木全賢のデザイン相談室

デザインコンサルタント木全賢(きまたけん)のブログ

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流線形(ストリームライン)

2009年12月01日 | 工業デザインとは(相談室)
<ノーマン・ベル・ゲデスのモーターカー>


◆流線形(ストリームライン)
64:【デザイン相談室】第64発


 こんにちは!
 デザインコンサルタントの木全(キマタ)です。一般の方に向けて工業デザインのエッセンスについて書いたり、デザイナーとの付合い方などについて書いています。御相談がありましたら、コメントをくださいね。コメントによるご質問には基本的に無料でお答えいたします。

 木全の自己紹介

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工学が起源の流行

 様々なデザインの流行は、ほとんどが建築や絵画やファッションを起源としていますが、それらの中で唯一、流線形(ストリームライン)は工学と工業デザインが起源の流行です。

 流線形は一九三〇~四〇年代のアメリカで隆盛を極め、ほとんどすべての工業製品が流線形の洗礼を受けました。

 流線形は形だけの流行ではありません。流体工学の発達により風洞実験が行われ、航空機や潜水艦は流線形にするとスピードと安定性が増し、燃費が向上することが科学的に証明されました。機能主義的な時代風潮とあいまって、流線形はモダニズムとダイナミズムの象徴として一世を風靡しました。

 一九三〇~四〇年代のアメリカで、流線形は工業デザインと同義語になるほどの隆盛を極め、鉛筆削りから機関車まで流線形が採用され、ある柩メーカーは柩を流線形にするようデザイナーに依頼したという逸話も残っています。


永遠のデザインモチーフ

 流線形はアメリカだけでなくヨーロッパのデザイナーも触発し、より洗練された造形を作り出しました。

 一九四七年にピニンファリーナがデザインしたチシタリア202クーペは、革新的技術と流線形を取り入れた優美なデザインで、その後のカーデザインに多大な影響を与えました。

 クーペの原型チシタリア202や旅客機の原型ダグラスDC3、それらはすべて流線形からはじまりました。

 科学的に性能の裏づけを持つ流線形は流行を超え、これからも永遠にデザインモチーフとして使われていきます。 



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