玉飛接近

右玉&左玉、ときどき詰将棋

年内最後の更新

2013年12月30日 | 日記
もう1本記事を投稿する予定でしたが用意できなかったので、これが年内最後の更新となります。

今年は右玉と左玉の基本編の記事のアップが終わり、ようやく実戦編に入ることができて良かったです(もう少し記事をアップできればなお良かったのでしょうけど)。
その反面、詰将棋の記事のアップが途中で止まってしまった事は反省しないといけません(書く気力がなくなってしまいました)。仕切りなおして再スタートさせたいと思っています。

本年も参考になる情報がたいしてあるとは思えない当ブログをお読みいただき、ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。
それでは皆様、よいお年をお迎えください。

対後手三間飛車・雁木型左玉(1)

2013年12月23日 | 左玉
アクセス解析おためし期間最終日の検索キーワード1位は「高田流(当ブログでは雁木型)」でした。
この形は左玉の基本形なので実戦編の第1回に取り上げたかったのですが棋譜が見つからず後回しにしていました。小林本の影響かは分かりませんが24等で使う人が増えたと聞いて観戦してみたものの左玉の将棋に遭遇せず、自分の将棋でも左玉を使う機会がなくて書けない状態が続いていましたがようやく左玉を使えたので、改めて駒組みについての記事をアップします。
対四間飛車の駒組みになりますが、「雁木型左玉(高田流左玉)の組み方」と併せてお読み下さい。

▲7六歩△3四歩▲6六歩△4四歩▲6八銀△4二銀▲4八銀△4三銀▲6七銀△3二飛▲5六歩△5四歩▲5七銀△6二玉▲6五歩(第1図)

ここまでは問題ないでしょう。▲6五歩が雁木型(高田流)への第一歩となる重要な一手。

△7二玉▲6六角△3五歩▲7七桂△5二金左▲8八飛(途中図)△6二金上▲7五歩△8二銀▲8六歩△3六歩▲同歩△同飛▲3七歩△3二飛▲8五歩△9四歩▲9六歩△1四歩(第2図)

▲6六角~▲7七桂~▲8八飛と指して(途中図)、雁木型の陣形が8割方完成。
本来は▲7五歩よりも▲8六歩の方を先に突くのですが、今回は先に突いてみました。以前も書きましたが、▲7五歩の判断は難しいです。

▲8四歩△同歩▲同飛△1五歩▲3八金△3三角▲5八金△2四歩▲6八玉△2五歩▲7六銀△2二飛▲8九飛△8三歩(第3図)

飛先の歩を切り、▲3八金~▲5八金~▲6八玉と指して雁木型の陣形が完成しました。

この形を指したい方の参考になるか自信がありませんが、私の将棋の序盤はこのような感じで進みます。

<参考棋譜>
▲7六歩 △3四歩 ▲6六歩 △4四歩 ▲6八銀 △4二銀
▲4八銀 △4三銀 ▲6七銀 △3二飛 ▲5六歩 △5四歩
▲5七銀 △6二玉 ▲6五歩 △7二玉 ▲6六角 △3五歩
▲7七桂 △5二金左 ▲8八飛 △6二金上 ▲7五歩 △8二銀
▲8六歩 △3六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲3七歩 △3二飛
▲8五歩 △9四歩 ▲9六歩 △1四歩 ▲8四歩 △同 歩
▲同 飛 △1五歩 ▲3八金 △3三角 ▲5八金 △2四歩
▲6八玉 △2五歩 ▲7六銀 △2二飛 ▲8九飛 △8三歩
▲8五銀 △2六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲2八歩 △2五飛
▲6七金 △6四歩 ▲7六銀 △6五歩 ▲同 銀 △6四歩
▲7六銀 △6三金左 ▲4八銀 △1二香 ▲7八玉 △2四飛
▲5七角 △2二飛 ▲3六歩 △4五歩 ▲3七銀 △4四銀
▲3五歩 △5二飛 ▲3四歩 △5一角 ▲5九飛 △5五歩
▲同 歩 △同 銀 ▲3五角 △5六歩 ▲3六銀 △5四金
▲3七桂 △4四銀 ▲6八角 △3五歩 ▲同 銀 △同 銀
▲同 角 △5七歩成 ▲同 角 △5八歩 ▲8九飛 △5五金
▲3五角 △6六銀 ▲6八金 △5四飛 ▲4三銀
まで101手で先手の勝ち

