ローグアサシン
りんちぇとジェイソン・ステイサム主演の「ローグアサシン」を見てきましたよっと。DVD買うことは決定しました。面白かったですが、日本に過剰な愛国心を持つ人はちょっと怒るかもしれない、欧米映画にありがちな日本描写が炸裂してますので、そういうのを楽しめる人でないと駄目な、見る人を選んじゃう映画です。
まぁ、贅沢なおバカ映画です、一言で言うならば。
ここから下は例によって、ネタバレしかありません。でも、この映画ってネタが命なので、取り敢えずは劇場に見に行く方がいいと思いますよ。多分、すぐに上映が終わると思うので。ほんとにこれでもかっていうくらいにネタバレしてるんで、まだ映画を見てない人はここから下は見ないで下さいね。
ネタバレ開始
のっけから銃撃戦で始まるわけですよ、皆様。ジェイソン・ステイサムとその相棒は情報が内部から漏れてるで~これはって言いながら、伝説の殺し屋ローグが参加していると思われる銃撃戦に勢いで参加しちゃいます。で、観客としては、これはりんちぇとジェイソン・ステイサムが主演なので、ああこの中国系米国人の相棒はローグに殺されちゃうんやなぁという展開を想像すると思います。で、その復讐をジェイソン・ステイサムがするんやなぁ、と。
ええ、僕もしましたよ。
しか~し、な、なんとローグに殺されかけたのはジェイソン・ステイサムで、それを相棒が救っちゃうわけですよ。ローグの顔面に弾ぶち込んで。なかなか凄腕です、この相棒。
でもね、この時点で思っちゃったのは、こんなに最初の時間帯でローグをあっさり撃退させちゃっていいのかよ、と。しかもそれがジェイソン・ステイサムではなくて、脇役の相棒の一撃という展開で。ローグの不死身さを印象付けたいのか、それともあっち系の映画だったのか。それなら見るギアをチェンジしないととか考えました。
ここで、ふと思い出しました。この映画の予告とかで、最後に大どんでん返しがあるとか、ローグには秘密があるとかっていうことを。しかも、トップクレジットはりんちぇだし。
この映画はミスリーディングを積極的にしてもらおうという作りになっています。欧米映画にありがちな日本描写を入れて観客の目をギャグ方向に引っ張って誤魔化そうとしたり(←それは違うやろ)。しかし、丁寧にヒントもちりばめられています。丁寧っていうよりかは、ヒントを上手く誤魔化せなかったと言ったほうが的確かもしれません。
その後、相棒の家族とジェイソン・ステイサムの家族は、郊外のキャンプ地(?)で一緒にバーベキューをすることになってまして、ジェイソン・ステイサムの家族は遅れることになって相棒の家族だけが先にキャンプ地の家に行くわけです。再度相棒の死亡フラグが立ちました。しかも、家族付きで。ご丁寧にローグも画面に登場します(顔は映ってません)。
フラグ通り、相棒の目の前で、配偶者と娘が殺されちゃいまして、家も焼かれてしまいます。ジェイソン・ステイサムが到着した時にはもう警察が来てました。
ここでね、家まで燃やす必要があったのかって思っちゃったわけですよ。で、ああ、そういう展開にするのねって思いましたよ。
で、三年後に舞台は変わるわけです。あれほど何年後とかはやるなって言ったのに。
後の展開は、ローグが米国で睨み合っている石橋凌率いる日本のヤクザと、ジョン・ローン率いる中国系マフィアとを全面抗争するように暗躍します。それにはある目的があったのです。あ、ネタバレありやから書いちゃいましょう。石橋凌は米国には渡ったことがないという設定なんですよ。で、米国に石橋凌を引っ張って来させる為なんですね。
ジョン・ローンはローグに殺されちゃうんですが、ジョン・ローンにも配偶者と娘がいました。ローグはその娘を見て意味深な顔をするんです。石橋凌がローグに復讐されない為にジョン・ローンの家族も皆殺しにしろって言うわけですが、ローグがそれを無視して逃がした件から、もうローグの正体は確信を持って、ジェイソン・ステイサムの元相棒やなぁというのがわかりました。
