今回は後手番角換わり右玉・33銀44歩型の将棋です(24有段者の将棋から取材)。
第1図は▲3七桂に△4四歩とした局面。
私はこの形で△4四歩とは突かないのですが、以前からどういう展開になるのか気になっていたので取り上げることにしました。
▲4八金△4二銀▲2四歩△同歩▲同飛△4三銀▲2九飛△2三歩▲4五歩△同歩▲同銀△4一飛▲5六銀△5五歩(第2図)
▲4八金は後に▲2九飛と引くためには必要な一手。割り打ちのリスクがありますが、この手は外せません。
△4二銀は△4三銀への組み替えを目指した手ですが、隙を見せて先手に▲2四歩とさせるための手でもあります。
▲4五歩△同歩▲同銀に△4一飛と回ったのはちょっと珍しい手。4八金を間接的に睨んでいます。
▲6七銀△5四銀左▲4七歩△3三桂▲3五歩△4四飛▲7五歩△同歩▲8六銀△3五歩▲7五銀△7四歩▲8四銀△3六歩
▲2五桂△4五桂▲3三桂成△同金▲2二角△4三飛▲3三角成△同飛▲4四金△3七歩成▲3三金△4八と(第3図)
本譜は△5五歩(第2図)に▲6七銀と引きましたが、▲同銀も有力でしょう。
▲同銀以下、△5四銀左▲同銀△4八飛成▲6三銀成△同玉▲6一銀△6二金(変化図)の進行が予想されます。形勢判断は難しいところでしょうか。
56手目△3三桂。こうしたい気持ちも分かりますが、私だったら△6二金と陣形整理します。
本譜のように▲3五歩~▲7五歩と両方の桂頭を狙われ、気分がよくありません。
△3六歩▲2五桂に△4五桂と跳ね違い(手筋ですね)、お互い突っ張って第3図。終盤に突入です。
▲2三飛成△5七桂成▲2一龍△6七成桂▲同金(途中図)△8六歩▲7一飛△6二玉▲7三銀成△5三玉▲6三成銀△同玉▲6一龍△6二金打(第4図)
第4図の局面で後手が凌いだかに見えますが、実は詰んでいます。
本譜では▲4一龍と指し詰みを逃しましたが、簡単な手順(少し長いです)で詰みます。皆さん詰ましてみてください。
因みに、▲同金の局面からコンピュータ同士で指させた所(先後ともに「技巧」/1手30秒)、△3一歩(取ると△7九銀)以下後手が勝ちました。
詳しくは変化手順をご覧ください。
<参考棋譜>
▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △3二金 ▲7八金 △8八角成 ▲同 銀 △4二銀
▲3八銀 △6二銀 ▲1六歩 △6四歩 ▲6八玉 △1四歩 ▲7七銀 △6三銀
▲4六歩 △7四歩 ▲4七銀 △7三桂 ▲5八金 △5二金 ▲7九玉 △6二玉
▲5六銀 △8一飛 ▲6六歩 △9四歩 ▲9六歩 △8四歩 ▲2五歩 △3三銀
▲8八玉 △5四歩 ▲3六歩 △7二玉 ▲3七桂 △4四歩 ▲4八金 △4二銀
▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △4三銀 ▲2九飛 △2三歩 ▲4五歩 △同 歩
▲同 銀 △4一飛 ▲5六銀 △5五歩 ▲6七銀 △5四銀左 ▲4七歩 △3三桂
▲3五歩 △4四飛 ▲7五歩 △同 歩 ▲8六銀 △3五歩 ▲7五銀 △7四歩
▲8四銀 △3六歩 ▲2五桂 △4五桂 ▲3三桂成 △同 金 ▲2二角 △4三飛
▲3三角成 △同 飛 ▲4四金 △3七歩成 ▲3三金 △4八と ▲2三飛成 △5七桂成
▲2一龍 △6七成桂 ▲同 金 △8六歩 ▲7一飛 △6二玉 ▲7三銀成 △5三玉
▲6三成銀 △同 玉 ▲6一龍 △6二金打 ▲4一龍 △8七歩成 ▲同 玉 △8六歩
▲同 玉 △7五銀 ▲7七玉 △8六銀打 ▲7八玉 △8七角 ▲7九玉 △2四角
▲3五桂 △3三角 ▲7八歩 △7六桂 ▲7二銀 △5三玉 ▲8八歩 △5八と
まで112手で後手の勝ち
変化:84手
△3一歩▲8三桂 △8二銀 ▲5三歩 △8六歩
▲5二歩成 △8七歩成 ▲同 玉 △6九角 ▲7八歩 △8六歩 ▲同 玉 △8五金
▲9七玉 △8四金 ▲7七金打 △8五桂 ▲9八玉 △8六桂 ▲同 金 △7八角成
▲8七飛 △8三玉 ▲7九歩 △8七馬 ▲同 金 △7五桂 ▲6一角 △7二銀打
▲同角成 △同 銀 ▲8八歩 △8七桂成 ▲同 歩 △9五歩 ▲8六銀 △9六歩
▲9四歩 △同 香 ▲9五歩 △同 香 ▲8八桂 △9七金 ▲同 桂 △同歩成
▲同 銀 △同香成 ▲8九玉 △7七桂打 ▲同 金 △同桂不成 ▲7八玉 △8九角
▲7七玉 △6八角 ▲同 玉 △6七飛
まで140手で後手の勝ち