玉飛接近

右玉&左玉、ときどき詰将棋

居玉での急襲策(4)

2013年07月19日 | 右玉
今回も△7三桂に対する▲4五桂急襲策(24高段者の将棋から取材)。


第1図は△7三桂▲4五桂△4四銀▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲3四飛に△3三桂とした局面。
前回は△2五角でしたが、今回は桂を跳ねました。

▲4四飛△同歩▲5三桂成△5二銀▲同成桂△同金(第2図)

今回も▲4四飛~▲5三桂成と捌き、△5二銀に▲同成桂と清算します。

▲7一角△9二飛▲4四角成△2九飛▲5四馬△4三金左 ▲6四馬(第3図)

▲7一角に△9二飛は仕方のないところ。
本譜は▲4四角成と馬を作りましたが、▲8一銀も有力だと思います。以下、△6二飛▲同角成△同金▲7一飛(変化図)。

△2七角▲5八銀△2六桂▲3九金△1九飛成▲2八銀△1八龍(第4図)

後手の反撃に対して受けに徹した第4図は、先手が指せる流れでしょう。

<参考棋譜>
▲2六歩 △3四歩 ▲2五歩 △3三角 ▲4八銀 △3二金
▲7六歩 △4二銀 ▲3三角成 △同 銀 ▲7八銀 △7二銀
▲7七銀 △6四歩 ▲3六歩 △6三銀 ▲4六歩 △7四歩
▲3七桂 △7三桂 ▲4五桂 △4四銀 ▲2四歩 △同 歩
▲同 飛 △2三歩 ▲3四飛 △3三桂 ▲4四飛 △同 歩
▲5三桂成 △5二銀 ▲同成桂 △同 金 ▲7一角 △9二飛
▲4四角成 △2九飛 ▲5四馬 △4三金左 ▲6四馬 △2七角
▲5八銀 △2六桂 ▲3九金 △1九飛成 ▲2八銀 △1八龍
▲7三馬 △6二金 ▲8三馬 △3六角成 ▲4七銀左 △5四馬
▲9二馬 △同 香 ▲2一飛 △4一歩 ▲1一飛成 △4二玉
▲1九香 △2八龍 ▲同 金 △6三香 ▲5八金 △7八角
▲1二龍 △5三玉 ▲8二飛 △4二歩 ▲6六桂 △同 香
▲同 銀 △3六桂 ▲5六香 △4八桂成 ▲同 玉 △6九角成
▲5四香 △同 金 ▲3五角 △4四香 ▲2六角 △2五銀
▲1五角 △2四銀 ▲3七角 △3五銀 ▲2三龍 △4三玉
▲6二飛成
まで91手で先手の勝ち

居玉での急襲策(3)

2013年07月17日 | 右玉
今回は、私も何度かやられたことのある急襲策。
角換わりの序盤や相右玉になりそうな時に遭遇します(24高段者の将棋から取材)。


第1図は△7三桂と跳ねた局面。一見普通の手に見えますが、波乱を呼ぶ一手でした。

▲4五桂△4四銀▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲3四飛△2五角(第2図)

ここで▲4五桂と跳ねる手があります。この手は意外と盲点です。
△2三歩に▲3四飛と横歩を取り△2五角を誘います。
飛車が死にましたが、この後どのような構想で攻めるのか。

▲4四飛△同歩▲5三桂成△5二銀▲同成桂△同玉(第3図)

▲4四飛~▲5三桂成が狙いの捌き。
△5二銀に本譜は▲同成桂と清算しましたが、▲1五角△2四飛▲同角△同歩▲2三飛(変化図)とする順もあったと思います。

▲5四銀△3六角▲6三角△4二玉▲5三銀成△同玉▲3六角成(第4図)

▲5四銀と玉頭を押さえ、△3六角の銀取りに▲6三角と王手。
本譜は△4二玉と逃げて角の素抜きが成立してしまいましたが、△5一玉の方が良かったかも知れません(あまり差はない?)。

<参考棋譜>
▲2六歩 △8四歩 ▲7六歩 △3四歩 ▲2二角成 △同 銀
▲8八銀 △3三銀 ▲7七銀 △7二銀 ▲4八銀 △6四歩
▲2五歩 △3二金 ▲3六歩 △6三銀 ▲4六歩 △7四歩
▲3七桂 △7三桂 ▲4五桂 △4四銀 ▲2四歩 △同 歩
▲同 飛 △2三歩 ▲3四飛 △2五角 ▲4四飛 △同 歩
▲5三桂成 △5二銀 ▲同成桂 △同 玉 ▲5四銀 △3六角
▲6三角 △4二玉 ▲5三銀成 △同 玉 ▲3六角成 △8五歩
▲4一角 △6二飛打 ▲6三銀
まで45手で先手の勝ち

