ポートランド日記

米オレゴン州ポートランドでの生活模様

ベンソンさん

2009年05月07日 | 地元事情
ポートランド市の名士の一人にシモン・ベンソンさんがいる。彼は1851年にノルウェーで生まれた移民で、若い頃に渡米し、木材業で財を成した立身出世の人で、晩年には慈善事業にも力を入れていて、特にブロンズ製の水飲み用噴水を市内に設置するために1万ドル(当時)を市に寄付したことで知られている。

市内20箇所に設置された公共用の水飲み場は、人々が休憩(水飲み)と称して酒場でゴロゴロとダベらないように、という願いが込められており、実際彼の従業員が調べたところ、噴水設置後には市の酒場の売り上げが40%も落ち込んだのだとか。

市の治水事業にも多大な貢献をした彼の偉業を称え、上記水飲み噴水のみならず、市内の高級ホテルや公立商業専門高校にも彼の名が冠された。

彼が家族のために立てた家はクイーン・アン調と呼ばれる美しいスタイルの建造物だったが、彼の死後、人手に渡り、かなり荒廃してしまったという。そこで市はこの建造物を買い取った上保存することを決め、PSU(Portland State University)の敷地に移転することになった。現在は、PSUのOB会の施設として使用されるほか、未使用の空間は一般へ公開されていて、内装をうかがい知ることが出来る。大きな窓がたくさんあってとても明るく、ステキな家だ。

注)写真手前花壇の右側にあるのが、ベンソンさんの寄付で作られた水飲み噴水の一つ。わかるかなぁ?

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