今回は昨年12月に逝去された米長邦雄永世棋聖の右玉(米長流右玉)を紹介。
米長永世棋聖といえば玉頭位取り・鷺宮定跡・米長流急戦矢倉を得意とされていた居飛車の本格派(新鬼殺しや角頭歩戦法も忘れてはいけません)ですが、私の調べでは1980年代後半から右玉を指し始めています。
米長永世棋聖の右玉の将棋は序盤巧者(本人は下手と言っていますが)らしい駒組みの序盤、泥沼流が発揮される中・終盤と見所が多く、とても勉強になります。右玉の採用は意外と多く、相性が良い戦法だったのかも知れません。
今回紹介する将棋は、森内俊之八段戦(1995年11月・JT将棋日本シリーズ準決勝第2局)。
▲7六歩△8四歩▲6八銀△3四歩▲6六歩△6二銀▲5六歩△6四歩▲7八金△6三銀▲4八銀△4二銀▲2六歩△4四歩▲6九玉△7四歩▲5八金△7三桂▲6七金右△4三銀▲7七銀△3二金▲2五歩△5二金▲7九角△6二玉(第1図)

長手数進めましたが、ここまでのポイントは2つ。
1.2手目△8四歩
早々と居飛車宣言をすることで矢倉模様に持ち込み、▲2五歩を遅らせるとともに引き角に誘導できます。
2.3三角と上がらない
簡単に飛車先を切らせるうえ負担になる角を手持ちにできないというデメリットがありますが、それを補って余りある構想がこの後明らかになります。
▲3六歩△4五歩▲2四歩△同歩▲同角△8一飛▲1五角(第2図)

△4五歩が米長流右玉ならではの一手。引き角にさせたことにより4筋の歩が突かれることはないため指せるわけです。
先手の▲1五角ですがこれは妥当な手で、▲3七角と引き玉頭攻めを見ています(次回に続く)。
米長永世棋聖といえば玉頭位取り・鷺宮定跡・米長流急戦矢倉を得意とされていた居飛車の本格派(新鬼殺しや角頭歩戦法も忘れてはいけません)ですが、私の調べでは1980年代後半から右玉を指し始めています。
米長永世棋聖の右玉の将棋は序盤巧者(本人は下手と言っていますが)らしい駒組みの序盤、泥沼流が発揮される中・終盤と見所が多く、とても勉強になります。右玉の採用は意外と多く、相性が良い戦法だったのかも知れません。
今回紹介する将棋は、森内俊之八段戦(1995年11月・JT将棋日本シリーズ準決勝第2局)。
▲7六歩△8四歩▲6八銀△3四歩▲6六歩△6二銀▲5六歩△6四歩▲7八金△6三銀▲4八銀△4二銀▲2六歩△4四歩▲6九玉△7四歩▲5八金△7三桂▲6七金右△4三銀▲7七銀△3二金▲2五歩△5二金▲7九角△6二玉(第1図)

長手数進めましたが、ここまでのポイントは2つ。
1.2手目△8四歩
早々と居飛車宣言をすることで矢倉模様に持ち込み、▲2五歩を遅らせるとともに引き角に誘導できます。
2.3三角と上がらない
簡単に飛車先を切らせるうえ負担になる角を手持ちにできないというデメリットがありますが、それを補って余りある構想がこの後明らかになります。
▲3六歩△4五歩▲2四歩△同歩▲同角△8一飛▲1五角(第2図)

△4五歩が米長流右玉ならではの一手。引き角にさせたことにより4筋の歩が突かれることはないため指せるわけです。
先手の▲1五角ですがこれは妥当な手で、▲3七角と引き玉頭攻めを見ています(次回に続く)。