木全賢のデザイン相談室

デザインコンサルタント木全賢(きまたけん)のブログ

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デザイン思考の心構え

2010年03月30日 | 工業デザインとは(相談室)
<『デザイン思考の道具箱』奥出直人教授著>



◆デザイン思考の心構え
66:【デザイン相談室】第66発


 こんにちは!
 デザインコンサルタントの木全(キマタ)です。一般の方に向けて工業デザインのエッセンスについて書いたり、デザイナーとの付合い方などについて書いています。御相談がありましたら、コメントをくださいね。コメントによるご質問には基本的に無料でお答えいたします。

 木全の自己紹介

 ★デザインセミナー講師も承ります。「講演.com」


 ★横浜市「無料デザイン相談」 ※横浜市に事業所のある方限定。

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「マインドマップ デザイン思考の仕事術」新発売!

 今月は、拙書の宣伝月間にさせていただきます。

 昨年10月の新書「中小企業のデザイン戦略 」(PHPビジネス新書) 、12月の新書「売れるデザインの発想法」(ソフトバンク新書)に引き続き、 新書「マインドマップ デザイン思考の仕事術」(PHP新書)が3月16日に発売されました!!

 今回の本は、最近はやりの発想法(記憶術)である「マインドマップ」と、デザインの二つについて書いています。

 新書ですが、カラーページが32ページもある豪華な仕様になっています。


 新書「マインドマップ デザイン思考の仕事術」(PHP新書)のテーマは、一般の方に、「デザイン思考」と「きれいなマインドマップのかき方」をお伝えすることです。

 多分、マインドマップよりも「デザイン思考」のほうがマイナーじゃないかと思います。

 そこで、拙書の中から「デザイン思考」について書いた部分の一部をご紹介して、「デザイン思考」の概要をお伝えしようと思います。


 アマゾンで購入できます。

 新書「マインドマップ デザイン思考の仕事術」(PHP新書)



デザイン思考の心構えとは何か?

前回「デザイン思考の方法論」をご紹介しましたが、そのシンプルな方法論の、どこで「デザイン」を生み出す具体的手法があるのかを、正確に説明するのは難しい。デザイナーの暗黙知や経験知であるデザイン思考を伝えるのは難しいというお話をしました。

それだけでも、なんだか、雲をつかむような話ですが、さらに、奥出直人教授は「デザイン思考の道具箱」の中で、方法論を形だけ実践してもよい結果を得ることはできないと指摘し、デザイン思考の方法論を実践して創造的解決を生み出すためには、次の三つの心構えが必要だと書いています。

この心構えのほうが重要かもしれません。奥出教授は、優秀なデザイナーは次の三つを完全に身につけていると指摘していますが、この三つの心構えを持っている人間のことをデザイナーと呼ぶのだと思います。この心構えを持った人間が、デザイン思考の方法論を実践したときにはじめて、創造的解決が生まれるのです。


●デザイン思考の心構え

1◆経験の拡大


ユーザーの横で観察するだけではなく、ユーザーと同じ立場に立って、観察者自身の生きた経験を通して重要なことを感じる力のことであり、観察者自身が自らの経験を拡大させるつもりでフィールドワークに臨むこと。意味のある細部に気づき、ユーザーの経験を自分の経験のように、自然に仮説やシナリオに昇華できる心構え。

2◆プロトタイプ思考

「まず作って考える」ことであり、短時間でたくさんのプロトタイプを作って、頭で考えるのではなく手で考えること。頭で考えたコンセプトと手で作り出すプロトタイプは、物理学の理論と実験のような緊張関係にあり、たくさんのプロトタイプを作ることこそが、コンセプトを補完し練り上げ、最終成果物の完成度を上げる最短で最良の方法だと確信し、プロトタイプ制作を楽しむ心構え。

3◆コラボレーション

一人ではなくチームだからこそ、創造的解決が生まれるのだと確信し、そのようにチームを運営する心構え。チームにおいてコミュニケーションを円滑に行うためには、全員が同じ目的意識と切迫感を持ち、一緒に作業できる環境を整備し、顔を合わせないときも同じリズムのなかで仕事をしていると感じられるような時間感覚を演出すること。


この説明もわかりにくいところがあると思いますが、実践はきわめて簡単だと奥出教授は書いています。経験の拡大とは、ユーザーのところに行って、2時間程度ユーザーと同じ経験をして、疑問点を質問することであり、プロトタイプ思考とはまず1時間で20個の立体の試作(プロトタイプ)を作ってみることであり、コラボレーションとは共同で作業する時間を作ることです。

