備忘録

舞台の感想を書いています。(ネタばれ有り)Twitterはdacho115。

『リボルバー』

2021-07-18 11:50:11 | 国内ストプレ
テキトーなあらすじ。

『何故、あの時に』と
ひまわりに向かって、
後悔の念を叫ぶゴーギャン。
そして、何かを埋める。

現代。
パリのオークション会場。

日本人の冴は、
オークション会社で働く。

ゴッホとゴーギャンを
専門にしてはいるが、
それに関連するモノを
鑑定する仕事をすることはまだ無い。

ある日、クロエという女性が、
錆だらけの拳銃を競売品として出品。

『これは何か?』と尋ねると、
ゴッホを殺害したリボルバーだ、
と言い、競売に出せるかを聞くクロエ。

一般的に拳銃自殺で、
死んだとされるゴッホ。

その拳銃も、他の美術館に
展示されているのに、何故、
これを?と冴が怪しむと、

『これは、母から預かった』
ものだと、話すクロエ。

クロエの母は、
ゴッホの研究者で、
その伝で、冴も知っていた。

そのクロエの母が死に、
このリボルバーを鑑定に出すクロエ。

冴は、ゴッホの
生い立ちを語り出す。


時代はさかのぼり、
ゴッホの居た時代へ。

ゴッホは酒を飲んでいる。
それでも、生活のための絵を書き、
それを上手く捌く弟のテオ。

テオは一枚の絵を持ち帰り、
それをゴッホに見せる。

それはゴーギャンの作品で、
ゴッホは共同生活を望む。

その口添えをするテオだが、
その前に、ゴーギャンに
リボルバーを『護身用に』と渡すテオ。

そのリボルバーを
見続けるゴーギャン。


2幕。
ゴーギャンとの共同生活は、
すぐに破綻を迎える。

ゴーギャンはタヒチに。
追いかけるゴッホ。

そして、ゴーギャンに刃物を
向けるが、リボルバーで応戦するゴーギャン。

そのまま、取っ組み合いになり、
銃が暴発して、ゴッホに当たる。
それが致命傷になり、死亡。

そして、現代。
『誰がゴッホを撃ったのか?』
これがそのリボルバーなのかは、
分からないが、と断り、
オークションは進み、そして、暗転。


安田@ゴッホ
うーん、声質がイマイチ。
他の役なら良いのかもしれないが、
ゴッホと言われても、あまりイメージと合わない。

ちょっと、ゴッホにしては、
天真爛漫過ぎる声。普通に、
通る舞台声だけに惜しい。

もっと、苦悩に満ちた声。
アーティストな役にしなかったのは、
演出なのか、原作なのか、当て書きなのか。


池内@ゴーギャン
バタ臭い、
ホリの深い役。

ゴーギャンに違和感が無い。

ストプレで観るのは、
初なのかもしれないが、
発声も気にならない。

天才が身近に居る秀才、
ポジションが妙にシックリ。


大鶴@テオ
兄に、天才に振り回される弟。

それは自身が結婚すると、
兄からは見捨てられたと非難。

結構、共依存寄りの演技。
だけど、この関係はそこまで、
クローズアップされない。


北野@冴
現代パートのメイン。

相変わらず、映像向けの
発声だとは思うけど、
まー、歌わないし。

リボルバーの謎の核心に
迫るのかと思いきや、最後まで傍観者。


細田@JP
微妙なポジション。
そこまで目立たないけど、
存在感が無いわけでも無い。


金子氏
その他のモブ役を
一気に引き受ける。

ナニゲに芸達者。


東野@クロエ
本役だけでなく
若者役を一気に。

これも映像系の演技かな。


相島@ギロー
冒頭から客イジリと
なかなかにハードルが高い。

冴がメインになるため、
あまり目立たないし、
脇をしめる訳でも無く。

かなり、無駄使い的な。


行定演出。
映画を見てるような演出。

突然、机が袖から出てきて、
ピンスポが当たったり、
ブレヒト幕の代わりに、
壁が出てきて、場面展開したり。

更に、1幕では過去と現在の
人がすれ違い程度だったのに、
2幕になったら、普通に会話し始めたり。

かなり、メタ的な展開に突入。

これも映像だったら、
違和感なく出来そうだけど、
舞台だと、違和感しか残らない。


ゴッホの象徴とされる向日葵。
劇中では、描かれるモノとしての
向日葵と、実際に枯れた向日葵と。

枯れた原因は、
ゴーギャンの現地妻が、
自分に振り向かない事への、
嫉妬で有ったり(向日葵に当たる)、
根本にリボルバーを植えてたり。

或いは、絵画としての
向日葵をより際だたせるために、
地味にしているのか?

最後くらい、一面の向日葵とか、
視覚的に印象に残る向日葵が、
出てくるかと、思ったけど、それもなく。


やはり、リボルバーに
焦点が当たるようにしたいのか。

冒頭、埋めたのは、
暴発したリボルバーだし、
なぜ、それが出てきたのかは、
現地妻が掘り起こしたからだし。

なんで、タイトルに有る、
リボルバーについて、もっと焦点を。


作品のテーマが、
『誰がゴッホを撃ったのか?』
なので、自殺でない、
意外な犯人、という結末に
話が展開してくのかと思ったら。

ミスリードの役も、
友情や兄弟関係のモツレもなく。

1幕では、リボルバーが
色々な人の手に渡り、
重要な小道具だっただけに、
それが知りつぼみというか。

そのリボルバーを手にした時に、
流れる音楽が、不穏しかない。

『手にした途端、不幸になる、
不幸になるリボルバー』

リボルバーを手にした人に
よって、音楽を変えてるのか、
否か。多分、同じだろうな。

音楽が人質案件だっただけに、
より、深く、勝手に深読み。
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