Dr.K の日記

日々の出来事を中心に、時々、好きな古伊万里について語ります。

伊万里 染付柳文そば猪口

2020年07月27日 14時55分51秒 | 古伊万里

 今回は、「伊万里 染付柳文そば猪口」の紹介です。

 このそば猪口は、昭和54年に、地方都市のちゃんとした古美術店から買ってきたもので、当時8,000円でした。今よりも高かったような気がします(-_-;)

 というのも、このそば猪口の口縁には大きなソゲがあったからです。例によって、疵物だったわけですね。そんな疵があるのに8,000円というのは、今思うと高かったように思うんです。

 当時、元禄・享保くらいまでの伊万里を「古伊万里」と言い、その後のものは幕末物と言われて相手にされなかったわけですが、それでも、元禄・享保からは外れても、それに近いものは高かったわけですね。

 このそば猪口も、元禄・享保とまではいかなくとも、それに近い江戸中期の終わり頃の「宝暦」くらいはあるであろうとして売られていました。

 私も、そんなところだろうなと思い、参考資料とする意味も込めて買ってきたわけです。

 ところで、世の中には、そば猪口をコレクションの中心とする「そば猪口コレクター」なる方々がいるんですよね。また、そのような「そば猪口コレクター」が中心となって、そば猪口に関する研究も飛躍的に進んできたようです。

 私は、「そば猪口コレクター」でもないので、特に、そば猪口に関心はないんですが、江戸期のそば猪口も古伊万里の一種ではありますから、時々は、そば猪口にも関心は寄せてはいるんです。

 最近、「そば猪口コレクター」の大家でもある越前屋平太さんのブログを読んでいましたら、このような広東形のそば猪口は、中国の清朝磁器の影響を受けて、江戸後期の天明期頃から作られるようになったと書かれていました。

 私は、このそば猪口を買った時点では、江戸中期の終わり頃の「宝暦」くらいの作であろうと思って買ったわけですが、現実には、それよりも遅い、江戸も後期に属する「天明」くらいの作ということになるようです。

 それを知って、ますます、高く買い過ぎたな~という感を強くしたところではありますが、考えてみたら、古伊万里は、今よりも当時の方が高かったということだったんですね。

 また、前置きが長くなりました。次に、その、「伊万里 染付柳文そば猪口」を紹介いたします。

 

 

正面

形は、広東形と言われるものです。

 

 

正面の反対面

口縁の右側に大きなソゲの修復痕が見えます。

接着剤などを使用して修復しましたので、今では変色してしまいました(><)

 

 

見込み面

 

 

 

底面

 

 

製作年代: 江戸時代後期(天明期)

サ イ ズ : 口径;8.0cm  高台径;4.5cm  高さ;6.0cm


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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
つや姫日記さんへ (Dr.K)
2020-07-28 19:02:49
>蕎麦猪口 猪口 向付。。。

呼び方は、厳密に決まっていませんから、自分の好きなように呼んでもいいようです、、、(^-^;
でも、「蕎麦猪口」が好きな人は、なんでも「蕎麦猪口」にしたがりますし、「蕎麦猪口」をあまり好きでない人は、「猪口」とか「向付」と呼びたくなるようです、、(笑)。



古い陶磁器は、もともとは実用品として作られました。
後世の人が、残っている古い陶磁器の中の或る物に美を見出し、芸術作品としたにすぎませんね。
ただ、現代では、現代作家が、最初から、芸術作品として作っている場合があります。


この器、色や形が美しいですか(^-^;
ふんわりとした佇まいを感じさせますか(^-^;
ありがとうございます(^-^;
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美しいと思います (つや姫日記)
2020-07-28 16:36:01
蕎麦猪口 猪口 向付。。。
呼び名は持っている方の一番ピッタリくる呼び名で♪

絵の色 形 美しいですね。
ふんわりとした?佇まいが素敵です。
今となっては芸術品ですが
そもそも陶器は実用品として作られたのでしょうか?
芸術品と実用品はきっぱり制作の段階から違っていたのですか?
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酒田の人さんへ (Dr.K)
2020-07-28 08:38:51
私も、「そば猪口」に関する本や図録は1冊も持っていません。
それで、「そば猪口」のことは良く分かりません(><)
どうも、「そば猪口」という名称だけでも抵抗を感じるんですよね。
でも、古伊万里コレクターとしては、少しは持っていなければならないかな、と思って、何点かは持っているんです(-_-;)

「そば猪口」も、単なる「猪口」や「向付」としてみますと、中には優品もありますから、是非、「猪口」や「向付」として購入してやってください(^-^;
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遅生さんへ (Dr.K)
2020-07-28 08:29:02
この器の柳文はなかなか趣がありますよね。
ちょっと、初期伊万里を感じさせますものね(^-^;
そこが気に入って買ったように思います。

私には、どうも、「そば猪口」という名称だけでもランク落ちに感じてしまいますので、なるべく「そば猪口」という名称は使わず、単に、「猪口」とか「向付」という名称を使うようにしているんです。
この器の場合は、「朝顔形猪口」と呼べばいいかもしれませんね(^-^;
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Dr.kさんへ (酒田の人)
2020-07-27 21:33:41
ワタシもそば猪口については意識して購入しなかったもんで
未だに図録も所有しておらず、かろうじて知っていることと言えば、この形が広東形と呼ばれることだけです。
この品は、ドクターの目にかなった品だけあって、柳の絵付けがとても魅力的です。
以前は「そば猪口に手を出したら底なし沼」とか思っていましたが、近年はちょっとだけ買ってもいいかな?、とか思っています。
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Dr.kさんへ (遅生)
2020-07-27 21:13:03
染付けとうわぐすりの調和がとれたそば猪口ですね。
描画もなかなか趣があります。

広東形というと、どうしても少しランク落ちのイメージがあるので、朝顔形そば猪口と呼ぶようにしたらどうでしょうか(^.^)
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不あがりさんへ (Dr.K)
2020-07-27 20:06:28
私は、「ソバ猪口命」となったことはないんですが、皆さん、そば猪口、そば猪口と騒いでいますので、人並みに、少しはそば猪口も買ってはいるんです(笑)。
でも、その場合でも、そば猪口を買うという意識ではなく、猪口とか向付を買うという意識のほうが強かったです。

伊万里が値下がりしているなか、そば猪口だけは健闘していて、それほど値下がりしていないと聞いていましたが、それは違いましたか。

そば猪口を追うよりも、志田と波佐見を追う方が健全ですよ!
そば猪口は、器形が限定されてしまっていて、発展性がありませんものね。
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ソバ猪口命。 (不あがり)
2020-07-27 16:42:06
Dr.K様へ
私は一時期ソバ猪口命と思っておりましたが。伊万里が下がっても猪口ってあまり下がらないのです。ただ、2000年前後の今は五分の一、或は六分の一の価格になっております。
その当時、竹林文の猪口36000円でヤフオクで落したのですが。数年前ですかね、その猪口がいつも高い価格で出されている方が6000円で出品します。それでも落ちない。仕舞いには年を越してしまいます。業者さんが正月相場としてと。ことわり入れて1000円で出します。私は真剣に落しに行こうと考えましたが。結局の所、1000円で落ちたようです。となると三十六分の一ですよね。これにはガックリ来ました。その猪口は今でも私は大事にしております。伊万里は確かに下がっております。ただ、私の懐はもっと危ない状況です。そんな訳で今は猪口は見るだけとなっております。そして志田と波佐見を追っております(笑)。有難うございます。
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