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H&K P7M13

2011-03-04 21:14:13 | Gun
先日もお伝えしたとおり、東京マルイのエアーガンP7M13を購入いたしました。
私も好きなハンドガンの一つですので、これを使ってP7について解説してみたいと思います。



P7はドイツ、へッケラー&コック社が開発したハンドガンである。
1976年の西ドイツ警察制式拳銃トライアルにPSPの名称で提出されたが、
後にトライアル時の名称、P7と呼ばれるようになった。

その後、改良型のP7M8となり、
シングル・カラムであったマガジンをダブルカラムに変更したものが今回紹介するP7M13である。

順番が不自然だが先ずはこの銃のマガジンについて見てみよう。
残念ながらこのエアガンのマガジンは上半分と角度がかなり実銃と異なる。

マガジンは他のハンドガンと異なり、かなり垂直に近い形で銃に挿入される。
これは給弾不良の可能性を低くするための工夫とされる。
ここまで拘った銃はなかなかない。
また当初シングルカラムで開発されたものを改良したため、
一般的なダブルカラムと異なり後ろから見ると左右が非対称となっていたはずだ。

この記事を書くに当たってプロモーション映像を初めて見たわけだが、この銃のマガジンは堅牢に作られており、
地面に置いたマガジンにコンクリートブロックを落としても使用できるというシーンが出てくる。

ちょっとピンボケですが銃の右側面。

トリガーガード後方についているのはレバー式のマガジンキャッチ。
左右両方についているアンビデクストラスとなっている。

余談だが、このエアーガンはまだ一体スライドが導入される前なのでトリガーガード前部とともに
リアサイト部分にも固定用のネジが見える・・・無論実銃には無いので注意。

ここでこの銃の特徴の一つについて解説しよう。
グリップ前面に取り付けられているのが外見上の最大の特徴である「スクイズ・コッカー」である。
これは安全装置の一種で、この部分を握り込むとファイアリング・ピン(撃針)が後退、
射撃が可能となるシステムである。
シングルアクション撃発機構の軽い引金で発射できるが携帯時の安全性に不安の残る部分と
ダブルアクション撃発機構の引金を引くだけで発射できる反面、引金が重いという部分の
双方のいいとこ取りを狙ったシステムである。

弾薬を装填したままで安全に携帯でき、必要な時にはグリップを握って引金を引くだけで発射できるメカニズム、
ある種グロックとコンセプトが似ている。
余談だが世界初のポリマー製拳銃はグロックではなくH&KのVP70であり、
最近までH&K社のカタログにその点が書かれていたとか何とか。

このスクイズコッカーはスライドストップの解除も兼ねており、
マガジンが空になりスライド後退状態で停止した場合、
マガジン交換後に一度握りを緩めてから再度握るとスライドが前進する。
ちなみにマニュアルでスライドストップを掛ける場合、
左側面のマガジンキャッチ上部の部品を押し込むと掛ける事ができる。

このスクイズコッカーこそがこの銃が「ステープラー」(ホッチキス)と呼ばれるゆえんである。
ちなみに一度握りこんでしまうと少ない力で保持できるがエアーガンはそこまで再現できていない(泣)。

スライド後部のアップ

P7のファイアリング・ピンはこのように後部に突き出す。
画像のエアーガンの場合、流石にスクイズコッカーと連動はしないが、コッキングすると突き出す。
ファイヤリング・ピンを保持する円形のパーツはPSPではスライドから露出していなかったが、
分解し難いので途中から(確かP7M8から)変更され、工具無しでも分解できるようになった。

右側グリップフレーム後部の丸いボタンは分解用のボタン。
エアーガンではセイフティとしての機能を与えている。

リアサイトは大型のものが取り付けられ、パートリッジタイプのフロントサイトと相まって照準がしやすい。
エアーガンでは省略されているがサイトにはホワイトが入った3点ドットとなっており、
照準のしやすさに一役買っている。

また、どの写真でも見難いが、グリップには公用として開発されてだけにランヤードリングが取り付けられている。

最後にこの銃のもう一つの特徴について解説しておこう。
それはブローバックの方式である。

この銃はガス・リターテッドと呼ばれる特殊なガス・ディレード(遅延)・ブローバックを採用している。
ガス圧利用というとガス圧利用のライフル、M16などのようにガス圧によるブローバックを想像するかもしれないが、
全く逆でガス圧によりスライドの後退を遅らせる機構を持っている。

実際のところ文字だけで説明するのは難しいのだが(失礼)発射時の動作はこんな感じ。
・チェンバー(薬室)前方から発射ガスの一部がフレーム内部に設けられたシリンダーに導かれる
・スライドにはピストンが連結されており、シリンダーに発射ガスが入る事でスライドの後退にブレーキがかかる
・弾丸が銃口から発射されるとガスの圧力が下がるためスライドにかかる前方への力が弱くなりスライドが後退を始める
こんな感じである。

ちなみにあくまでディレード・ブローバックであり弾丸の発射と共にスライドは僅かに後退を開始するため、
薬莢切れを防ぐためにチェンバーにフルート(溝)が切られているフルーテッド・チェンバーを採用している。
薬莢とチェンバーの間のフルートに発射ガスの一部が入る事で薬莢の貼り付きを防ぐ物であり、
同社のG3自動小銃やMP5短機関銃(ともにローラーロック閉鎖方式=ディレード・ブローバックの一種)と同様であり、
薬莢に跡が残り、スライド前面にガスが吹き付けるため汚れやすいと言う欠点がある。

またP7の場合フレーム内部、トリガーの上にガスが入るシリンダーがあるため、
連射すると過熱しやすいと言う欠点があり、
P7M8以降、フレームを削り込んでプラスチック製のプロテクターが装備されたが、
この銃を採用している米国の警察系特殊部隊員は雑誌のレポーターに「200発も撃つと引金に触れられなくなる」と語っていた。

また、ガスをシリンダーに導くこのシステムは弾薬の種類を選び、
安価なキャスト弾(今時誰も使わないらしいが)は使用不能。
メタルジャケット弾のとりわけ重めの弾しかダメらしい。
比較的高価な銃で高価な弾薬しか使えない。

慣れが必要なスクイズコッカーといい、独特の発射システムといい、何とも個性的なハンドガンである。
とはいえ、好きな銃ではあるのですが・・・。

この銃に関してはまだ語りたい事があるのですが、
それはまた別の機会に。

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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2018-10-25 18:41:47
ヘッケラー&コッホでは?笑
あれだと下ネタ笑
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Unknown (doorgunner)
2019-03-30 20:16:33
読み方に関しては色々とありますね。
返信する

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