玉飛接近

右玉&左玉、ときどき詰将棋

対先手石田流・玉頭位取り型左玉(1-2)

2013年10月19日 | 左玉
前回の続き。戦いがはじまります。


▲8四歩△同歩▲8六飛△8三金▲3六歩△同歩▲6五歩△3五銀▲6四歩△同銀▲6六飛(第4図)

第3図の局面の時点で後手の作戦勝ちなので、先手はいかにして盛り返すかが焦点となりますが、はっきり言ってどうしようもない局面。
▲8四歩~▲8六飛には△8三金と受けられ、▲3六歩△同歩に▲同金としても△3五歩でジリ貧。
▲6五歩と行きますが、△3五銀と3筋を完全に押さえられ後手は着実に優勢を築いていきます。

△4五歩▲同歩△4六歩▲4八金引△2六歩▲同歩△2五歩▲同歩△2六歩▲8二歩△9三桂▲3九玉△2五桂(第5図)

後手は△4五歩~△4六歩で4筋を、△2六歩~△2五歩~△2六歩で2筋も完全に押さえました。
先手はヤケクソ気味に▲8二歩と桂取りに行きますが△9三桂とかわされ勝負あり。
後手の圧勝となりました。

<参考棋譜>
▲7六歩 △3四歩 ▲6六歩 △6二銀 ▲7八銀 △5四歩
▲1六歩 △1四歩 ▲6八飛 △4四歩 ▲5八金左 △4二銀
▲6七銀 △4三銀 ▲7八飛 △6四歩 ▲9六歩 △6三銀
▲4六歩 △3五歩 ▲9七角 △5二金左 ▲4八玉 △4一玉
▲3八銀 △3二玉 ▲3九玉 △2四歩 ▲8八角 △2五歩
▲7五歩 △3四銀 ▲7六飛 △6二飛 ▲5六銀 △7二金
▲7七桂 △4三金 ▲9七角 △6一飛 ▲6五歩 △同 歩
▲同 銀 △6四歩 ▲5六銀 △3一角 ▲2八玉 △4二角
▲8六歩 △9四歩 ▲8五歩 △3三桂 ▲4七金 △2一飛
▲8四歩 △同 歩 ▲8六飛 △8三金 ▲3六歩 △同 歩
▲6五歩 △3五銀 ▲6四歩 △同 銀 ▲6六飛 △4五歩
▲同 歩 △4六歩 ▲4八金引 △2六歩 ▲同 歩 △2五歩
▲同 歩 △2六歩 ▲8二歩 △9三桂 ▲3九玉 △2五桂
▲2八歩 △8五桂 ▲同 桂 △同 歩 ▲4四桂 △3三玉
▲7四歩 △2七桂 ▲同 歩 △同歩成 ▲同 銀 △3七桂成
▲同 金 △同歩成 ▲同 桂 △2七飛成 ▲3八歩 △3六歩
▲2五桂打 △3四玉 ▲2八歩 △3七歩成
まで100手で後手の勝ち

対先手石田流・玉頭位取り型左玉(1-1)

2013年10月17日 | 左玉
今回は対石田流の玉頭位取り型左玉の駒組みについて改めて書きます。併せて以前書いた「玉頭位取り風左玉の組み方」もご覧ください(24有段者の将棋から取材)。
玉頭位取り型の組み方は先日刊行された小林健二九段の著書でも紹介されていますが、今回も本に書かれている手順と異なる組み方です。
*基本編では玉頭位取り風左玉としていましたが、実戦編では玉頭位取り型左玉と名称を変更します。

▲7六歩△3四歩▲6六歩△6二銀▲7八銀△5四歩▲1六歩△1四歩▲6八飛△4四歩▲5八金左△4二銀▲6七銀△4三銀▲7八飛△6四歩▲9六歩△6三銀(第1図)

四間に振った先手に対し後手は雁木の形を目指しますが、三間に振り直したのを見てツノ銀に組んで第1図。
ここまで難しい変化はありません。

▲4六歩△3五歩(途中図)▲9七角△5二金左▲4八玉△4一玉▲3八銀△3二玉▲3九玉△2四歩▲8八角△2五歩▲7五歩△3四銀▲7六飛△6二飛(第2図)

