木全賢のデザイン相談室

デザインコンサルタント木全賢(きまたけん)のブログ

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マジックナンバー 7±2

2009年03月31日 | 人間工学と認知科学(コツツボ)
<アテネのアクロポリス広場(右上)とローマのサンピエトロ広場>


◆マジックナンバー4±1 (マジックナンバー①)
289:【デザインのコツ・デザインのツボ 100連発!】第89発 デザインワーク


  こんにちは!
 「工業デザイン相談室」木全(キマタ)です。一般の方に向けて工業デザインのエッセンスについて書いたり、デザイナーとの付合い方などについて書いています。御相談がありましたら、コメントをくださいね。コメントによるご質問には基本的に無料でお答えいたします。

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マジックナンバー その1

 昨年、モノマガジンを発行しているワールドフォトプレスのムック「デザインがわかる6号」に書いた記事を、数回に別けて転載します。

 ムック「デザインがわかる」誌上では、たくさんの写真で実例を示しながら説明しています。残念ながら、このブログではそれは難しいです。

 ご興味がおありでしたら、ムック「デザインがわかる6号」をご購入ください。 

 ムックにあわせて文体が普段と違います。その点、ご了承ください。


マジックナンバー7±2

 マジックナンバーと言うと、すぐに思いつくのが、プロ野球ペナントレースの後半戦に点灯する数字だ。

 マジックと略し、残り試合内で自力優勝するために勝たなければならない試合数のことだ。プロ野球以外の競技やゲームでも使われているらしい。

 建築の世界にも、マジックナンバーがある。ヴィクター・パパネックは「地球のためのデザイン」の中で、異なる時代、様式、文化を越えて広場の長軸の長さはほとんど同じだと指摘している。

 アテネのアクロポリス(140m)
 ローマのサン・ピエトロ広場(133m)
 パリのヴァンドーム広場(131m)
 ヴェニスのサン・マルコ広場(129m)

 これは、約135mまでなら、性別、姿、歩き方、服の色などで個人を識別できるからだそうだ。人間の身の丈に合った数字、それがマジックナンバーだ。

 製品デザインにおいて使われるマジックナンバーは、認知心理学の先駆けとなったアメリカの心理学者ジョージ・ミラーが一九五六年に発表した「マジカルナンバー7±2・我々の情報処理能力の限界」という論文に基づいている。

 その論文で、ミラーは人間が短期記憶できる「チャンク(かたまり)」の限度は7±2だと発表し、それから「マジックナンバー」という言葉が、いろいろな分野で使われるようになった。

 半世紀も前のこの論文は、現在でも認知科学史上の重要文献トップ10にも選ばれる「凄い論文」だといわれている。

 マジックナンバーはそれほど画期的な概念なのだ。

 今世紀に入り、2001年にはネルソン・カウアンが「短期記憶における魔法の数字4・脳の記憶能力の再考」という論文で、マジックナンバーは4±1だと修正している。

 いずれにしろ、人間が一度に認識できる情報量は意外と少ないのだ。それがわかっていると日常の暮らしの中でも役に立つ。


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