患者ほど皮膚障害が出やすいというデータがある。その点を見極め、救命を優先しながらも、容貌の変化や行動の制約などにつながる皮膚障害を改善し、患者の精神状態を含めた生活の質を高める必要がある」と強調する。

 同センターにがん治療で入院した60代の女性は、分子標的薬による「乾燥性皮膚炎」になった。「しっとりした玉の肌だったのに、抗がん剤をやめたい」と落胆。しかし、清原部長らが塗り薬やスキンケアで保湿効果を高める治療を行い、元の肌質を取り戻した。その結果、分子標的薬の服用を中止することなく治療が続けられ、効果が出ている。

 清原部長は「皮膚科の医師が、がん治療に関わり、内科など他の臨床科と協議する体制が地域ぐるみでも取られるようになりつつある。治療中の皮膚障害も改善する可能性が大きいので積極的に相談してほしい」と話している。