
<吉永機械株式会社のVIツリー>
◆VIって何?(その2)
258:【デザインのコツ・デザインのツボ 100連発!】第58発 モダンデザイン
こんにちは!「工業デザイン相談室」の木全(キマタ)です。デザイナーの実像・デザイナーとの付合い方・デザイナーとのトラブル回避法など書いていきます。御相談がありましたら、コメントをくださいね。
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「売れる商品デザインの法則」 発売中
記事の目次
デザイン相談室の目次 デザインの考え方と運用について
デザインのコツ・ツボの目次 商品企画とデザインワークについて
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【近況】川崎総合科学高校で講師をしました
先週12月12日(水)と今週12月17日(月)に、川崎市にある
川崎総合科学高校のデザイン科で、デザインセミナーをしてきました。
今教えている専門学校桑沢デザイン研究所の学生達も、みなかわいいのですが、高校生はもっとかわいかったです。どちらも自分の娘達より年下ですから、当たり前ですよね(笑)。
満員の教室は、ただでさえ室温が高くなるのに、おまけに昼食後の昼下がり、眠くなるのは当たり前。そこで、あどけなさが残る彼らに工業デザインの理念みたいな講義をしてしまったので、全員安らかに眠ってしまうのではないかと思ったのですが、意外と聞いてくれている学生が多く、ちょっと安心しました。
講義のあと、数名の学生が、私の元まで質問に来てくれました。もしかしたら、この中から未来の工業デザイナーが生まれたりして。悪い道に誘ってしまったかも(苦)。
中小企業のおじさん向けのセミナーもいいですが、たまにはこういうセミナーも楽しいです。
■VIはアプリケーションが大事
さて、前回に引き続き、最近のお仕事を例にVI(ビジュアルアイデンティティ)の話をします。前回は中小企業のVI開発には『従業員の目線でのデザイン開発』が大切だという話をしました。
今回は、実際の開発にあたって、大切なことをお話します。
バブルの頃に大手代理店が、企業のCI開発を数百万円ワンパッケージで請け負っていたことがあります。その頃のCIは、企業理念を整理して「ロゴマーク」を決め、「名刺・便箋・封筒・会社案内」をデザインしたら、それでおしまいというパターンが多かったように思います。
しかし、それでは明らかに片手落ちです。ましてや、『従業員の目線でのデザイン開発』なんてできません。
新しくなったロゴマークが実際にどのように使われているのか?
「名刺・便箋・封筒・会社案内」だけではないはずです。それも大事ではありますが、顧客が日常的に目にするのは、看板や製品や伝票や取扱説明書のほうが多いのではないでしょうか?
例えば、中小企業の場合、特に客先は大手企業である場合が多く、大手企業の意志決定者が真剣に見るのは「名刺・便箋・封筒・会社案内」ではなく、彼らが毎月決済しなければならない見積書や納品書や請求書です。
企業がVIを行い、これからもっと頑張ることを最も伝えたいのは、顧客である大手企業の意志決定者であるはずです。であれば、「名刺・便箋・封筒・会社案内」より、「見積書・納品書・請求書」などの伝票類のほうが、重要なのではないでしょうか?
VIを導入する企業にとって、名刺・便箋・封筒・会社案内や看板や製品や伝票や取扱説明書などのどこでもっともアピールしなければならないか、そしてそれらの整合性をどのように取るのか、と言うことが、VI開発の上での、もっとも重要なポイントになります。
というわけで、基本のロゴマークがカッコいいこともとても大切ですが、そのロゴマークが看板や製品や伝票や取扱説明書などにおいて、実際にどう使われるのか、実は、そちらのほうが、VI開発にとっては重要です。
名刺・便箋・封筒・会社案内や看板や製品や伝票や取扱説明書など、それら具体的で個別のデザインを「アプリケーションデザイン」と呼んでいます。
つまり、VI開発においてはアプリケーションデザインが大事なのです。
■ヘルメットと図面と製品でカッコイイ
吉永機械株式会社の場合、現地調査や社員のアンケートを通して見えてきた、もっとも大切な要素は、「ヘルメットと図面と製品」でした。その3つの要素で最も映えるようなデザインにすることが、吉永機械にとってVI開発の要でした。
しかし、これはなかなか難しい注文でもありました。
ヘルメット正面 「シンボルマーク」でないと目立たない
ヘルメット側面 「吉永機械」であることを明示したい
図面 図面の社名表示スペースは極端に横長
製品 いろいろな形があり、大型機械も多いので視認性も必要
なおかつ吉永機械の製品であることを明示したい
このような本音の注文は、半年くらいじっくり腰を落ち着けて、取り組まないと、見えてきませんし、解決策も浮かびません。
吉永機械の場合は、少し変則なのですが、上の図の左側で示したようにロゴマークを以下の3タイプ持つことにしました。
コーポレートシンボル
英文サブロゴマーク
和文サブロゴマーク
この3つのロゴマークに「社名ロゴタイプ」を加え、場合によって使い分け、全体での統一感を崩さないようにしました。
ヘルメット正面 コーポレートシンボル
ヘルメット側面 和文サブロゴマーク
図面 英文サブロゴマーク
製品 和文サブロゴマーク(コーポレートシンボル)
ロゴマークは企業にあわせて開発するものです。VI開発は、その企業が使いやすいように、どのような場面でも、かっこよく見えるように考えなければなりません。
