地震で剥がれた化けの皮？ ＝東日本大震災＝

私が社会人になったのは今から20年以上前の事でしたが、その時に先輩に言われた事があります。

「会社では、重い物を男の人の前で持ってはいけない。重い物を運ぶ時は、手伝って下さい。と、お願いするのが世の習わしだよ。」

そして

「男っていうのはね、女がどんな事でも出来ると知ったら、甘えて何もやらなくなる動物だから、絶対出来る所を見せちゃいけないの。特に力仕事は見せちゃ駄目。」

私はこの言い付けをずっと守って生きてきました。

だって、世の中の男の人って、この先輩の言うとおり女の人が何でも出来ると思うと甘えてくるし、また自分より出来るとなると・・・まあ長いＯＬ時代でそんな事を色々と学びました。

で、3月にあった東日本大震災ですが、私は地震の後避難したのは覚えているのですが、恐怖のあまり色々な事を忘れてしまっておりました。

それは、同僚も同じだったのですが、同僚たちは地震の恐怖以外に驚くような物を見たと最近言うようになったのです。

そう、それは私の事。

私は全然覚えていないのですが、地震の揺れが納まった後、さあ逃げるぞとなったのですが、その時にとある同僚の机が倒れてしまい、引き出しの中にしまった鞄が取り出せないと困っていたそうです。そしたらね、そこに通りがかった、私が、

「おりゃっ！」

って声を掛けて、うんともすんとも動かなかった机を立て直して歪んで開かなくなった引き出しを片手でガッと開けて鞄を取りだした。

とか、

地震で倒れた女子ロッカーに行って、倒れて歪んだロッカーのドアが開かないと言っている人の前でロッカーを

「おらおら！」

とか叫びながら蹴って元に戻し、ドアを開けて荷物を出したとか・・・。

2月に入社していらい、物静かで腰の低い控えめなお姉様をイメージして、おしとやかに振るまっていたのですが、地震のパニックでつい地が出てしまったようで、それを見た同僚は

「ドドメさんて力持ち！」

「ドドメさんて逞しい！」

とか思って驚いたそうです。

一応、会社では、「火事場の馬鹿力ですから」と言っているのですが、その時の様子を見た方々は、信じてくれず・・・。

しかも、地震で逃げた後に社長を誤って「じいちゃん」と呼んだ事も覚えている方がいたりして・・・本性を隠すのは本当に難しい事だとしみじみ思い知らされました。

というわけで、最近事務所の中で力仕事を頼まれる事が多いです・・もう事務のお姉さんっていうより用務員さんって感じ。

落第ＯＬ・・・こんなところでもちょっと落ちこぼれ気味です。

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ちなみに社長は私に「じいちゃん」と呼ばれた事は覚えていない様子です。これだけは不幸中の幸いかな？。

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