玉飛接近

右玉&左玉、ときどき詰将棋

角換わり右玉・先手(1-2)

2015年03月27日 | 右玉
前回の続き。割打ちが決まった後の展開を見ていきます。


△9四歩▲8四角△4五銀▲同歩△4六歩▲5五銀△4七歩成▲同金△7三角(第4図)

個人的に第3図では△9四歩▲8四角を入れずに△4五銀とするのがベストだと思いますが(飛車先がさらに重くなった)、展開によっては△8四飛もあるので何とも言えないのかも知れませんね。
△4五銀~△4七歩成は必然の流れですが、ここでの応手は▲同金と▲同玉どちらが得か難しいところです(私だったら▲同玉かな)。
本譜では▲同金に△7三角と引きましたが、強く△5五角と切る手もあったと思います。以下、▲同歩△5八銀▲3二銀成△同玉▲4八金打△4七銀成▲同玉△6四桂(変化図)。△8四飛~△5六角があり、右玉としては結構嫌な展開です。

▲3二銀成△同玉▲6八金△3三桂▲2四歩△同歩▲7三角成△同桂▲2四飛△2二歩(第5図)

△7三角に▲3二銀成~▲6八金。金寄りは△5八銀を防いだ手です。
△3三桂は1手パスのような手なので他の手を指したいのですが、△8四角▲同歩△2六銀(変化図)で勝負をするくらいしか浮かびません(他にいい手がありましたらご教示を)。
先手は銀打ちを消したので、満を持して▲2四歩を決行。以下、右玉の勝ちとなりました。

<参考棋譜>
▲7六歩 △8四歩 ▲2六歩 △3二金 ▲2五歩 △8五歩 ▲7七角 △3四歩
▲8八銀 △7七角成 ▲同 銀 △2二銀 ▲3八銀 △7二銀 ▲7八金 △3三銀
▲1六歩 △1四歩 ▲4六歩 △6四歩 ▲4七銀 △6三銀 ▲3六歩 △4二玉
▲3七桂 △5二金 ▲2九飛 △4四歩 ▲4八玉 △3一玉 ▲3八玉 △2二玉
▲4八金 △5四銀 ▲5六歩 △7四歩 ▲6六銀 △8六歩 ▲同 歩 △同 飛
▲7七桂 △8七歩 ▲9五角 △8二飛 ▲8五歩 △6五歩 ▲5五銀 △4三銀
▲4五歩 △同 歩 ▲同 桂 △4四銀左 ▲同 銀 △同 銀 ▲4六歩 △6四角
▲4一銀 △9四歩 ▲8四角 △4五銀 ▲同 歩 △4六歩 ▲5五銀 △4七歩成
▲同 金 △7三角 ▲3二銀成 △同 玉 ▲6八金 △3三桂 ▲2四歩 △同 歩
▲7三角成 △同 桂 ▲2四飛 △2二歩 ▲2三歩 △1三銀 ▲2二歩成 △同 銀
▲2一角 △同 玉 ▲2三歩 △3二玉 ▲2二歩成 △4二玉 ▲2三飛成 △5一玉
▲7一銀 △7二飛 ▲3三龍 △5九角 ▲6四桂 △7一飛 ▲5二桂成 △同 玉
▲4三金
まで97手で先手の勝ち

角換わり右玉・先手(1-1)

2015年03月18日 | 右玉
1月中に上げようと思っていましたが、気付いたらもう3月下旬。放置していてすみませんでした。
今回の右玉実戦編は、先手番角換わり右玉です(24有段者の将棋から取材)。


第1図はお互い駒組みが終わり、後手が△7四歩と突いたところ。
この局面で注目すべきは「9筋の端歩の突き合いがない」「後手の陣形が22玉・32金・52金型である」という2点。
この2点がどう影響を及ぼすかに注目です。

▲6六銀△8六歩▲同歩△同飛▲7七桂(途中図)△8七歩▲9五角△8二飛▲8五歩(第2図)

▲9六歩でも一局ですが、先手は▲6六銀と△8六歩を誘い、後手はそれに乗って飛先を切ってきました。
▲同歩△同飛に▲7七桂(途中図)が狙いその1。▲8七歩もありますが、ここで謝るようでは誘った意味がありません。
△8七歩に▲9五角としたのが狙いその2。9筋の突き合いがないことを利用した一手で、▲8五歩とした第2図では後手に歩を使わせた先手が一本取った形です。

△6五歩▲5五銀△4三銀▲4五歩△同歩▲同桂△4四銀左▲同銀△同銀▲4六歩△6四角▲4一銀(第3図)

第2図の局面、先手は指したい手が色々あるのに対し、後手は指す手が難しいと思います。
本譜の△6五歩は仕方がないと言えますが、先手の▲5五銀に強く△同銀とできないのが苦しい(▲4一銀の割打ちがあるため)。
△4三銀に先手は▲4五歩~▲同桂と銀交換を目指し、狙いの▲4一銀の割打ちが実現。
第3図は先手ペースでしょう。

次回に続く。