今回は、「伊万里 色絵 牡丹蝶文輪花形中皿」の紹介です。
これは、昭和56年に(今から39年前に)、田舎の骨董屋から買ってきたものです。
どうということもない色絵の皿で、しかも、口縁には1cmほどの傷まであります(傷には、下手な補修がしてあります)。
でも、買ってきた当時は、伊万里の色絵の物はなかなか市場に出てきませんでしたので、参考品として買ったわけですね。
それでも、値段的には、今よりも高かったような気がします(__;)
表面
口縁の12時の方角に1cmほどのソゲ傷があります。
表面の中心部の拡大
この写真を撮っていて、初めて、牡丹の花の葉っぱの部分が、印判のようなものを使用して描かれていることに気付きました。
製作工程を少しでも簡略化し、いくらかでもコストを下げようと努力していたんですね(^_^;
裏面
製作年代: 江戸時代後期
サ イズ: 口径;21.5cm 高さ;3.5cm 高台径;11.4cm
追記(令和2年10月5日)
この記事をアップしてから1日が過ぎ、再度、じっくりとこの皿を見つめていましたら、次のようなことが浮かんできました。
これは、確かに、美術的に観れば、どうということのない、つまらない皿ではありますが、これが作られた当時は、高級品であったでしょうし、その時は、多くの方々からは、歓呼の声で迎えられたのだろうと思うんです。そして、江戸後末期の人々の食卓を、豪華に豊かに彩ったのであろうと思うんです。
そうであれば、この皿は、江戸後末期の人々の食生活を豊に彩り、生活に潤いを与えてきたのであろうと思うのです。そうした観点からみれば、立派に貢献してきたのでしょうし、長い間お疲れ様でした、とお礼を言いたくなるのです(^-^*)