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備忘録

舞台の感想を書いています。(ネタばれ有り)Twitterはdacho115。

『二都物語』

2013-07-19 00:27:09 | 国内ミュージカル
*ネタバレ注意



あらすじ

ドクター・マネットのモノローグから始まり、女性の死体とそれに付き添う男性、そこにサン・テヴレモンドが、処刑の命を下す。
マネットの娘、ルーシーは父親を知らないまま、ミス・プロスに引き取られ、成長する。

成長したルーシーの元に、父親の消息が伝えられ、保護されている酒屋に向かう。その酒屋はパリにあり、ドファルジュ夫妻に営まれていた。
最初は、ルーシーに会っても、自分の事を収監番号で呼び、『手紙は何処に?』と錯乱状態のマネット。しかし、段々に記憶を取り戻し、成長した娘と抱き合う。

その頃、サン・テヴレモンドの領内では、横暴な支配が続き、それに嫌気をさしたサン・テヴレモンドの甥、チャールズは家名を捨て、イギリスに亡命しようとしていた。

ロンドンへの帰途で、チャールズとルーシーは出会うが、そこでスパイ容疑を掛けられるチャールズ。
それは、サン・テヴレモンドの差し金であり、部下のバーサッドによって掛けられた無実の罪であった。

それを救ったのは、チャールズと瓜二つの弁護士、シドニーだった。

三人は親好を深め、チャールズとルーシーは婚約を交わす。シドニーも、スカーフをプレゼントされ、ルーシーに対する恋心を自覚するが、時、既に遅く、身を引く。
数年後、チャールズとルーシーには子供も誕生し、平和に暮らしていた。

一方、フランスでは貴族に対する不満がたまり、ある市民の子供をサン・テヴレモンドの乗る馬車にひかれた事で、その不満が爆発する。
ある夜、サン・テヴレモンドが殺害される。

そして、貴族と彼らに使えた人が標的になり、チャールズのかつての使用人にも危険が迫る。

その事を知り、フランスに戻るチャールズ。しかし、捕まり、裁判に掛けられる。

チャールズを追って、マネット親子もフランスに渡り、ドファルジュ夫妻に、チャールズの無実を訴えるが、マダム・ドファルジュによってある手紙が持ち出される。
その手紙とは、マネットの独房から発見された手紙で、マネットがバスティーユに投獄された顛末をマネット自身が書いた手紙だった。

ある女性が貴族に強姦され、虐待され死亡した。その臨終にマネットが立ち会ったのだが、そこに女性の兄が現れ、その貴族に復讐しようと決意する。その貴族こそがサン・テヴレモンドで、兄もまた処刑された。そして、その事実を知るマネットは投獄されたのだった。
また、その手紙には『サン・テヴレモンドの末裔に至るまで、復讐する』という文で締められていた。

そして、その女性の親類こそがマダム・ドファルジュであり、その手紙を悪用して、チャールズを死刑に追い込もうとしていた。



同じパリのある夜、バーサッドとクランチャーが出会う。サン・テヴレモンドの死後、刑務所に出入りして仕事をしているバーサッドはクランチャーに死人が欲しければ、声を掛けてくれ、と言い残し、去る。"世界はまともじゃない Re"

マネット親子を追ってきたシドニーだが、チャールズを助けるてだては思いつかない。
シドニーが夜のパリを歩いていると、クランチャーと出会う。そして、バーサッドの話を聞き、ある案を思いつく。"一か八か"


バーサッドに会い、チャールズのいる独房まで、連れていくように頼むシドニー。そして、潜り込み、チャールズを気絶させ、すり替わり、バーサッドにチャールズを脱出させる。

そして、チャールズの身代わりとして、審問を、判決を受けようとしていた。

一方、バーサッドによって脱獄したチャールズはルーシーとともに、ロンドンに行こうとする。
ジャービスとミス・プロスによって準備が進むなか(ドサクサに紛れ、キスをしたり)、入れ替わりに気づいたマダム・ドファルジュが現れる。
どうしても、サン・テヴレモンド一族を許せないマダム・ドファルジュはチャールズを追って、殺害しようとするが、ミス・プロスともみ合いになり、暴発した銃により、死んでしまう。
そこにドファルジュが現れ、鎮魂歌を歌い、遺体を抱え、消えていく。


処刑は予定通り、決行され、チャールズの身代わりとなったシドニーの出番に。
そして、処刑され、幕。



井上@シドニー
酔いどれ弁護士。かなりのお調子者キャラで、常に懐にはウイスキー入りのスキットル。ルーシーの娘とも、仲が良く、そっちの旦那フラグかと、思ったら、まさかの身代わりに。
まぁ、瓜二つという複製があったので、独房潜入で予想はついたが。

それゆえ、一幕はダミ声な低音域で歌う。その一方で、きかせるナンバーでは、何時もの声楽チック。

浦井@チャールズ
こちらは安定の貴族。ま、立ち振る舞いというか、声がノーブル。
特に、意外ということはないが、普通に美声。


すみれ@ルーシー
大変に訛りというか、歌っても、スカッと抜けない違和感が。

で、カテコのトークで帰国子女な日本語を話し、納得。


濱田@マダム・ドファルジュ
クレジットがこの位置。一幕の出番は少ないので、何故?と思ったら、二幕での立ち位置で納得。

低音域をきかせる役で、かなりインパクトが強い。初演で、この役はオイシい。


橋本@ドファルジュ
妻が目立つため、旦那は地味。
というか、かなり重い役。


今井@マネット
冒頭から投獄なソロ。正直、幕開きで聞くには弱い。
その後、娘とは、ボケ老人からの親子の再会。
白髪ロン毛で、白いユッタリとした衣装のため、投獄17年で痩せていたかは、隠す衣装。
ここでのデュエットでは、ルーシーとのマイクバランスが違いすぎる。