対先手石田流・ツノ銀左玉(6)

2013年12月18日 | 左玉
24有段者の将棋から。

序盤で先手は角交換後に中飛車に振り直し、5・7・9筋の位を取るという欲張りな指し方をしています。
第1図は▲8六歩と突いた局面で、ここから後手が仕掛けます。

△7四歩▲同歩△同銀▲7六飛△7五歩▲6六飛△6三銀▲8五歩△8七角▲8八銀△7六角成▲5六飛△7三桂(第2図)

△7四歩と仕掛け先手を揺さぶり、△8七角の打ち込みから後手は馬を作りました。
第2図の形勢は互角で、非常に難しい状況です。

▲9八角△同馬▲同香△7八角▲6八金△8九角成▲8七銀△8八馬▲7八金△8九馬▲9七香△3二玉(第3図)

▲9八角と打たれ馬を消された後手は△7八角から再度馬を作ったものの、押さえ込まれてしまい劣勢に。その原因は▲8七銀に対しての△8八馬。ここは△7九馬(変化図)の一手。以下、▲7八金△3五馬で玉頭を厚くすることができたはずです。
馬を押さえ込まれた後手は△3二玉(第3図)と先手に手を渡しました。

▲3六歩△2六歩▲同歩△同飛▲2七歩△2一飛▲3七桂△5四歩▲同歩△5五歩▲同飛△5四銀右▲5九飛△7八馬▲同銀△7六歩▲7四歩△7七歩成▲7三歩成△4四桂(第4図)

本譜のように飛車の利きを消すと△2六歩があるので、手を渡された先手の方も指し手が難しい所。▲3六歩・▲3七桂としたくなるのは分からないでもないですが、左玉に対しては2筋(先手の場合は8筋)の歩を切らせないように戦うのが鉄則なので、先手の構想は疑問だったと思います。
△2六歩から一歩持った後手は△5四歩から手を作り、勝負形に持ち込めたことが逆転の要因になりました。

<参考棋譜>
▲7六歩 △3四歩 ▲7五歩 △4四歩 ▲7八飛 △6二銀
▲1六歩 △1四歩 ▲4八玉 △6四歩 ▲3八玉 △6三銀
▲2八玉 △3二銀 ▲3八銀 △4三銀 ▲5六歩 △4五歩
▲2二角成 △同 飛 ▲5八飛 △3三桂 ▲5五歩 △7二金
▲5六飛 △5二金 ▲5八金左 △2一飛 ▲9六歩 △2四歩
▲7七桂 △2五歩 ▲9五歩 △4二玉 ▲8六歩 △7四歩
▲同 歩 △同 銀 ▲7六飛 △7五歩 ▲6六飛 △6三銀
▲8五歩 △8七角 ▲8八銀 △7六角成 ▲5六飛 △7三桂
▲9八角 △同 馬 ▲同 香 △7八角 ▲6八金 △8九角成
▲8七銀 △8八馬 ▲7八金 △8九馬 ▲9七香 △3二玉
▲3六歩 △2六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲2七歩 △2一飛
▲3七桂 △5四歩 ▲同 歩 △5五歩 ▲同 飛 △5四銀右
▲5九飛 △7八馬 ▲同 銀 △7六歩 ▲7四歩 △7七歩成
▲7三歩成 △4四桂 ▲4八桂 △6八と ▲5四飛 △同 銀
▲7二と △5八金 ▲8七角 △6五歩 ▲5三歩 △4三金
▲7四角 △4八金 ▲4一銀 △2三玉 ▲2六金 △2五歩
▲同 桂 △同 桂 ▲4八金 △2四桂 ▲3七銀 △同桂成
▲同 金 △5八飛 ▲3八金打 △4九銀 ▲4八桂 △5六桂打
▲1七玉 △4八桂成 ▲2八金 △1五歩 ▲同 歩 △4七成桂
▲同 金 △1六歩 ▲同 金 △同 桂 ▲2九金 △2八桂成
▲同 金 △2五桂 ▲2六玉 △2八飛成 ▲5二角成 △1九龍
▲6五角 △1五龍
まで128手で後手の勝ち

