備忘録

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『ヴェニスの商人』AUN版 

2011-04-17 13:33:04 | 国内ストプレ
まず、最初にアントーニオが登場し、いきなり唄う。これがかなりの衝撃だった。一幕最後には、客席通路で歌う演出も。

そのアントーニオ。白いスーツに亜麻色に染めた髪とまるでホスト。他にもキリスト教徒(アントーニオ派)は皆様、そんな衣装。ただ、衣装に関しては、アントーニオ派が白、シャイロック派が黒と住み分け。そのため、ジェシカがシャイロックを裏切り、ロレンゾーの元に行くと、白ベースの衣装に。
また、シャイロックも裁判後、白になる。


シェークスピア作品にはメインストーリーの他にサブストーリーがあるが、今回は次の二点。

ジェシカの駆け落ち。
ポーシャの三択。

特に、ポーシャの三択は有名な話だが、間違えた選択肢をする二人のキャラが強烈。アラゴン大公に至っては有り得ないほどのメイク。それも、岩倉氏はこのシーンの後に別役で出演するため、見事に早着替え送り。

また、ラストはアントーニオとシャイロックの対峙で幕。


実は初見なシェークスピア作品。
裁判のオチが大変に有名な作品なので、その経緯を楽しむ作品か?
それでも、吉田氏の吉田氏による座長芝居な劇団感は否めない。というより、この小規模な劇場だと、吉田氏が登場するだけで、全て持っていってしまう。(元々の贔屓目もあるが)

一応、谷田氏も今期の大河出演俳優で、バッサーニオのシーンでも結構目立つが、それでも弱い。

同じことがゲストの横田氏にも。これが当初の出演予定だった、大塚氏なら、若干変わるかも。観劇日の客席に夫婦して居たが何故、休演?大人の事情?バッサーニオの調子の良い友達役で観たかった。

かなり激情型のシャイロックだが、劇団四季で日下@シャイロックになると、どんな強欲ジジイになるのか観たかった。
勿論、平@シャイロックも楽しみなのだが、脇配役にどの辺の役者が来るのかが楽しみな四季版。

もし、二人のシャイロックが観れるなら自由劇場に通うのだが。というか、シャイロック以外にも日下@ヴェニス公爵とか衣装が映えそうなので観たい。

ま、あとは田邊氏と味方氏が何に来るかか?


作品としての内容的感想。
ま、シェークスピア作品として既に存在する有名な作品なので、今更だが、ユダヤ人の一般的評価って…。
短所としては"強欲"だが、裏を返せば"真面目"という長所?

例え阿漕でも、キャラが好きなので、シャイロック寄りで観ていたが、最後、キリスト教に改宗させられる結末とは。

"ユダヤ人"というと、第二次世界大戦時に苦しめられる民族とイメージで、どちらかというと苦しめられる民族というイメージがあったし、最近観たユダヤ人が登場する作品では必ず被害者側。

そのために、ユダヤ人がこういった加害者立場に立つ作品は初めて観たので、ちょっと柄にもなく、民族的特徴について、考えてしまった。

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