あ、ばらしちゃった。ついでに、ジェイソン・ステイサムが悪者なんですよ、実は。元相棒の情報を三年前に石橋凌に売っちゃったんですね。それで当時石橋凌に雇われてた元祖ローグが顔面撃たれた復讐に赴くんです。そのことでジェイソン・ステイサムは悩んだりするんですけど、この辺りの描写がいまいちなんです。ミスリーディングさせないとっていう足枷があったからなんですが、ここは重要なポイントなんでもう少し上手く描かないと駄目ですね。
顔をいじるスペシャリストのところでも、三年前にいじったおっさんはローグの存在に怯えながらも生きている。それ以前の顔をいじった奴はワニに喰われたりして死んでいるっていうところは、一応三年前のローグはもう元祖じゃなかったから殺されなかったよってことなんかなぁ。ここなんかはミスリーディングさせようとして失敗している一番わかりやすいところじゃないでしょうか。
デヴォン青木は相変わらずブ(ピー)やったけど、佇まいはええ感じやと思います。ジェイソン・ステイサムも日本語を話す場面があるのですが、これはもうイントネーションがおかしすぎて笑えるのですが、デヴォン青木のは流暢なんですよね。多分吹き替えやと思うけど。口の動きは合ってたように見えましたけど。欲を言えば、もうちょっと話に絡んで欲しかったですね。
日本のヤクザが話す言葉は、イントネーションとかはまぁ問題ないやろっていうレベルなんですが、発する台詞がおかしいんですよね、全体的に。そこは笑うところなんでしょうけれども(←違うと思うよ)。
ケイン・コスギはなんか勿体ない使い方されてましたね。もっと、りんちぇやジェイソン・ステイサムとアクションで絡んで欲しかったですね。りんちぇとのアクション場面もあるにはあるけど短いっすよ、あれじゃ。デヴォン青木と一緒に出てるからいつなんちゃって忍者スタイルになるかと思ってしまいましたよ(しかもアクション監督は同じなんですよね?)。
石橋凌は結構美味しい使われ方だったと思います。りんちぇとも戦えたし(大半はスタントでしょうけど)。存在感もあったし。フェイクのラスボスとしても機能してたし。
ジェイソン・ステイサムの相棒が殺された場面でのジェイソン・ステイサムの見せ方を、ステレオタイプかもしれないけど、もっと激情させて、この事件が原因で妻子とも別れましたという設定にしておけば、よくあるパターンではあるのですが、逆に目を眩ませてミスリーディングをもっと簡単に出来たんではないかと思いました。
映像的にちょっと凝ったこととかありましたが、単純に見せていいところとかのバランスが今後の課題じゃないかな、この監督は。まぁ色々勉強になったと思うし、以外と手堅いところもあったりして、これから伸びるかもしれませんね。
先にも書きました、ジェイソン・ステイサムの描写がちょっとおざなりなんが残念ですね。パンフレットを見ると、ローグの役でりんちぇを想定して脚本が書かれたらしいので、りんちぇの方に比重が置かれてしまうのは仕方がない部分ではあるかもしれません。
上手いなと思ったのは、復讐劇でジェイソン・ステイサムが主人公のように見せてたのに(序盤はそういう動かし方をしてます)、いつの間にかりんちぇが主人公(元々そうなんですけどね)になっているっていう演出です。自然にチェンジしたかのようになってます。最後のジェイソン・ステイサムがりんちぇに真相を告白するところでは、完全にジェイソン・ステイサムはラスボスと化してますしね。
総評としては、おバカ映画ではあるけど、惜しい映画だったと思います。
りんちぇはこういう陰のある役が似合うよなぁ。ただ、肌荒れが酷くなってきてるけど、もう四十路中盤なんですよね。しゃーないっすよね。
あ、元祖ローグは恐れられてるわりには、現ローグ(元相棒)に二回もやられてるわけで、案外大したことなかったのね。
