妻が8月に亡くなり、喪中はがきを出した。故人を思い、仏前に線香を供えたいと思うのは理解できるし、自然な気持ちの流れだと思うし、とてもありがたいと感謝している。こういう人の気持ちというものは大切にしていきたいと思う。
11月に長男夫婦がやってきたとき、長男は「ちゃんと水を上げている?線香を上げている?」と言ってきた。予め、長男が来るのは分かっていたので、(長男対策?)花も供えていて、抜かりはない。ただし、仏壇に入っている花器は生花を差すには小さ過ぎるので、隣に普通の花瓶を置き、花を挿して置いたのだった。長男も線香を上げて、その場はそれで済んだが、後で、小さな造花が仏具屋に売っているから、それを飾ったらどうか?部屋が線香臭くなるので、もっと臭いの少ないものにしたらどうか?などと、言ってきた。私は「香の臭い」について、深くは考えていなかったが、確かに、密閉度の良い、狭い部屋で、毎日香を焚いていると、部屋に香の臭いが染み付いてしまうという心配はある。それを心配して長男は言っているのだろう!早速、小さな造花と臭いの薄い香を買ってきた。ただ、今まで使っていたお香をどうしようか?捨てるのももったいないと思う。
妻の友人たちに、妻の逝去を知らせる手紙を出したところ、妻の友人たちからいくつものお香やお供え物が送られてきた。そして、今度は、私が出した喪中はがきに、また、お香が送られてきたというわけだ。それも、何の前触れもなく、唐突に、お香が送られてきたわけで、送ってくれた人にありがたいと思う気持ちの一方で、これは全く自分勝手な思いなのだが、お香を送ってくれるよりも、電話一本くれた方が私としては嬉しいと思う。
私自身も、喪中はがきが送られてくると、さて、どうしたものか?何もしないで、そのままにするのも、どうも気持ちが収まらないし・・・・。これはみんな困っていて迷っていたことなのだろう!そのうち、テレビで、「喪中はがきが届いたら、お線香を送ろう!」といって線香の会社の宣伝が流されるようになった。そして、いつの間にか、「喪中はがきにお線香を送る。」ということがだんだん定着してきたようだ。贈り物にするのだから、粗末な、普段使いの線香を送るということには気が引けて、勢い、霧箱に入った、自分では決して買わないような高級品が売れ、線香の会社はホクホク顔をしていることだろう。
今回のことを経験して、私としては、正直ところ、「喪中はがきが来たら、電話を掛けよう!」という運動を始めたい気持ちになっている。
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