対先手石田流・ツノ銀左玉(5)

2013年12月15日 | 左玉
24有段者の将棋から。

第1図は▲5六銀と上がったところで、次の狙いは▲6五歩。後手から仕掛けます。

△7四歩▲6五歩△7五歩▲6四歩△同銀▲7四歩△7六歩▲同飛△8七角▲6六飛△7五銀▲6八飛△7六角成(第2図)

△7四歩~△7六角成までお互い一歩も引かない戦いです。
第2図はの局面は後手が馬を作り、形勢が少し良いように見えますが油断はできません。ここからの指し手で優劣が決まります。

▲6七金△8七馬▲6五桂△6六歩▲同金△7七馬▲6七金△9九馬▲7三歩成△同桂▲同桂成△同金▲7八飛△7七歩▲同飛△同馬▲同金(第3図)

先手は▲6七金としてから▲6五桂と跳ねましたが、単に▲6五桂とするのもあったでしょう。守備の金が離れるのと飛車の利きを遮断するのが気持ち悪いです。
▲7八飛に△7七歩と打ちましたが、△7六歩もあったでしょう(▲同金に△8九馬)。
7七地点で馬と飛車を交換し守備駒の金を逸らした第3図は後手が少し指せる形勢。ここから後手が例の手筋を繰り出します。

△2六歩▲同歩△2七歩▲同銀△7九飛▲5九角△4八香▲9七角△4九香成▲7九角△5九成香▲9七角△3五桂▲7五角△4九成香▲5五桂△3九角(投了図)

△2六歩~△2七歩の叩きからの△7九飛の打ち込みが決まり、後手の優勢が確かなものになりました。
先手は▲5九角と受けますが、△4八香以下着実に攻めて後手の勝ちとなりました。

本譜の様に石田流が7筋の歩を切っていない場合、左玉側から△7四歩と仕掛け攻勢に出てペースを握るのも一つの指し方です。

<参考棋譜>
▲7六歩 △3四歩 ▲9六歩 △4四歩 ▲7五歩 △6二銀
▲7八飛 △6四歩 ▲4八玉 △6三銀 ▲3八玉 △3二銀
▲2八玉 △4三銀 ▲3八銀 △1四歩 ▲1六歩 △4五歩
▲6八銀 △8八角成 ▲同 飛 △3三桂 ▲6六歩 △2二飛
▲8六歩 △7二金 ▲8五歩 △5二金 ▲8四歩 △同 歩
▲同 飛 △8三歩 ▲8六飛 △4二玉 ▲7七桂 △2四歩
▲5八金左 △2五歩 ▲6七銀 △2六歩 ▲同 歩 △同 飛
▲2七歩 △2一飛 ▲5六銀 △7四歩 ▲6五歩 △7五歩
▲6四歩 △同 銀 ▲7四歩 △7六歩 ▲同 飛 △8七角
▲6六飛 △7五銀 ▲6八飛 △7六角成 ▲6七金 △8七馬
▲6五桂 △6六歩 ▲同 金 △7七馬 ▲6七金 △9九馬
▲7三歩成 △同 桂 ▲同桂成 △同 金 ▲7八飛 △7七歩
▲同 飛 △同 馬 ▲同 金 △2六歩 ▲同 歩 △2七歩
▲同 銀 △7九飛 ▲5九角 △4八香 ▲9七角 △4九香成
▲7九角 △5九成香 ▲9七角 △3五桂 ▲7五角 △4九成香
▲5五桂 △3九角
まで92手で後手の勝ち