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258:【デザインのコツ・デザインのツボ 100連発!】第58発 モダンデザイン
こんにちは!「工業デザイン相談室」の木全(キマタ)です。デザイナーの実像・デザイナーとの付合い方・デザイナーとのトラブル回避法など書いていきます。御相談がありましたら、コメントをくださいね。
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【近況】川崎総合科学高校で講師をしました
先週12月12日(水)と今週12月17日(月)に、川崎市にある
川崎総合科学高校のデザイン科で、デザインセミナーをしてきました。
今教えている専門学校桑沢デザイン研究所の学生達も、みなかわいいのですが、高校生はもっとかわいかったです。どちらも自分の娘達より年下ですから、当たり前ですよね(笑)。
満員の教室は、ただでさえ室温が高くなるのに、おまけに昼食後の昼下がり、眠くなるのは当たり前。そこで、あどけなさが残る彼らに工業デザインの理念みたいな講義をしてしまったので、全員安らかに眠ってしまうのではないかと思ったのですが、意外と聞いてくれている学生が多く、ちょっと安心しました。
講義のあと、数名の学生が、私の元まで質問に来てくれました。もしかしたら、この中から未来の工業デザイナーが生まれたりして。悪い道に誘ってしまったかも(苦)。
中小企業のおじさん向けのセミナーもいいですが、たまにはこういうセミナーも楽しいです。
■VIはアプリケーションが大事
さて、前回に引き続き、最近のお仕事を例にVI(ビジュアルアイデンティティ)の話をします。前回は中小企業のVI開発には『従業員の目線でのデザイン開発』が大切だという話をしました。
今回は、実際の開発にあたって、大切なことをお話します。
バブルの頃に大手代理店が、企業のCI開発を数百万円ワンパッケージで請け負っていたことがあります。その頃のCIは、企業理念を整理して「ロゴマーク」を決め、「名刺・便箋・封筒・会社案内」をデザインしたら、それでおしまいというパターンが多かったように思います。
しかし、それでは明らかに片手落ちです。ましてや、『従業員の目線でのデザイン開発』なんてできません。
新しくなったロゴマークが実際にどのように使われているのか?
「名刺・便箋・封筒・会社案内」だけではないはずです。それも大事ではありますが、顧客が日常的に目にするのは、看板や製品や伝票や取扱説明書のほうが多いのではないでしょうか?
例えば、中小企業の場合、特に客先は大手企業である場合が多く、大手企業の意志決定者が真剣に見るのは「名刺・便箋・封筒・会社案内」ではなく、彼らが毎月決済しなければならない見積書や納品書や請求書です。
企業がVIを行い、これからもっと頑張ることを最も伝えたいのは、顧客である大手企業の意志決定者であるはずです。であれば、「名刺・便箋・封筒・会社案内」より、「見積書・納品書・請求書」などの伝票類のほうが、重要なのではないでしょうか?
VIを導入する企業にとって、名刺・便箋・封筒・会社案内や看板や製品や伝票や取扱説明書などのどこでもっともアピールしなければならないか、そしてそれらの整合性をどのように取るのか、と言うことが、VI開発の上での、もっとも重要なポイントになります。
というわけで、基本のロゴマークがカッコいいこともとても大切ですが、そのロゴマークが看板や製品や伝票や取扱説明書などにおいて、実際にどう使われるのか、実は、そちらのほうが、VI開発にとっては重要です。
名刺・便箋・封筒・会社案内や看板や製品や伝票や取扱説明書など、それら具体的で個別のデザインを「アプリケーションデザイン」と呼んでいます。
つまり、VI開発においてはアプリケーションデザインが大事なのです。
■ヘルメットと図面と製品でカッコイイ
吉永機械株式会社の場合、現地調査や社員のアンケートを通して見えてきた、もっとも大切な要素は、「ヘルメットと図面と製品」でした。その3つの要素で最も映えるようなデザインにすることが、吉永機械にとってVI開発の要でした。
しかし、これはなかなか難しい注文でもありました。
ヘルメット正面 「シンボルマーク」でないと目立たない
ヘルメット側面 「吉永機械」であることを明示したい
図面 図面の社名表示スペースは極端に横長
製品 いろいろな形があり、大型機械も多いので視認性も必要
なおかつ吉永機械の製品であることを明示したい
このような本音の注文は、半年くらいじっくり腰を落ち着けて、取り組まないと、見えてきませんし、解決策も浮かびません。
吉永機械の場合は、少し変則なのですが、上の図の左側で示したようにロゴマークを以下の3タイプ持つことにしました。
コーポレートシンボル
英文サブロゴマーク
和文サブロゴマーク
この3つのロゴマークに「社名ロゴタイプ」を加え、場合によって使い分け、全体での統一感を崩さないようにしました。
ヘルメット正面 コーポレートシンボル
ヘルメット側面 和文サブロゴマーク
図面 英文サブロゴマーク
製品 和文サブロゴマーク(コーポレートシンボル)
ロゴマークは企業にあわせて開発するものです。VI開発は、その企業が使いやすいように、どのような場面でも、かっこよく見えるように考えなければなりません。
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