ロンドンの帰路で、ロン毛、マントと何処ぞの族長コスプレ。数年前の年末帝劇『PQ』ですかと。

そこで、チャールズにお父さん呼ばわりされ、一瞬、ムスっとしながらの退場。

チャールズ裁判シーンでは、身繕いをし、傍聴席へ。但し、客席からは後ろ向きで、ポニテ・アピール。判決の進行に従い、パントマイム。

娘の結婚で、新妻の手を取り踊るのかと思ったら、リードするだけ。

婿殿が秘密を打ち明けようとするものの、『何も言うなマリウス』と言わんばかりにワンマンショー。"約束"

婿殿が捕まり、居酒屋で作戦会議からのフランス行き。この辺もパントマイムがメインで数言の台詞のみ。

二幕に入り、婿殿の裁判に乗り込み、マダム・ドファルジュとデュエット。ここで、絶叫系なソロパート有り。"物語"
歌唱後はorzなポーズで、市民にすがりつく切ない系。

孫娘に『お父さんは居ないの?』的に責められ、さらに落ち込みジャービスに介護され、フェードアウト。

出番終了。


一幕、二幕共に、開始10分で歌が終わる省エネ出演。基本、パントマイムを楽しむのみ。

『レ・ミゼラブル』から始まり、『パイレーツクィーン』『ラカージュオフォール』『エリザベート』と東宝系のヒロインの父親路線を引き継ぐ、今作。
とうとう、孫が登場する作品出演(笑)
(『エリザ』のルドルフも孫だけど、同じ舞台上に居ないので、ノーカン)
まだ、『モーツァルト!』のレオポルドが残っているのに。←
ま、あれは男主人公の父親だけど。

また、初日挨拶は、この上のクレジットまでで、橋本氏で終了。



福井@バーサッド
近年、稀に見る舞台占有率。役回りとしては、山路氏と被りそうだが、"すみれの園(但し、男のみ)"に出張中のため、福井氏?


宮川@ジェリー
ちょっと、特徴のあるダミ声なので、目立つ。なのに、ソロパートがあまりなく。

岡@サン・テヴレモンド侯爵
冒頭から、悪役を楽しむ元祖イロモノ役者(吉野氏と東山氏が系譜か?)。
途中、落としたステッキの捌き方が、何処ぞの警部殿を彷彿したり、殺されてベッドに海老反りが、昔、バリケードで取った杵柄。

一幕で死ぬため、二幕は出番無しかと、思いきや、再現シーンで、不死鳥の如く復活。

流石、岡様(笑)


原@ジャービス
何故に蜷川演出常連の役者?と思ったら、歌無しのコメディ・リリーフ。
普通に、『盲導犬』とか『ベニスの商人』とか居そうなのに、なぜ帝劇?

塩田@ミス・プロス
こちらも、ストプレ役者にして、笑い担当な気もしないでもない。

原@ストライバー
まさかのワカハゲ役。もしや、ここもお笑い担当?歌もなかったような…。


谷口@ガスパール
子供を失い、嘆く処でチビソロ。

寺元@殺される若者
多分、過去シーンで、妹を殺される兄。このチビソロが結構良かった。



幕前は原作の1ページ目の英文が投影。

劇中は4枚のパネルを使用し、場面転換や馬車の投影。

こまつ座で似たような演出を観た記憶があるのだが、何の作品だか…。

オチがオチなため、暗い結末だけど、『MA』とは違うタイプの後味感。
とりあえず、ミュージカルというよりは音楽劇を観た感、有り。

独自の演出感は無いが、在り来たり感もない。


楽曲はあまり聞いた事が無いタイプ。アンサンブル曲を繰り返しきくと、耳なじみが良いが、ソロ曲で、残る曲が無い。

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2 コメント

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Unknown (yukitsuri)
2013-07-24 16:24:08
楽しいレポありがとうございます♪ 

U君感想とIさん感想の量の差が((笑))

> 大変に訛りというか、歌っても、スカッと抜けない違和感が。

うわぁ、とってもヒドインな予感。カテコで英語であいさつしたってホントですか?

有名人娘キャスティングの黒歴史、杏 (ファントム再演) よりはまさか上手い、ですよ、ね??
返信する
yukitsuri様 (dacho)
2013-07-28 14:15:54
亀レス、すいません。

ドクターのレポは、一部に需要があるため、
特に、細かく書いてみました。
U氏レポは、I氏レポよりも多いだろうし。

ちなみに、韓国版のドクター役は『ジキハイ』のダンヴァースや
『オペラ座』のピアンジを演じている、方なんですよね。
夏の渡韓では、観れないのが残念です。

ヒロインに関しては、ノーコメントで。
『エニシング・ゴーズ』を観てから判断します。
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