りんちぇとジェイソン・ステイサム主演の「ローグアサシン」を見てきましたよっと。DVD買うことは決定しました。面白かったですが、日本に過剰な愛国心を持つ人はちょっと怒るかもしれない、欧米映画にありがちな日本描写が炸裂してますので、そういうのを楽しめる人でないと駄目な、見る人を選んじゃう映画です。
まぁ、贅沢なおバカ映画です、一言で言うならば。
ここから下は例によって、ネタバレしかありません。でも、この映画ってネタが命なので、取り敢えずは劇場に見に行く方がいいと思いますよ。多分、すぐに上映が終わると思うので。ほんとにこれでもかっていうくらいにネタバレしてるんで、まだ映画を見てない人はここから下は見ないで下さいね。
ネタバレ開始
のっけから銃撃戦で始まるわけですよ、皆様。ジェイソン・ステイサムとその相棒は情報が内部から漏れてるで~これはって言いながら、伝説の殺し屋ローグが参加していると思われる銃撃戦に勢いで参加しちゃいます。で、観客としては、これはりんちぇとジェイソン・ステイサムが主演なので、ああこの中国系米国人の相棒はローグに殺されちゃうんやなぁという展開を想像すると思います。で、その復讐をジェイソン・ステイサムがするんやなぁ、と。
ええ、僕もしましたよ。
しか~し、な、なんとローグに殺されかけたのはジェイソン・ステイサムで、それを相棒が救っちゃうわけですよ。ローグの顔面に弾ぶち込んで。なかなか凄腕です、この相棒。
でもね、この時点で思っちゃったのは、こんなに最初の時間帯でローグをあっさり撃退させちゃっていいのかよ、と。しかもそれがジェイソン・ステイサムではなくて、脇役の相棒の一撃という展開で。ローグの不死身さを印象付けたいのか、それともあっち系の映画だったのか。それなら見るギアをチェンジしないととか考えました。
ここで、ふと思い出しました。この映画の予告とかで、最後に大どんでん返しがあるとか、ローグには秘密があるとかっていうことを。しかも、トップクレジットはりんちぇだし。
この映画はミスリーディングを積極的にしてもらおうという作りになっています。欧米映画にありがちな日本描写を入れて観客の目をギャグ方向に引っ張って誤魔化そうとしたり(←それは違うやろ)。しかし、丁寧にヒントもちりばめられています。丁寧っていうよりかは、ヒントを上手く誤魔化せなかったと言ったほうが的確かもしれません。
その後、相棒の家族とジェイソン・ステイサムの家族は、郊外のキャンプ地(?)で一緒にバーベキューをすることになってまして、ジェイソン・ステイサムの家族は遅れることになって相棒の家族だけが先にキャンプ地の家に行くわけです。再度相棒の死亡フラグが立ちました。しかも、家族付きで。ご丁寧にローグも画面に登場します(顔は映ってません)。
フラグ通り、相棒の目の前で、配偶者と娘が殺されちゃいまして、家も焼かれてしまいます。ジェイソン・ステイサムが到着した時にはもう警察が来てました。
ここでね、家まで燃やす必要があったのかって思っちゃったわけですよ。で、ああ、そういう展開にするのねって思いましたよ。
で、三年後に舞台は変わるわけです。あれほど何年後とかはやるなって言ったのに。
後の展開は、ローグが米国で睨み合っている石橋凌率いる日本のヤクザと、ジョン・ローン率いる中国系マフィアとを全面抗争するように暗躍します。それにはある目的があったのです。あ、ネタバレありやから書いちゃいましょう。石橋凌は米国には渡ったことがないという設定なんですよ。で、米国に石橋凌を引っ張って来させる為なんですね。
ジョン・ローンはローグに殺されちゃうんですが、ジョン・ローンにも配偶者と娘がいました。ローグはその娘を見て意味深な顔をするんです。石橋凌がローグに復讐されない為にジョン・ローンの家族も皆殺しにしろって言うわけですが、ローグがそれを無視して逃がした件から、もうローグの正体は確信を持って、ジェイソン・ステイサムの元相棒やなぁというのがわかりました。
