供給不安の後退や締め付け原因か
72年ぶりに試験的に再開されたコメ先物取引が低調だ。
8月8日のスタートから間もなく1か月となるが、出来高は目標を大きく下回り、価格も下落傾向だ。取引の定着と2年後の本上場に向け、試行錯誤が続きそうだ。
コメ先物を扱う東京穀物商品取引所(東穀)は、1日の目標取引量を5000枚(1枚=6トン)に設定したが、目標を上回ったのは8月9日だけで、9月1日はわずか417枚だった。
取引が低調なのは、夏休みの時期で先物業者や商社、流通、生産者などの取引参加が少ないからだ。背景には、「コメの価格が投機対象になりかねないと先物取引に反発している農業団体が、農家などに参加しないように締め付けた」(東穀関係者)面もあるという。
コメ先物を扱うもう一つの取引所である関西商品取引所も同様だ。1日の全取引で、売り手と買い手が同じというケースもあり、「市場が決める客観的で公正な価格とは必ずしも言えない」(大手先物会社)状況だ。
価格も値下がりしている。東穀では取引初日の8月8日、原子力発電所の事故の影響でコメが供給不安に陥るとの見方から買い注文が殺到し、値が付かなかった。その後、主力となる2012年1月渡しで60キロあたりの価格は、9日の初値は1万7280円と、東穀が想定した1万3500円を大きく上回った。だが、コメの供給不安が後退したため値下がり基調が続いている。9月1日の終値は1万5380円だった。
(2011年9月2日
読売新聞)
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