50歳から単身赴任するようになり、63歳までのおよそ13年単身赴任が続いた。この間は、年に数回家に帰るだけで、家から遠ざかっていた。その間、それなりの苦労はあったが、それでも一人の気ままな生活を満喫していた。お互いに配偶者がいない気楽さに慣れてしまったと言える。
ところが、いったん家に帰り、一緒の生活に戻ると、二人の間には相当の開きができてしまい、なかなか埋めることができない。戻ってもう2年が経つが、それでもその溝は一向に狭まってきたとは言いにくい。人と話さずにいても、一向に困らないで、自分の世界にいることができる。何も無理して相手の機嫌を取るようなそんなことは面倒くさいというのが私の本音だ。妻曰く、「一緒にいる意味がないよ!」。確かに、そうだ。一緒にいる意味はない。それじゃ、どうしたいのか?妻が私の世界に入ってくるのか?それとも、私が妻の世界に入っていくのか?
妻は何も語らないが、「私の世界に入ってきて合わせて欲しい。」と言うことなのだろう。そうできれば、それが一番かもしれない。しかし、そんなことが簡単にできるはずもない。十数年の間にできた「私」も、私なのだ。味覚も好みも違う。味覚は子どもの頃に戻ってしまっているし、好みだってそうだ。はい、そうですか・・・と、合わせられるものでもない。これは、大きな問題だ、解決するまでには相当長い時間が必要となるだろう。
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