どんぴ帳

チョモランマな内容

雑食王(その28)

2010-06-13 14:40:24 | 何でも食べちゃう

 今回はマッチョと金沢を旅行して(マッチョと行こう!ホタルイカの旅)発見した一品です。


長町武家屋敷跡近く、甘味処『菓遊庵
 今回は珍しくお店も紹介してます。
 なんとなく吸い寄せられるように店内に入ると、思わぬ物に目が留まりました。


またしても大福
 やや小振りな大きさです。
 そしてこの商品の名前は、『トマト大福』!
「うーん、トマトまで入れちゃうのか…」
 何の期待もせずに一つ購入してみました。


試食!
 断面はこんな感じ。(刃物がなかったので、口で失礼します)
「おおぉ、う、美味いぞぉおおおおお!」
 何の期待も、本当に何も期待していなかったので、正直驚きました。
「うーむ、鮮烈に美味いぞ、感動だ!」
 まさかプチトマトと大福がこんなに合うとは思っていませんでした。
「この糖度の高いプチトマトの甘さはまるで果物みたいだし、微妙に感じる酸味も『いちご大福』に近いバランスだなぁ、うん、まさに絶妙…」

 かねがねこの『フルーツ系大福』について色々と考察してみましたが、やはり美味しいフルーツ系大福には以下の三要素が欠かせないと、私は思っています。

1 .中身となる果物は、水分が流れ出さない物が望ましい。
2. 中身となる果物は、十分な糖度と僅かな酸味があると非常に良い。
3. 中身となる果物は、製造してからの経過時間による味の変化が少ない物が望ましい。

理由として、
 1.に関しては、流れ出た水分で大福の中がグチョグチョになってしまうからです。
 これは非常に食感が悪い。カットフルーツなどを使用した場合は、特にこの傾向が強いです。ゼラチン等でコーティングをして、なんとかしようと試みるお店もありますが、やはり厳しいのではないでしょうか。

 2.に関しては、味のバランスです。
 やはり糖度が高いだけの果物の場合、包み込む餡とのバランスが難しくなります。果物が甘く、餡も甘いと結構しつこい味になってしまします。かといって餡に入れる砂糖を控えると、今度は餡自体が果物の水分によって痛みやすくなります。
 果物の酸味は、フルーツ系大福を後味良く食べさせるためには、非常に重要な要素になると思われます。

 3.に関しては、目をつぶってしまっている和菓子職人さんもいるかもしれません。
 この内容は1.ともリンクしますが、水分が流れ出しやすい果物や、鮮度の落ちが激しい果物に関しては、非常に問題があります。
 私が以前食べたある大福は、やや痛みかけているような臭気がしました。実際には痛んでいないのかもしれませんが、やはり鮮度の落ちた臭いは、人間の食欲を減退させます。
 また、購入したお客さんがどのような温度環境で持ち帰るのかも、味の変化の不安定な要素となります。

 さて、上記の鬱陶しい(笑)三要素から考えると、プチトマトはかなり合格ラインに近いのではないでしょうか。
1. 皮があることによって、水分の流出を防いでいる。
2. 十分な糖度と、ほどよい酸味を持っている。
3. 比較的、経過時間による味の変化に強い。
 そしてこれらはいちご大福のいちごにも当てはまります。
 まだ私は食べていませんが、『みかん大福(みかん丸ごと)』や『ぶどう大福(ぶどうは皮ごと食べられる品種)』も、かなり要素を満たしている気がします。
※ただし、3.の要素は微妙な感じ…

 まあ、ウンチクはともかく、非常に美味しかったので散策の帰りに購入しようと思いましたが、残念ながら売り切れていました。
 この『トマト大福』ですが、五月上旬までの限定生産で、理由は、
「その時期を過ぎると、プチトマトの皮が厚くなってしまい、食感が悪くなってしまうから」
 だそうです。うーん、プロフェッショナルですなぁ。

 ちなみに私はこういう美味しい物も大好きですが、暴走した中小企業の経営者が考案する『怪しい食品』や、『いたずらにラインナップだけは豪華にした商品』も大好きですので、これからも積極的に食べて行きたいと思っています(笑)



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