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同人戦記φ(・_・ 桜美林大学漫画ゲーム研究会

パソコンノベルゲーム、マンガを創作する同人サークル

時間旅行の最終地点 【律氏】

2011年10月05日 | 短編小説


 時間とは、道のりと速さがあれば求められる。いわゆる、中学校でやった計算式だ。時間旅行者とは、つまり、時間という道を旅しているにすぎないのである。
 ――――なんて簡単な話しだったりする。

 夕焼け空には、にじんだ飛行機雲が直線を引いていて。どうやら僕は、懐かしさを感じているらしいのだ。ずっとここにいたいような気さえする。
 公園のベンチの上に。この時代に。彼女のそばに。
 この時代の彼女は、まだ高校生だった。そして、今の僕は四十二歳の中年オヤジ。年齢は変わらないはずだったのに、二十五歳の年の差だ。
 大きな瞳の下にある泣きぼくろが、コンプレックスだと感じていた。僕は、その姿を見るのがとても好きで。良くからかって遊んでいた。
「あの、今日は楽しかったですか?」
「ああ。あのパフェはおいしかったかな」
 この時代にしか存在しない、幻のストロベリーパフェ。
「本当に、未来には苺が絶滅してるんですか?」
 そういえば、君は苺が食べれなくなった時、非常に微妙な顔をして「しかたない。運命ならね」と笑っていた気がする。あの眉の曲げ方は、きっと悔しかったんだろう。
「今のうちにたくさん食べるといい」
「そうですね」
 素直なように、深くうなずいた彼女は、いつか僕に見せてくれたような、白色電灯のような笑顔をしていた。「うわっ、眩しい」こう言えば、君は悪口を言われたと頬を膨らませたものだった。
「未来の話しをもっとしてもらえないですか?」
「君は、僕が時間旅行者というのを信じているのか?」
「はい」
 呆れるくらい純真な子だ。
「そうか。未来は、あまり変わらない。人も世界も。相変わらず、運命を信じたり、現実に目を向けられなかったり、救えない命がたくさんある」
「ロボットとかは、どうなっているんですか?」
「ロボットは、そうだね。僕の生きていた時代には、AIもARも進歩していて、いや、難しい話しだ。それより、僕が質問してもいいかな」
 彼女はきょとんとして、こくりとうなづく。
「僕のことを最初どう思った?」
 僕の真剣な表情に、彼女は異変を感じたのだろう。背筋を伸ばした。
「泣きそうだと思いました。だから、声をかけたんです」
「変な人だとは思わなかったのかい?」
「えっと、たぶん。わかんないんですけどね。おじさんは、私を傷つけないって思ったんです」
 気付いた時に、僕は目頭を熱くしていた。泣き出さなかったのが、奇跡に思えた。
 いや、僕にはもう涙なんて残ってなかったのだろう。そんなものは二十年前に、全て使い果たしてしまったのだから。
「おじさんは、どうしてこの時代に?」
 彼女の瞳は、傾いた。
「…………ある人の未来を守るために来たんだ」
「その人は、おじさんの大切な人ですか?」
「ああ。命よりも、なによりも大切な人だ」
「素敵ですね。その人を守るために、未来からやってくるなんて。ヒーローみたい」
 いいや。僕は、ヒーローなんかじゃない。ただの極悪人だよ。
「さ、もう遅くなってきた。…………帰るんだ」
「え? まだ四時ですよ。それより、もっとこの時代を――――」
「帰れッ!!」
 ひゃと短い悲鳴を上げた少女は、おそるおそるベンチから離れ、小さくお辞儀をすると、逃げ出すように駆けていった。
「…………許してくれ。綾乃」
 僕はラブレターを握って、立ち上がる。
 不意に、とことこと、綾乃が消えた入り口とは違う、もう一つの入り口から誰かの足音がした。
 それは、高校生くらいの少年だった。誰かを探すように、きょろきょろと辺りを見回し、少し落ち込んだようだった。
「綾乃は、ここに来ないよ」
 僕は立ち上がり、驚く表情を見せた少年の目の前に立った。
「西村綾乃はここには来ない。下駄箱に入っていた君のラブレターは、彼女が受け取る前に、僕が抜き取らせてもらった」
「だ、誰だよ、あんた!」
 僕は、背丈もさほど変わらない少年を見おろし、
「君は、今から三年後結婚する。そして、その半年後、君が就職した会社は倒産し、君達夫婦は路頭に迷う。二年間、職を転々とした君は、その頃、とてもイライラしていたのだ。なにが切っ掛けだったのかはわからない。君はついカッとなって投げた灰皿で、妻を殺してしまう。殺人罪で八年間、刑務所で暮らし。それから、君は十七年間、後悔の十字架を背負いながら暮らす。そして、あの事件から二十年後、家庭用のタイムマシンが発売された。君は、何度も時間歩行を繰り返し、彼女が死なない世界を目指した。だが、そんなものはどこにもなかったんだ。そう、どこにも。どんなことをしても、彼女が死ぬ事実は変わらない」
「…………あ、あんた、何を言っているんだ?」
「始めからこうすれば良かったんだ。道を歩く人が、旅をする前にいなくなれば」
 僕は、懐から、サラ金でタイムマシン購入の資金を求め、その余りで買った一発しか銃弾が入っていない黒い塊を取り出す。その筒を、青年の胸に向けた。
「な」
 ――――銃声が鳴り響く。
「ッッッッッッッッッッッうわぁああああああああああああ――――――――――――――」
 風になびく硝煙と、飛び散った血しぶきを浴びて、僕はため息をついた。
 ようやく終わるのだ。ようやく綾乃を救えるのだ。やっと、やっと、やっと。
 青年の声が小さくなっていく。虫の息。
 僕の視界も段々暗くなっていく。虫の息だ。
 ついに、僕は青年の隣に倒れ込んだ。
 青年はもう息をしてなかった。
 僕は消えていく感覚を確かめながら、
「…………………………許してくれ、あや、の」
 そう呟いたのだった。



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 相対性理論が崩れるかも知れない? ので、少しSFチックに。
 ジョン・タイタ―の言っていた世界線構造に近いかな。

 しかし、まさか、自分が生きているうちにこんなことが起こるとは、という感じです。この勢いで、超弦理論や、統一理論の研究を進めていきましょう! がんがれ、CERN! 全世界の物理学者! ホーキング先生!


 境界線上のホライゾンが、けっこうおもしろかった。どこか懐かしい気がすると思ったのは僕だけ?
 H×Hのクラピカ役、みゆきちの声がかっこよかった! 
 キャスト変更の是非はともかくとして、みゆきち最高!
 
 ところで、ロリ枠はいずこ?

サーニャ可愛いよサーニャ10【1966】

2011年10月05日 | イラスト




順調に脱線人生歩みつつある1966です。まともな生活に戻れる気がしませんがなんとかやっていきたいです。
昨日はどうやら天使の日(10月4日)だったみたいで、それを聞いていても立っていられずマイエンジェルを描きました。はい、もちろんサーニャです。間に合いませんでしたけどね…。
本当はこういう事やってる暇なんか無いはずなんだけどなー。今回はかなり短時間で済ませる事ができたしまぁいいか…。

地味にサーニャの記事2桁目突入です。
そんなに描いてたか…。この調子で3桁…いきたいなぁ