木全賢のデザイン相談室

デザインコンサルタント木全賢(きまたけん)のブログ

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アール・デコ様式

2009年09月08日 | 工業デザインとは(相談室)
<マンハッタンのクライスラービル>


◆アール・デコ様式
62:【デザイン相談室】第62発


 こんにちは!
 デザインコンサルタントの木全(キマタ)です。一般の方に向けて工業デザインのエッセンスについて書いたり、デザイナーとの付合い方などについて書いています。御相談がありましたら、コメントをくださいね。コメントによるご質問には基本的に無料でお答えいたします。

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アール・デコ様式

 以前「工業デザインと流行」の話をしました。

 商品デザインは、人間が考えるものですから、もちろん、時代時代の人々の流行や嗜好に寄り添っています。時代をさかのぼるといくつか代表的なデザインの流行があります。

 しばらく、工業デザインと流行について書いてみようと思います。

 前回、19世紀の工業化社会になったときに生まれたアール・ヌーヴォ様式について書きました。今回は1920年代にアメリカを中心に生まれたアール・デコ様式です。


 20世紀に入って、合理的な経済中心の工業化社会が急速に発展していく中で、まだまだ職人の手仕事が中心であったアール・ヌーヴォの耽美的な過剰装飾は時代にそぐわないものになっていきました。

 アール・ヌーヴォのような古典的装飾デザインと、新生のモンダンデザインの橋渡しとして、1920年代にアメリカを中心に生まれたのがアール・デコ様式でした。

 アール・デコは、そのような特別な時代だからこそ生まれた、装飾性を否定するモダンデザインと人が本来持っている装飾への欲求への見事な解決策と見ることができます。

 アール・デコは、シンメトリーと直線と単純な幾何学的形体をとり入れた、手作り感を抑えた装飾様式です。素材には当時新素材だったプラスティックやガラスや金属を使い、ハイテクイメージを演出し、モチーフには抽象化された女性像がよく使われました。

 アール・デコもそれまでの装飾様式と同じく建築やファッションや工芸品で大流行しました。アール・ヌーヴォでは、そこにポスターなど大量印刷の商業広告が加わり、アール・デコでは、大量生産の工業製品が加わりました。そういう意味で、工業デザインの最初の流行はアール・デコだということができます。

 まだ人々が夢を見ることができた時代の懐かしさやモダンデザインと相性のいい装飾性など、今の商品にも応用可能な装飾様式です。

 アール・デコは、プラスティックと同じ時代に生まれてきた様式であるため、プラスティックの素材感が似合う装飾様式でもあります。


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