オー、捨てないと!

隠れオタクな会社員の買い物や感じた事

ちょっと素直に夜勤感情

2009-06-05 17:25:11 | 仕事

会社に入った時の初期教育において機械場出身のある人は
「夜勤の方が上司の目が無いし、好きなようにやれるので楽だ」
と言っていたが、これも熱処理課においては当てはまらなかった。

前回も書いたとおり「常に誰かが見ていなければならない」状況であるため、
休憩も交代でとらざるを得ないのだ。
無論、その間にも焼き入れはあるし、品物の箱詰めはあるしで動き回っていなければならない。
こう書くと順番にやっていけば済みそうなものだが、そうはいかない。
焼き戻し完了品を先に取り出すか、別の物の洗浄を先にやるのか、点検に行くのが先か、
こういうのを即座に判断して進めていかなければ仕事は終わらない。
大量の仕事を残して昼勤に引き渡そうものなら
「お前ら何やってたんだ!」と怒られること請け合いである。
実際、忙しい時にはしょっちゅうあった。

こういう判断をが一人でこなさなければならないわけで、
作業者を育てるのは一朝一夕では無理だ。
何しろ勤続20年以上のヴェテラン揃いでも仕事が終わらなかった(=忙しすぎた)時もあるのだ。

さて、今度は勤務時間に目を向けてみよう。
夜勤というのは当然夜働くということで、
一般の人は帰宅してのんびりしていたり寝ていたりする時間帯に働くことになる。
昼夜逆転生活と言ったほうがいいだろうか。
これは長年夜に寝て昼間に起きている生活をしている人間にとっては大きな負担となる。
流石に最近では慣れてしまったが、夜勤開始当初はかなり苦労したものだ。
ちょうどこの頃、夜型人間の友人が「夜働くのもいいかもしれないな」と言い出した時に
「やれるものならやってみろ、この〇垂野郎!」と言いかけたものだ。
こんなことをしていたら体が持たない。無理だ。とか思っていた時期の事である。
無論、体力的にも辛い分夜勤手当などで収入は増える。
最近ではできるだけ長いこと夜勤を続けたいと思うし、
別の職場の後輩が夜勤から下ろされた
(別に間に合わない人間だったのではなく、単に作業者の頭数を減らしたかったようだ)のを見て
かわいそうだな、と思うこの頃である。

ちょっと角度が変わるが、昨年夜勤を始めた後輩に聞いてみたところ
「夜勤中は父親と殆ど顔を合わせないのでアレですね。」と言われた。
一般的な人が仕事を始める時間まで仕事をしているし、
一般的な人が仕事を終わる時間まで家に居て、
それから出勤するので当然そうなってしまい、週末に休みになるまで顔を合わせないのである。
確かに夜勤を始めた当初は私も不満に思ったものだ。
何しろ今まで当然のように毎日見ていた親の顔を一週間近く見なくなるわけだから、
違和感はぬぐえない。
今では当然になってしまったが。

この話にはオマケがつき、結婚している先輩たちだと
「昼間、子供がうるさくて寝にくかった。」(夏休みや冬休み期間中)
「夜勤の間は嫁さんと殆ど顔を合わせないぜ、フゥハハハーハァー!」(共働きの先輩)
などなど。
後者はわりと危険な気がする。
私も近所で工事をしていてよく眠れなかった事があった。
流石に「昼間は俺が寝てるんだから静かにしろ、夜にでも工事をしろ!」なんて言えないしね。

また、夜に働いたからといって昼間に眠れるかというとこれも話は変わってくる。
雨戸を閉めるなどして真っ暗にして眠れるよう努力するが、眠れない時もある。
特に夏場は悲惨で、クーラーを使っていても寝にくい。
人間は夜行性ではないのだと厭というほど思い知らされる。
夏場は特に体力の消耗が激しいので厳しい。

何しろただでさえ眠い夜間に仕事をするわけだから危険が伴う。
そのうえ寝不足だったりすると明らかに判断力が下がるわけで事故も起きやすい。
うっかりして火傷した、程度ならともかく
うっかり機械に巻き込まれて腕を切断した、とか
うっかり感電死した、なんてなると笑えない。
そこまでいかなくても夜勤を始めた当初は足をぶつけるなどの怪我は夜勤が多かった。

他にも冒頭に出た「上司の目がない」というのはマイナス方面にも作用する。
上司がいないということは判断がつかないときに自分たちで判断しなければならないし
(判断がつかないときは当然夜中だろうと電話で指示を仰ぐことになるが
  なるべく避けるべきなのは言うまでもない)、
単純に昼勤と違って頭数が減るので単純に大変だ。
炉が壊れたりした時には一人でも多くの人が欲しいわけで
限られた人数しかいない夜勤ではそれだけで心もとない。

既に夜勤から降りる先輩方が「これでようやく肩の荷がおりた」と口にするのも
理解できない話ではない。  

それでも今の勤務を続けたい、と思うのはある種の慣れなのだろうか。

余談になるが数年前夜勤の際に弁当を買いに
自転車でコンヴィニエンスストア――コン・ビニ――に向かった際、
最終電車通過後の駅でホームの工事をする作業員の姿を見たときには
「こんな夜中に大変だなぁ」と他人事のように思ったことがある。
道路工事の人たちも夜中に作業をする。
彼らも大変だろう。

さらに余談になるが「夜勤」という言葉がどの程度メジャーなのかと思って検索してみたところ
トップに「夜勤〇棟」が来た。
どうなのよ、ぐぐる先生。

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