居玉での急襲策(2)

2013年07月12日 | 右玉
今回は、右玉というよりも角換わりの序盤の常識(24高段者の将棋から取材)。


第1図は後手が△4二玉と上がった局面。玉上がりが不用意な一手でした。

▲3五歩△4四歩▲3四歩△同銀▲2二角△3三角▲同角成△同玉(第2図)

▲3五歩が△4二玉を咎める一手。
2三の地点への利きがないため、△同歩と取ると▲4五角で痺れます。△4四歩とするしかありませんが、構わず▲3四歩~▲2二角として主導権を握りました。

▲3八飛△2七角▲3四飛△同玉▲2五角(途中図)△3三玉▲6一角成△4九飛▲6八玉(第3図)

▲3八飛~▲2五角(途中図)が本局のハイライト。これで先手が指しやすくなりました。
▲6一角成に対して△4九飛ではなく、△5二銀の方が良かったと思います。

<参考棋譜>
▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △8八角成 ▲同 銀 △4二銀
▲1六歩 △1四歩 ▲3八銀 △3三銀 ▲4六歩 △6二銀
▲4七銀 △6四歩 ▲3六歩 △6三銀 ▲5八金右 △4二玉
▲3五歩 △4四歩 ▲3四歩 △同 銀 ▲2二角 △3三角
▲同角成 △同 玉 ▲3八飛 △2七角 ▲3四飛 △同 玉
▲2五角 △3三玉 ▲6一角成 △4九飛 ▲6八玉 △2九飛成
▲3四歩 △3二玉 ▲3三銀 △同 桂 ▲4三金 △2一玉
▲3三歩成 △8四桂 ▲7七銀 △8八銀 ▲2三と
まで47手で先手の勝ち

対後手居飛車(1)

2013年07月10日 | 右玉
実戦編の第1回は、「基本手筋集(1)」で紹介した「継ぎ歩のカウンター」の実戦編。
「手筋集」では技が決まったケースを紹介しました(ココセではなく実戦で遭遇しました)が、今回は技が決まらない一般的なケース(24高段者の将棋から取材)です。


第1図は△7五歩と仕掛けられた局面。
「手筋集」では互いに囲い合ってからの仕掛けでしたが、本譜は互いに居玉のまま仕掛ける超急戦。

▲同歩△同角▲2五歩△3三銀▲2四歩△同歩▲2五歩△3二金▲2四歩△2二歩(第2図)

第2図までの流れで変化するとしたら、△3三銀に換えて△8六歩。以下、▲同歩△同角▲同角△同飛▲8七歩△8二飛(変化1図)。
角を手持ちにしたものの、たいした戦果を上げられず局面が収まるのが不満でしょうが、本譜の順よりも良いと思います。

▲5八金△4二角▲6五歩△5三銀▲4五歩△2四銀▲4四歩△同銀▲5六銀右△3三銀右▲1五歩△同歩▲1三歩△2三歩▲6九玉△4四歩▲4五歩△4一玉▲4四歩△同銀▲4八飛(第3図)

居玉での急襲策」でも書きましたが、右玉にこだわらないのがポイント。
右玉に組むのも一局ですが、後手の陣形がまとまっていないうちに仕掛けてポイントを稼ぐのが好判断。
居玉なので雁木風の右四間飛車に変化することが可能になります。
右四間飛車に変化する将棋は、いずれ右玉偽装右四間飛車として紹介する予定です。

今後の更新予定

2013年07月05日 | 日記
詰将棋の方に注力していて、更新をストップしていました。
今後の更新予定について書きます。

■右玉&左玉
 右玉と左玉に関する(最低限の)基礎知識の記事を書き終えたので、実戦編に入ります。
 本来は基本定跡の記事を書くべきですが、定跡よりも実戦例の方が重要と考えているので定跡の記事は書きません。定跡を知りたい方は、バイブル(『右玉伝説』など)を読んで勉強してください。
 実戦例の紹介といっても基本定跡と被る部分がけっこうあるので、バイブル未所有の方も大丈夫なはずです。
 棋譜は数千局あるので、殆どの戦型をカバーしています。

■詰将棋
 これまで通り、前月に発表された中からのお気に入りの紹介をします。
 作家紹介や作品集紹介&レビューもやりたいですが、新作を追うので精一杯なので難しいかも。

■将棋
 右玉・左玉以外の戦型についての記事は、下記の3本柱でいきます。
 ・マイナー&変態戦法 実戦投入&観戦報告
 ・右玉偽装右四間飛車(雁木に似た陣形で、変化球として最近使いはじめました)
 ・阪田流向かい飛車(後手番での裏芸にする予定)

-----
実戦必至問題(2)