あ、ばらしちゃった。ついでに、ジェイソン・ステイサムが悪者なんですよ、実は。元相棒の情報を三年前に石橋凌に売っちゃったんですね。それで当時石橋凌に雇われてた元祖ローグが顔面撃たれた復讐に赴くんです。そのことでジェイソン・ステイサムは悩んだりするんですけど、この辺りの描写がいまいちなんです。ミスリーディングさせないとっていう足枷があったからなんですが、ここは重要なポイントなんでもう少し上手く描かないと駄目ですね。
顔をいじるスペシャリストのところでも、三年前にいじったおっさんはローグの存在に怯えながらも生きている。それ以前の顔をいじった奴はワニに喰われたりして死んでいるっていうところは、一応三年前のローグはもう元祖じゃなかったから殺されなかったよってことなんかなぁ。ここなんかはミスリーディングさせようとして失敗している一番わかりやすいところじゃないでしょうか。
デヴォン青木は相変わらずブ(ピー)やったけど、佇まいはええ感じやと思います。ジェイソン・ステイサムも日本語を話す場面があるのですが、これはもうイントネーションがおかしすぎて笑えるのですが、デヴォン青木のは流暢なんですよね。多分吹き替えやと思うけど。口の動きは合ってたように見えましたけど。欲を言えば、もうちょっと話に絡んで欲しかったですね。
日本のヤクザが話す言葉は、イントネーションとかはまぁ問題ないやろっていうレベルなんですが、発する台詞がおかしいんですよね、全体的に。そこは笑うところなんでしょうけれども(←違うと思うよ)。
ケイン・コスギはなんか勿体ない使い方されてましたね。もっと、りんちぇやジェイソン・ステイサムとアクションで絡んで欲しかったですね。りんちぇとのアクション場面もあるにはあるけど短いっすよ、あれじゃ。デヴォン青木と一緒に出てるからいつなんちゃって忍者スタイルになるかと思ってしまいましたよ(しかもアクション監督は同じなんですよね?)。
石橋凌は結構美味しい使われ方だったと思います。りんちぇとも戦えたし(大半はスタントでしょうけど)。存在感もあったし。フェイクのラスボスとしても機能してたし。
ジェイソン・ステイサムの相棒が殺された場面でのジェイソン・ステイサムの見せ方を、ステレオタイプかもしれないけど、もっと激情させて、この事件が原因で妻子とも別れましたという設定にしておけば、よくあるパターンではあるのですが、逆に目を眩ませてミスリーディングをもっと簡単に出来たんではないかと思いました。
映像的にちょっと凝ったこととかありましたが、単純に見せていいところとかのバランスが今後の課題じゃないかな、この監督は。まぁ色々勉強になったと思うし、以外と手堅いところもあったりして、これから伸びるかもしれませんね。
先にも書きました、ジェイソン・ステイサムの描写がちょっとおざなりなんが残念ですね。パンフレットを見ると、ローグの役でりんちぇを想定して脚本が書かれたらしいので、りんちぇの方に比重が置かれてしまうのは仕方がない部分ではあるかもしれません。
上手いなと思ったのは、復讐劇でジェイソン・ステイサムが主人公のように見せてたのに(序盤はそういう動かし方をしてます)、いつの間にかりんちぇが主人公(元々そうなんですけどね)になっているっていう演出です。自然にチェンジしたかのようになってます。最後のジェイソン・ステイサムがりんちぇに真相を告白するところでは、完全にジェイソン・ステイサムはラスボスと化してますしね。
総評としては、おバカ映画ではあるけど、惜しい映画だったと思います。
りんちぇはこういう陰のある役が似合うよなぁ。ただ、肌荒れが酷くなってきてるけど、もう四十路中盤なんですよね。しゃーないっすよね。
あ、元祖ローグは恐れられてるわりには、現ローグ(元相棒)に二回もやられてるわけで、案外大したことなかったのね。