備忘録

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『夢の泪』

2010-05-27 22:57:07 | 国内ミュージカル
辻。主演なのだから当たり前なのだが、思ってたよりもソロ曲・出番あり。そのため、楽日だと既に声は枯れ気味。オープニングのソロはマイクが入らなかったのか、かなり生声。役も角野氏で宛て書きなので、かなり女たらし路線。氏のイメージと大幅に異なり、直ぐに女性に手を伸ばす仕草(演出)に違和感があるものの、これはこれで新鮮。また、妙に髪が多いような、若づくり?同時期に公演中の『ムサシ』再演で何時ものイメージの和尚を演るよりは、こちらの方がおいしい。

三田。かなり、はっきり・すっきりな話し方。きっと、モノローグの多い蜷川演出舞台をメインの役で観たらハマリそう。前回、朗読劇では観ているが、芝居で観るのは初。歌はこまつ座出演ということを鑑みてもイマイチ。やはり、ストレートの人か?

大和田。結構、独特な声。『WIW』のローラの時には感じなかったが、実は少年声かも。メインソロは、マイナー調でかなり不安定な曲のため、一歩間違えると、下手に聞こえる。ただ、とにかく、男性役者とのハーモニーが綺麗。小林氏とも福本氏とも綺麗にハモる。

木場。『裂け目』に引き続き、老け役。ただ、見た目はそれ程でもない。犬塚氏の代わりなのかも知れないが、ちょっと無理があるし、話し始めると何時もの調子なので、゛老゛弁護士には見えない。もちろん、ラストシーンのプルプルさ加減はかなりツボだったが。そして、歌うと目立つ声。ハミングをしてるだけでも目立つし。役のイメージとしては、菊治と交換しても問題なさそう。

小林。これまた、意外に歌う。そして、出番多し。前回の『闇に咲く花』ぐらいの役で、今回も小笠原ぐらいの出番だと思っていたので、かなりびっくり。こうやってみると、『裂け目』で演じた高橋氏の役もイケるのかも。

土居。前回に比べると、本当に歌うだけの役。もちろん、綺麗なハーモニーを効かすが、やはり勿体ない。

春風。こちらは意識して見るのは初。エリザ母のような気がしたが。そして、土居さんとデュエットをしても、負けない。

福本。セリフ廻しに違和感がないだけに、歌は…。大和田さんがそれなりにウマイだけに、その落差が。

石田。相変わらずの美声。音程が取れているのかは兎も角として、あの声で歌われるとやはり惹かれるものがある。


『裂け目』は戦争が全面に出てくる舞台だったが、今回は政治色が強い舞台だった。前回が庶民から見た東京裁判と言う話にたいして、今回は補佐弁護士側から描いた東京裁判。と、いう流れだが、そこは補佐弁護士。もちろん、要所要所に東京裁判の流れは絡んでくるし、秋子が抱える問題は東京裁判絡みだが、庶民的なエピソードが多く、東京裁判三部作品の一つと言われると弱い。また、゛泪゛というキーワードも歌詞の中に時々、出てくるが、タイトルにしては弱い。常に、月の様にバックで照らしている灯りがあるが、あれを゛泪゛に喩えているのか?
東京裁判が米側から押し付けられている裁判に過ぎず、自分たち(国民)が自分たち(天皇)を裁かなければならないというところに行きつくのだろうが、歌の所有権のエピソードや朝鮮人との抗争、それらがあまりメインテーマに関わらないので、散漫なイメージ。
ただ、それを差し引いても、今回から配役されていた目当てキャストの三人がメイン処に配置されていたのが、嬉しい誤算。三部作で、この三人が出るのがこれだけとは本当に残念。

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