赤ちゃん待ちで、供養についてマイナスイメージを持っている方、過去の辛い記憶が呼び覚まされそうな不安をお持ちの方はスルーしてくださいね
今日も、長文です。。。
私達夫婦にとって、結婚して一番嬉しい日と一番悲しい日が訪れた2009年8月が、昨日で終わりました。
結婚して6年9ヶ月。はっきりした不妊の原因が見つからず、ついに体外受精を決心して、ようやく初めて授かった赤ちゃんは7週で流産。
心拍どころか胎芽すら確認できない状態でのお別れでしたが、受精卵となる前の卵胞のエコー画面の頃に始まり、採卵、受精確認、分割確認、凍結確認、融解、移植とそれぞれの段階で祈り見守り続けてきたのです。
私には「赤ちゃんにすらなっていなかった」とは到底思えず、やっぱり「私達のところに初めてやってきてくれた赤ちゃん」だと感じたので、ひげぴよと相談して、きちんと供養をしてあげる事に決めました。
場所は、ひげぴよとまだ結婚する前、‘紅葉狩り’と銘打ってドライブデートに出かけた事のある、思い出深いお寺。
山の奥から聞こえてくる蝉の鳴き声に混じり、鳥のさえずりも沢山聞こえました。
時折響く鐘の音(参拝者が自由に鐘をつく事ができます)、池に注ぎ込む水の流れの音・・・。
「こんなに落ち着いた静かな場所だとは、前に来た時は気づかなかった・・・。紅葉の頃は駐車場もいっぱいで大賑わいだったね。普段でも、木々の手入れもきちんとされているね」なんて二人で話しながら、静かな気持ちで石段を登って、本堂へ。
水子供養の受付をして、本堂の中に案内されるまで少し待ちました。
本堂に入ると、「お清めのお香」(粉状のものでした)が置いてあり、それを左手でとって身体につけるように書いてありました。
その隣には輪袈裟が置いてあるので、それを首から提げ、般若心経が書いてある紙をいただいてから、座って待つ。
本堂の中は暗く、ロウソクの明かりだけが静かに辺りを照らしていて、荘厳な雰囲気・・・。
私達くらいの年齢のご夫婦が一組、もう少し若いご夫婦が一組、年配のご夫婦が一組、水子供養にいらしてて、先祖供養の方が一組いらっしゃいました。
しばらくすると、お坊さんが塔婆(とうば)を持って入ってこられ、祭壇に捧げました。
お寺から、これから行う供養についてのお話がありました。
供養の時間は、お経がわからないとか、長いとか、家に帰ってからあれをしようこれをしようとかいう雑念は一切考えない事。余計な事を考えると、この場の空気が一瞬にして壊れてしまい、あの子に届かなくなってしまいます。
目をあわすことの叶わなかったわが子の事を思い、どれほど大切に思っていたかを伝え、無事に成仏してくれるように、心の底から一心にお祈りするように。
そうすれば、その気持ちは必ずあの子に伝わります。観音様にもその気持ちは伝わり、あの子を守ってくださいます。そしてあなた方はいつかきっと安らかな気持ちになれるでしょう。私(お坊さん)は一緒にお祈りをして、そのお手伝いをさせていただきます。あなた方が私のお手伝いをするのではなく、あなた方があの子を思うのです。
鼻から大きく息を吸い、口からゆっくりと吐き出します。お寺に満ち満ちている「気」を感じて、ご自分の身体にそれを取り込んで巡らして下さい。お寺とご自分、観音様とご自分、あの子のいる世界とご自分・・・すべてつながっているのです。ゆっくりと静かに心を落ち着けて、あの子のことを考えてください。
こんなようなお話でした。
こうして文章にすると、変な宗教の儀式みたいですが(笑)、何の説明もなくいきなり読経が始まるより、ずっと良かったです。
‘赤ちゃんと、自分の今いる場所は、違うんだ’という事を受け入れて、静かな気持ちでお祈りしようと思う事ができました。貴重な体験でした。
合掌して目を閉じると、読経が始まりました。
赤ちゃんに、伝えたかった思いをたくさんたくさん語りかけました。
途中で、台が回ってきて、お焼香をしました。
今までの人生で何度かしてきたお焼香。
‘お別れ’じゃなくて、‘お見送り’なんだな・・・って思えてきた。
お坊さんのお経が終わると、指示があり、お坊さんに合わせて全員で般若心経を唱えました。
すべて終わってから、塔婆をいただいて、観音様の像があるところに供え、
お水をかけてお参りしました。
一度目のお水はわが子の塔婆に。
二度目のお水は同じように水子となってしまったほかの子供達の塔婆に。
(いわばお隣、ご近所さんです、との事)
三度目のお水は観音様にかけるんだと教えていただきました。
塔婆を納めたことで、ここに来たら会えるんだ、ここにはお友達もいるんだね、なんて思ったり・・・。
‘私の中から居なくなってしまった’と感じていたけど、ようやく‘居場所を見つけてあげられた’ような気がして、なんだか救われたような気がしました。
ひげぴよに、こんなふうに供養させてくれた事について、感謝の気持ちを伝えながら、二人でゆっくり歩いて境内を巡りながら、お寺を出ました。