暗黙知や経験知を体得するには、とにかく、右の心構えを肝に銘じて実践するしかないのです。それも、遊び感覚で楽しみながら実践することが大切です。


 拙書では、デザイン思考の方法論と心構えを前提とした「デザイナーの暗黙知や経験知」を追体験していただけるようにしています。

 ご興味がありましたら、是非、ご購読ください。


 アマゾンで購入できます。

 新書「マインドマップ デザイン思考の仕事術」(PHP新書)




『マインドマップ デザイン思考の仕事術』の目次


はじめに  木全賢

  デザイン教育の現場で
  ビジネスと教育の現場で
  デザイン思考とひらめきの現場

第一章 デザイン思考とマインドマップ

  デザインとはなにか?
  デザイン思考の方法論
  楽観性がデザイナーの資質
  仮説思考
  きれいなマインドマップ

第二章 マインドマップのバージョンアップを目指す

  目標はバージョンアップ
  マインドマップのかき方を「理解」する
  インタビュー対象者の見つけ方
  きれいなマインドマップが本書のきっかけ(木全の体験)
  五〇〇〇枚のマインドマップ(松岡の体験)
  マインドマッパーの体験談
    湯浅恭史さん(団体職員)の体験談
    木村祥子さん(会社員)の体験談
    澤井大輔さん(会社員 デザイナー)の体験談
    大田知美さんの体験談
  きれいなマインドマップを「観察」し、ニーズを探る
  潜在ニーズを「視覚化」する

第三章 事例で学ぶデザイナーズマインドマップ

  アーキタイプ(元型)とひらめきの瞬間
  「評価」の範囲
  アイデアを発想してまとめたい場合① 計画立案(一年の計)
    セントラル・イメージ
    メイン・ブランチ
    最後に出てきた言葉
  アイデアを発想してまとめたい場合② 書籍執筆
    全体像のマインドマップ
    最後に出てきた言葉
    ジャンケンと握手と巻物(アーキタイプ)
  混乱した状況を解放へと向かわせたい場合① もやもやの解消
    「もやもや」のセントラル・イメージ
    メイン・ブランチ
  混乱した状況を解放へと向かわせたい場合② コーチング
    セントラル・イメージ
    コーチングのメイン・ブランチ
    コーチングのその後
  ノート術として使う場合 講義録
  コンセプトと商品に温もりを与える

第四章 きれいに仕上げる簡単なかき方

  アーキタイプのブラッシュアップ
  セントラル・イメージ ブランチ 手直し
  アイデア発散のセントラル・イメージ
    ヒトのセントラル・イメージ
    自然物のセントラル・イメージ
    人工物のセントラル・イメージ
  不安解消のセントラル・イメージ
  セントラル・イメージにかける時間
  メイン・ブランチの本数と伸ばし方
  きれいに仕上げる最適解

第五章 ビジネスで使えるマインドマップ

  DMBテンプレート(五枚バージョン)
    DMBテンプレート①【目的】
    DMBテンプレート②【関係者】
    DMBテンプレート③【状況】
    DMBテンプレート④【自分】
    DMBテンプレート⑤【方針】
  商品化に必要な調整能力
  ターゲットペルソナの再設定
  キャッチコピーの検討
  DMBマインドマップ(一枚バージョン)
  DMBマインドマップの取扱説明書
  DMBマインドマップの使い方

第六章 マインドマップが仕事を楽しくする

  デザイン思考が連帯感を育む
  工業デザインとはまわりを巻き込むこと
  きれいなマインドマップがまわりを巻き込む
  DMBマインドマップでまわりを巻き込む
  マインドマップが仕事を楽しくする
  マインドマップ導入事例(デザイナー編)
  マインドマップ導入による職場での活用
  デザイン思考を導入する際の留意点(失敗する覚悟)
  マインドマップを導入する際の留意点(導入にかかる時間)

おわりに   松岡克政


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 新書「デザインにひそむ<美しさ>の法則」(第4版)好評発売中

 「売れる商品デザインの法則」(第2版)好評発売中

 ★新書「中小企業のデザイン戦略 」(PHPビジネス新書) 好評発売中

 ★新書「売れるデザインの発想法」(ソフトバンククリエイティブ新書)好評発売中

 ★新書「マインドマップ デザイン思考の仕事術」(PHP新書)新発売!



 ■ビートップ・ツー  工業デザイナーの転職アドバイザー

 ■グローバルテクノロジーデザイン  クリエーター・エンジニアの転職アドバイザー

 ■MATSUKATU dot com  元工業デザイナー松岡克政さんのマインドマップ基礎講座




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