対先手石田流・ツノ銀左玉(4)

2013年12月13日 | 左玉
24有段者の将棋から。

第1図は▲6六角に△5四銀右した局面。ここから戦いがはじまります。

▲7四歩△同歩▲同飛△7三金▲7六飛△7四歩▲8五桂△8四金▲同角△同歩▲7四飛△8五歩▲7二飛成△4四角(第2図)

▲7四歩~△8四金までは一本道。▲8四同角は思い切った一手ですが仕方のないところ。
▲7二飛成に本譜は△4四角ですが、△6六角の方が勝ったかも知れません。

▲1五歩△同歩▲1二歩△同香▲1三歩△同香▲1二金△2三飛▲8一龍△1六歩▲1八歩△2六歩▲同歩△2七歩▲同銀△3五桂(第3図)

先手は▲1五歩~▲1二金と端攻めを行い▲8一龍と一段目に龍を利かせることに成功しました。
対して後手は△1六歩~△3五桂と玉頭攻め。△2六歩~△2七歩~△3五桂は左玉(には限りませんが)で頻出の手筋なので、是非覚えてください。

▲1三金△2七桂成▲同玉△2六飛▲3八玉△2七角▲4八玉△4九角成▲同玉△2九飛成▲3九香(第4図)

▲1三金が後手の攻めを加速させた悪手。ここは▲3九桂(変化図)と受けるべきだったと思います。この手ならまだこれからの勝負だったでしょう。
第4図の局面は後手優勢。ここで後手は△3八銀と指しましたが、私だったら△5一桂と龍の利きを遮ってから△6六桂や△6九銀と指すでしょう(すぐに△6六桂や△6九銀と指したいですが、▲3一角があります)。

<参考棋譜>
▲7六歩 △3四歩 ▲7五歩 △4四歩 ▲7八飛 △6二銀
▲4八玉 △6四歩 ▲3八玉 △6三銀 ▲2八玉 △3二銀
▲3八銀 △4三銀 ▲1六歩 △1四歩 ▲6八銀 △4五歩
▲2二角成 △同 飛 ▲7六飛 △3三桂 ▲7八金 △7二金
▲6六歩 △5二金 ▲6七銀 △2四歩 ▲5六銀 △2五歩
▲6五歩 △同 歩 ▲同 銀 △6四歩 ▲5六銀 △2六歩
▲同 歩 △同 飛 ▲2七歩 △2一飛 ▲7七桂 △4二玉
▲9六歩 △9四歩 ▲6六角 △5四銀右 ▲7四歩 △同 歩
▲同 飛 △7三金 ▲7六飛 △7四歩 ▲8五桂 △8四金
▲同 角 △同 歩 ▲7四飛 △8五歩 ▲7二飛成 △4四角
▲1五歩 △同 歩 ▲1二歩 △同 香 ▲1三歩 △同 香
▲1二金 △2三飛 ▲8一龍 △1六歩 ▲1八歩 △2六歩
▲同 歩 △2七歩 ▲同 銀 △3五桂 ▲1三金 △2七桂成
▲同 玉 △2六飛 ▲3八玉 △2七角 ▲4八玉 △4九角成
▲同 玉 △2九飛成 ▲3九香 △3八銀 ▲5八玉 △5一桂
▲3六桂 △9九角成 ▲7七歩 △3九龍 ▲2三金 △6六香
▲3三金 △同 玉 ▲2五桂 △2三玉 ▲1五桂 △1四玉
▲1三桂成 △1五玉 ▲3三角 △2六玉 ▲6六角成 △2七玉
▲9一龍 △2八玉 ▲7四香 △1九玉 ▲6七玉 △6五香
まで114手で後手の勝ち