水子供養にはどうしてもマイナスイメージがあると思うし、私の母も「ほんとにそこまでするの・・・?あまり深刻にとらえない方がいいんじゃないの?」と心配したくらいでしたが、私はお参りして本当によかった。
深い悲しみの中にいると防衛本能が働くのかなぁ・・・。
流産を宣告された日と流産した日はたくさん泣いたけど、翌日からは悲しいはずなのに涙が出なかったり、「実は妊娠したなんて嘘だったんじゃない・・・?」なんて本気で思えてきたりして、自分の心が自分でよくわからなくなったりした時もあった。
だから、「ちゃんと赤ちゃんは来てくれた、でも今は空に還ってしまったんだ」と、受け入れることができた、大切な、そして必要な時間でした。
自宅に帰ってから、懐紙に包んで持ち歩いていた、流産した時の「赤ちゃんの袋」を
庭で燃やして、空に帰してあげることにしました。
二人で火をつけて、お祈りをして・・・。
形はなくなってしまうけど、魂は今日のあのお寺にいるんだねって思えた。
こうして、8月30日、私達の赤ちゃんを見送る儀式を、すべて終えたのでした。
♪初めての赤ちゃんへ♪
忘れる事は決してできないけれど、あなたはたくさんのものをくれました。
私達のところにきてくれて、すごく嬉しかったよ。
本当に、本当にありがとう。
もう、あなたの事で涙は流さない。
あなたに「さすが我が両親!」と思ってもらえるように、支えてくれる人達への思いやりと感謝を忘れずに、夫婦で助け合って仲良く生きていきます。
見守っていてね。
いろいろあったけど、勇気をたくさんもらえた
一ヶ月でした。。。
いつも応援ありがとうございます♪
にほんブログ村
最新の画像[もっと見る]
- ありがとうございました 14年前
- 号泣して喜んでくれた妹 14年前
- 凍結胚について聞いてみた 14年前
- 母子手帳ゲット&助成金申請 14年前
- BT44 不妊クリニック卒業! 14年前
- つわりが軽くて心配… 14年前
- 初期妊婦さん用の雑誌と本 14年前
- 義両親に報告 14年前
- BT36 ついに卒業が見えてきた?! 14年前
- 軽めのつわり症状&マタニティブラ♪デビュー 14年前
お久しぶりです。
だめぴよさんの赤ちゃんはきっと安心してお空に帰ることができたと思います。
赤ちゃんもきっとだめぴよさん夫婦のもとにこれて幸せでしたね。
私も流産した時、水子供養に行きました。
私の場合は、最初子授け祈願で行ったところで
行ったらすぐに妊娠したんですが、
その後流産したので、同じお寺で水子供養を
していただきました。
私たちがした供養は塔婆に私の名前と赤ちゃんが旅立った日を
書いてもらって、水子地蔵のところに置いて
水をかけました。
お坊さんのお経などは頼みませんでしたが、
自分たちで、無事赤ちゃんをお空に旅立たせてあげたなぁ。と思えました。
供養って聞くと、とても辛いことのようだけど、
赤ちゃんを旅立たせてあげるためのもの、
そしてまた戻って来られるために自分たちの気持ちが整理できるもの、
って感じました。
だめぴよサンのベビチャンも無事お空に戻れたと思います♪
そして、今度は強くなったベビチャンがきっと戻ってきてくれると思います。
供養できて、本当に良かったと思います♪
供養してもらって、少しは落ち着いたようで安心しました
私も悲しすぎて、心にぽっかり穴が開いたような感覚に陥った事があります…。
「なんで?どうして?」って言葉ばかりが堂々巡りしてしまって
だけど、供養してもらうと「また会える場所」ができますよね
私はお墓参りももちろん行くけど、旦那の実家のお仏壇にもよく手を合わせてます。
「採卵できたよ」とか「移植できたよ」って、ご先祖様と赤ちゃんに報告するんです
だめぴよさんご夫婦にとっても、そこの神社が「赤ちゃんに報告ができる場所」になってくれますように
残念で悲しいことにはかわりないけれど、これもまた私の人生の1ページ。次のページに進んでいけば、またきっと幸せな出来事が起こると信じています。赤ちゃん、安心してくれたなら嬉しいなやさしい言葉をありがとうございます
♪めーりんさん
めーりんさんも供養をしてあげたんですね。
私も塔婆には私の名前と赤ちゃんが旅立った日を書きました。私はこの子のたった一人のママだったんだなって感じました。
私も供養をして本当によかったし、気持ちの整理がついてホッとできたような気がします。
めーりんさんのようにこの悲しみを乗り越えて、更に大きな幸せを感じられるように、ひたむきに頑張りたいと思います。
あたたかい言葉をありがとうございます
♪風花さん
心が宙ぶらりんだった時期は過ぎたようで、ずいぶん落ち着きました。ご心配おかけしました。ありがとうね
「また会える場所」を作ってあげることができて、本当に良かったです。ご先祖様と同じように、話しかけてあげたいと思います。
私も実家にある祖父の位牌(仏壇は祖母の家にあるので)によく報告します。何が起ころうと見守ってくれている、と信じられる家族やご先祖様の存在は心強いですよね。
また、頑張っていきます