▲4六歩を見て△3五歩(途中図)と玉頭の位を取るのが玉頭位取り型左玉への第一歩。
△5二金左と5三地点をカバーしてから△4一玉~△3二玉と玉を移動させます。△4一玉とのところ△4二玉だと▲6五歩があるので要注意。
2筋の位も取り△3四銀と上がって2~4筋を補強し、△6二飛と振って第2図。左玉の完成まであと少し。

▲5六銀△7二金▲7七桂△4三金▲9七角△6一飛▲6五歩△同歩▲同銀△6四歩▲5六銀△3一角▲2八玉△4二角▲8六歩△9四歩▲8五歩△3三桂▲4七金△2一飛(第3図)

石田流の理想形を目指す先手に対し、後手は△7二金~△4三金~△6一飛と下段飛車を実現。
6筋で1歩得た先手は美濃に入城し、8筋の位を取ってから▲4七金と高美濃を完成させました。
一方後手は角と桂を動かし、△2一飛と再度飛車を振って左玉が完成(第3図)。
双方の駒組みが完成し、戦いがはじまります(次回に続く)。

対先手石田流・ツノ銀左玉(1-2)

2013年10月15日 | 左玉
前回の続き。ここから戦いがはじまります。


▲5六角(途中図)△7四歩▲同歩△2六歩▲同歩△同飛▲2七歩△2一飛▲7三歩成△同桂▲7四歩△6五桂▲同桂△同歩(第4図)

▲5六角の筋違い角が低い形を活かした手。8三地点突破を阻止する△7四歩は仕方のない一手。
▲7三歩成△同桂に本譜は▲7四歩と桂頭に打ちましたが、▲8三角成だと△8五歩があります。
桂を手に入れた先手の次の手は当然あの手ですが、後手はどう切り返すのか。

▲5五桂△6四角▲4三桂成△同金▲9六飛△3六桂▲3九玉△2八歩▲6五角△2九歩成▲同玉△3七角成▲同銀△2七飛成(第5図)

▲5五桂の両取りに後手は△6四角で切り返します。▲4三桂成△同金に▲9六飛と逃げましたが、逃げるのなら7六の方が勝ったと思いますが、この後の展開から見ると大差ないでしょうか。
後手が狙っていた△3六桂には▲3九玉。これに対し本譜では△2八歩ですが、△3五桂もあったと思います。
△2九歩成~△3七角成~△2七飛成となった第5図は後手の優勢で、この後十数手で後手が勝ちました。

<参考棋譜>
▲7六歩 △3四歩 ▲7五歩 △4四歩 ▲7八飛 △6二銀
▲4八玉 △6四歩 ▲3八銀 △6三銀 ▲3九玉 △3二銀
▲2八玉 △4三銀 ▲9六歩 △4五歩 ▲5八金左 △1四歩
▲1六歩 △2四歩 ▲9五歩 △2五歩 ▲8六歩 △3三角
▲8五歩 △2二飛 ▲7六飛 △7二金 ▲8六飛 △5二金
▲8四歩 △同 歩 ▲同 飛 △8三歩 ▲8六飛 △4二玉
▲3三角不成△同 桂 ▲7七桂 △2一飛 ▲5六角 △7四歩
▲同 歩 △2六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲2七歩 △2一飛
▲7三歩成 △同 桂 ▲7四歩 △6五桂 ▲同 桂 △同 歩
▲5五桂 △6四角 ▲4三桂成 △同 金 ▲9六飛 △3六桂
▲3九玉 △2八歩 ▲6五角 △2九歩成 ▲同 玉 △3七角成
▲同 銀 △2七飛成 ▲2八歩 △3七龍 ▲3八金 △2七歩
▲3九銀 △2八歩成 ▲同 銀 △同桂成 ▲同 金 △2七銀
▲4三角成 △同 玉 ▲3八金打 △同 龍 ▲同 金 △3七桂
まで84手で後手の勝ち

