「ヨナの物語」 "The Story of Jonah" 4連作
ハンス・ボル(1534-1593)原画
ハンス・コラールトI世(c.1525/30-1580)エングレーヴィング
各140 x 140 mm
「神の手から逃れようとするヨナ」(Holl.70)[1章1-3節]
これににのみ,左下に H. BOL と HC.F.の署名,及びその中寄りに版元の H. V. Luyckの銘がある.また,連作の第一作を示す番号が下方左よりの土の上にある.周囲の円縁にはオランダ語で
"Godt beual Ionas te gaen prediken vroet in die stadt Niniue datse haer souden beteren en keeren tot boet Ost Godt wisse in veerlich daghen tsamen doen vergaen met oneeren Ionas gedacht Gods genade vsoot voor daensicht des Heeren"と書かれている.
ヘブライ人のヨナは預言者(ご存知のように神の言葉を告げる者の意味で予言ではありません)であった.ある日「異教の地アッシリアの都ニオベ(ニムロド王が建てたとのこと)に悪がはびこっているので改心するよう伝えよ」という神の言葉を聴く.異教徒に預言するのを善しとしないヨナは船で逃げ出そうとする.
「海に投げ込まれるヨナ」(Holl 71)[1章15節]
"Als Ionas voor Godt vluchte en te sehepe ginck varen Verhies haer die zee met tempeest der baren Die zee was ongeduerich die schiplieden waren in noot. Vreesden en worpen Ionam ouer boort"
神は嵐を起こしたので,船上の人々は各自の神に祈るが鎮まらず,寝ていたヨナは起こされて,誰のせいかを占う籤引きに当たってしまう.神から逃げてきたことを告白したヨナは,自分の手足を縛って海に投げ入れることを人々に乞う.人々は殺人罪になるのではとためらったが,転覆寸前でやむを得ずヨナの願いを聞き入れて海に放り込んだところ,嵐はやんだ.
神は巨大な魚にヨナを呑み込ませた.
果たしてヨナの運命や如何に!?
旧約聖書のお話なのですね。
ヨナは、どうして神から逃れようとしているのでしょうか。そして、海に投げ込まれて、一体どうなるのか・・・!?
ぜひ、続きを教えて下さい。
夜も眠れません。
詳しいことは後日にさせていただきますが,ディズニー版ピノキオのような運命が待っています.
しかし,ハンス・ボルの構図は遠近感と安定感があり,大魚は当時の地図に出てくる怪魚の様相で,版画家の腕も冴えていますね.