木全賢のデザイン相談室

デザインコンサルタント木全賢(きまたけん)のブログ

中小企業のデザインのお悩み、なんでもご相談ください!!

「デザインがわかる」簡単な方法

2012年08月28日 | 工業デザインとは(相談室)



◆「デザインがわかる」簡単な方法
86:【デザイン相談室】第86発


 こんにちは!
 中小企業のデザインコンサルタントの木全(キマタ)です。
 中小企業の方々に向けて工業デザインのエッセンスについて、毎週更新してお知らせしています。

 中小企業のデザインのお悩み、なんでもご相談ください。
 designsoudan★goo.jp(★を@に)

 木全のデザイン実績
 木全のデザインセミナー実績

 墨田区「無料商工業アドバイザー派遣」 ※墨田区に事業所のある方限定。



 昨年から平日ほぼ毎日一言ずつ、ツイッターでつぶやく事にしました。
 よろしければ、フォローしてやってください。
http://twitter.com/#!/kimatan0313



本を書いていて改めて考えました

 現在、工業デザインの本を書いています。

 一般のユーザーをターゲットに、「工業デザインをもっともっと面白がって、楽しんでほしい」をコンセプトに執筆を進めています。

 今回は、ターゲットイメージを明確にしています。
 自分の母親に話すつもりで書いています。
 
 この本が完成した暁に、自分の母親に読んでもらい「工業デザインって面白いね」と言ってもらうことが目標です。

 ですので、書きながら、これならわかるかな?どういう言い方をすれば伝わるかな、と思いながら書いていて気が付いたことがあります。

 デザイナーだからかと思うのですが、自分には「デザインがわからない」という感覚がないことがわかってきました。

 自分にとってデザインについて好き嫌いはあるけれど、わかるとかわからんとか、そういう対象ではないのです。

 ということで、今回は「デザインがわからない」と人がいうときの「デザイン」って何?という話題です。



「デザインがわからない」の「デザイン」って何?

 なんのことだか、わかりにくいですね。
 少し言葉遊びをしてみます。

 「料理が好きだ」
 「歌が好きだ」
 「デザインが好きだ」

 などというときの「料理」や「歌」や「デザイン」には、具体的なイメージがあるように思います。

 たぶん、このあと会話が弾むはずです。「料理」であればこんな会話になることでしょう。

 「料理を食べるのが好きなのか、作るのが好きなのか、」
 「中華、フレンチ、イタリアン、日本食、どれが好きなのか、」
 「お酒を飲みながらの会食が好きなのか、一人でゆっくり食べるのが好きなのか」

 それは、きっと「歌」でも「デザイン」でも同じです。
 何かを好きだとか嫌いだとかいうときは、ある程度具体的なイメージがあるように思います。

 それに対して、次のようなセリフにはたぶん、具体的なイメージがありません。

 「料理がわからん」
 「歌がわからん」
 「デザインがわからん」

 「料理」、「歌」、「デザイン」、それらを全部ひっくるめて「わからん」といってしまうと、会話を拒否しているように感じます。

 「料理がわからん」とはどういう意味でしょうか?
 「歌がわからん」とはどういう意味でしょうか?

 たぶん、この言葉には意味がありません。

 同じように

 「デザインがわからん」という言葉にも意味はないのだと思います。



「デザインがわかる」簡単な方法

 では、それでも多くの人が、「デザインがわからん」と簡単に言ってしまうのは、なぜか?

 それは、やはり、「料理」や「歌」に比べて、「デザイン」の経験が圧倒的に不足しているのだと思います。

 ネパール料理をたべたことがなければ、ネパール料理はわかりません。
 聴いたこともない昔の歌はわかりません。
 年寄りが最近の歌はわからんというのも一緒です。でも、昔の歌は「わかる」のです。

 何が違うかといえば、経験の回数の差です。

 デザインがわかるようになるために必要なのは、製品の「歴史」を知り、開発者の「意図」や「想い」について想像力を働かせることです。

 製品の歴史や意図を知るなんて、興味もないのにそんな時間は取れないと思うかもしれませんが、これが意外と簡単で、はじめると面白いものです。
 
 専門書や入門書を読む必要もありません。(もちろん、読んだほうがいいですが)

 数か月に1度、家電量販店内を数時間かけてゆっくり回るだけです。何も買わなくてかまいません。

 ただ一つお願いしたいのが、気になる製品があったら手に取ってください。必ず触ってください。触れば記憶に残るからです。

 年に数回家電量販店で気になった製品に触れる。年間で数時間、それを2~3年続ければ、製品の背後の歴史や意図を感じることができるようになります。

 お金のかからない暇つぶしだと思いますし、デザインがわかるようになるのは、決して嫌な気分ではありません。是非試してみてください。



 新書「デザインにひそむ<美しさ>の法則」(第4版)好評発売中
 「売れる商品デザインの法則」(第2版)好評発売中
 新書「中小企業のデザイン戦略 」(PHPビジネス新書) 好評発売中
 新書「売れるデザインの発想法」(ソフトバンククリエイティブ新書)好評発売中
 新書「マインドマップ デザイン思考の仕事術」(PHP新書)好評発売中


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。