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東京新聞:2014年10月3日(金)08:10
全国の電力会社が、再生可能エネルギーを固定価格で買い取る新規契約を中断している問題で、県内でも7月下旬以降、東京電力が送電設備の容量不足を理由に、広範囲で新規契約の申し込みを保留にしている。市有施設の土地の一部を太陽光発電事業者に貸す計画がある鹿沼市は、受け付けを一時停止するなど対応に追われた。関係者の間には「再生エネの普及に冷や水となるのでは」と不安が広がる。 (大野暢子)
鹿沼市は七月、同市磯町にある廃棄物処分場内の敷地の一部に当たる約六千平方メートルを、太陽光発電事業者に有料で貸し出す事業を発表。日当たりが良く、国の定めた「固定価格買い取り制度」で価格が保証される二十年間の貸し出しが可能だとして、適地と判断した。
しかし、七月下旬になって東電から市に「再生エネの契約申し込みが多く、このままでは変電所の余力が不足する」と連絡があり、発電しても順調に売電できるかが不透明な情勢に。市は、事業希望者の正式な受け付けをいったん見合わせた。
市は、来年度には国の方針で買い取り価格が下がる見通しのため、早期に公募しないと事業の需要が下がると判断。八月末にあらためて募集を始め、現在は応募してきた複数社の中から事業者の選定を進める。市の担当者は「先行きは不透明だが、事業者にはリスクも含めた現状を理解してもらうしかない」と話す。
県内の再生エネによる電力自給率は二〇〇五年時点で6%だが、県は三〇年までに13%を目指す。地球温暖化対策課の担当者は「県が事業者となっている施設や、候補地の仲介をした施設が、東電による新規受け付けを保留にされた例は今のところない」としつつも、「こうした制約が続けば、再生エネの普及への影響が心配される」と指摘。県は近く、状況の改善を求めて国に要望する方針だ。
再生エネの中でも、日照時間が長く、晴天率の高い県内では、太陽光発電が有望視されている。その普及を後押しするため、県は一一年から大規模太陽光発電所(メガソーラー)の候補地を募集し、ホームページで公表。七月一日現在、四十七カ所を紹介し、約百八十社が参加希望を表明した。このうち二十三カ所で事業者が決まり、十三カ所ですでに発電している。
東電栃木支店は今月二日までに、過去に契約を検討したことがある企業など六百五十の事業者に、新規受け付けの保留を通知。電気を売りたい事業者の参入が増え続ければ、東電側は送電設備の能力を高める工事が必要になるという。
栃木県と同様の問題が起きている群馬県北部では、事業者に工事費を負担してもらうため、東電が、新規参入を希望する事業者を対象に入札を行う方針。栃木支店の担当者は「群馬の事例などを参考に、今月内にも栃木県内での対応を公表できるようにしたい」と説明した。
<再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度> 太陽光、風力、中小規模の水力、地熱、植物や家畜のふん尿などを生かしたバイオマスの5種類の発電を、国が決めた価格で電力会社が買い取る制度。2012年7月に始まった。電気は電力会社の送電線で送られる。電力会社は「電気の円滑な供給の確保に支障が生じるおそれ」がある際などは、買い取りを断ることができるとされる。
再生エネルギー買い取り制度、年明けにも見直しhttp://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/politics/20141001-567-OYT1T50000.html へのリンク
2014年10月1日(水)07:10
読売新聞
政府は、太陽光や風力などの再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を年明けにも見直す方針を固めた。
大規模太陽光発電所(メガソーラー)で作った電気の買い取り価格が決まる時期を、現在の「国の事業認定時」から、「事業開始時」に改める方向だ。政府は買い取り価格を年々、安くしており、価格決定時期を先に延ばす。
2014年度は、10キロ・ワット以上の太陽光発電なら1キロ・ワット時あたり約35円で、電力会社が20年間ずっと買い取る仕組みだ。買い取り価格が下がる前の年度末に認定の申し込みが増えて、利用者の負担増大につながっているため、価格を決める時期を見直す必要があると判断した。
電力会社は買い取り費用を家庭や企業の電気代に上乗せして回収している。経済産業省が30日に発表した試算によると、現状の仕組みが続けば、電気代に上乗せされる利用者の負担額は年間2・7兆円、国民1人あたりで約2万円になる。制度を見直せば将来の負担額の上昇を抑えられる。