対先手石田流・ツノ銀左玉(1-1)

2013年10月14日 | 左玉
今回は対石田流のツノ銀左玉の駒組みについて改めて書きます(24有段者の将棋から取材)。

▲7六歩△3四歩▲7五歩△4四歩▲7八飛△6二銀▲4八玉△6四歩▲3八銀△6三銀▲3九玉△3二銀▲2八玉△4三銀(第1図)

ここまでの手順で難しいところはないでしょう。
▲4八玉のところで▲7四歩と仕掛ける手もありますが、△同歩▲同飛△7三歩▲7六飛△6四歩から組むことも可能なのはワンダー流と同じです。

▲9六歩△4五歩(途中図)▲5八金左△1四歩▲1六歩△2四歩▲9五歩△2五歩▲8六歩△3三角▲8五歩△2二飛(第2図)

△4五歩と角交換を迫る手に本譜では先手は▲5八金左から駒組みを続けましたが、▲2二角成とする手も当然あります。後手は△同飛~△3三桂~△2一飛と左玉を目指します。
角交換をしない先手に対し、後手も△2四歩から向かい飛車に組みます。

▲7六飛△7二金▲8六飛△5二金▲8四歩△同歩▲同飛△8三歩▲8六飛△4二玉▲3三角不成△同桂▲7七桂△2一飛(第3図)

先手は▲8六飛と向かい飛車に振り直し、▲8四歩からもう1枚歩を手に入れてから角交換。角交換を待っていた後手は△2一飛と待望の下段飛車が指せ、左玉の陣形が完成しました。
先手の左銀が立ち遅れていますが、ここから戦いがはじまります(続きは次回)。

対先手石田流・ワンダー流左玉(1-2)

2013年10月06日 | 左玉
前回の続き。いよいよ戦いがはじまります。


▲6五歩△同歩▲4四角△同銀▲6五銀△4三銀▲8四歩△同歩▲5六銀△5二金(第4図)

銀冠が完成した先手は▲6五歩と開戦。▲6五銀に△4三銀と銀を玉に寄せて、銀多伝の形にします。

▲7七桂△6三歩▲6四歩△同歩▲同飛△8八角▲8二歩△7七角成▲8一歩成△同飛▲2四桂△4二玉▲7四歩△6三歩▲7三歩成△同金(第5図)

▲7七桂と力と溜めて先手は▲6四歩と攻めますが、後手が丁寧に対処した第5図の局面は後手が指せる展開でしょう。
69手目▲2四桂が疑問だったと思います。

対銀冠の場合、ワンダー流は石田流の攻めを受けつつ細かくポイントを稼いで優勢に持っていくのが基本スタイルとなります。

<参考棋譜>
▲7六歩 △3四歩 ▲7五歩 △4四歩 ▲7八飛 △6二銀
▲4八玉 △6四歩 ▲3八銀 △6三銀 ▲3九玉 △3二銀
▲5八金左 △4三銀 ▲9六歩 △4五歩 ▲6六歩 △4四角
▲6八銀 △4二玉 ▲6七銀 △3二玉 ▲5六銀 △3三桂
▲6八飛 △6二飛 ▲7七角 △5四銀右 ▲9五歩 △4二金
▲1六歩 △1四歩 ▲8六歩 △3五歩 ▲8五歩 △7二金
▲2八玉 △6一飛 ▲2六歩 △2四歩 ▲2七銀 △2一飛
▲3八金 △2五歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲2六歩 △2一飛
▲6五歩 △同 歩 ▲4四角 △同 銀 ▲6五銀 △4三銀
▲8四歩 △同 歩 ▲5六銀 △5二金 ▲7七桂 △6三歩
▲6四歩 △同 歩 ▲同 飛 △8八角 ▲8二歩 △7七角成
▲8一歩成 △同 飛 ▲2四桂 △4二玉 ▲7四歩 △6三歩
▲7三歩成 △同 金 ▲6五飛 △6四金 ▲7二角 △2一飛
まで78手で後手の勝ち