玉飛接近

右玉&左玉、ときどき詰将棋

左玉の終盤(3)

2012年03月24日 | 左玉
前回、前々回の続き。

前回は▲7五桂(第1図)の変化でしたが、今回は▲8一飛(変化3図)の変化を見てみます。
 

▲8一飛に△7二玉だと▲8三飛上成以下詰むので、△同玉▲8三飛成(変化4図)。

合駒するほかありません。以下、順に見て行きます。

まずは銀合
△8二銀▲6三龍△7五飛▲6九玉△7二角▲8三歩(変化5図)

▲6三龍の詰めろに△7五飛と一旦王手する順を拵えてみましたが、この交換を入れずに単に△7二角が本筋かもしれません。最後の▲8三歩が痛打。
△7五飛に替えて△6二飛もあります。この変化も見てみます。
△6二飛▲7三桂△9二玉▲8四金(変化5-1図)

これで振り飛車側に受けはありません。

次は角合
△8二角▲6三龍△7五飛▲6九玉△7二銀▲8三歩(変化6図)

銀合同様、△7五飛▲6九玉の交換を入れずに△7二銀が本筋でしょうか。この順でも▲8三歩が痛打になっています。
△7五飛に替えて△6二飛は▲7三桂で左玉の勝ちです。

今度は飛合
△8二飛(変化7図)

▲同龍△同玉以下、長手数(『詰パラ』の短大級の手数)で詰みます。(実戦で気付く自信はありません!)
やさしい手順ですので、研究してみては如何。

最後に歩合
△8二歩▲6三龍△7五飛▲6九玉△7四飛▲6一龍(変化8図)

これも酷いですね。
なお、△7五飛以外の手だと短手数の詰みがあります。気になる方は研究を。
▲6三龍ではなく、▲7三桂だとどうなるか。こちらも見てみましょう。
▲7三桂△同金▲同歩成△7五飛▲6九玉△7三飛▲同龍△7二銀(変化8-1図)

これでも十分ですが、ちょっとイマイチ?

2回にわたって▲7五桂と▲8一飛の変化を見てきましたが、▲8一飛が本筋だったようです。
桂を手持ちにしているのと、7四歩の存在が非常に大きい。
▲7五桂でも十分戦えますが、より確実に決めるチャンスを逃したことに忸怩たるものがあります。
優勢とはいえ薄い玉形なので、決める時に決めないといけません。反省。

左玉の終盤(2)

2012年03月23日 | 左玉
前回の続き。

この局面で考えられる手は次の2つ。
 1.▲7五桂(第1図)
 2.▲8一飛(変化3図)
 

まずは▲7五桂(第1図)から見ていきます。
考えられる後手の応手は次の2つ。
 1.△8四歩
 2.△7四銀引
(△7二金や△7二銀打は詰み。乞う研究)

まず最初に△8四歩ですが、これは▲6三桂成(第2図)で終わり。

(実戦はこの順になり、以下数手で勝ちました。)

そこで最善手は△7四銀引ということになりますが、▲6三桂成△同銀▲8一金△同玉▲8三飛成(変化1図)と進むのは必定。

これは左玉の大優勢! と思いきや、△8二金▲6三龍△7二銀(変化2図)と進むと――。

振り飛車の玉が堅くなり勝負が長引きそうな感じですが、7・8筋に歩が打てるのでそうでもない?
他に有力な手段はなく(桂がもう1枚あれば別ですが)、本筋に見える▲7五桂は意外にも決め手に欠ける印象です。

次回は▲8一飛の変化を見てみます。