備忘録

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『斜交』

2017-11-25 20:01:37 | 国内ストプレ
テキトーなあらすじ。

ある刑事の定年の日。
椅子を墓石に見立て、
話しかけると、それを労う部下。

過去に携わった幾つかの事件に振れ、
ある誘拐事件の話題に。

と、部下が急に犯人になり、
時が遡り、取り調べが始まる。


刑事の名は三塚。
様々な事件に関わり、
解決に繋がる捜査をしてきた。

そして、容疑者の名は木原。

幼児誘拐の犯人として、
過去二回、捕まっているが、
起訴までに至っていない。

今回、三塚に白羽の矢が立つ。
そこに立ち会う若い刑事の石橋。

最初こそ、三塚の側で働けると、
喜んでいたが、暴力に訴える
旧体制なやり方に不満も。

また、刑事部長も、成果を求めるものの、
犯人の人権に配慮するようにと、ウルサくなる。


木原が容疑者として、候補に上がったのは、
事件の直後に大金を持っていたという証言。

実際、借金を返し、それでも、
まだ金を持っていたという証言も。

しかし、金の出処の話に
ついては頑なに拒否する木原。


取り調べは何の成果も得ないまま、
交流期間の10日目を迎える。

上の判断は、今回も起訴しないという方針。
しかし、最終日に、容疑者の声を録音する
という事を口実に、三塚が木原に迫る。

まずは、福島に居たというアリバイ崩し。

すると、観念した木原は、
全て話すが、月曜にしてくれと。
家族に暗いまま、日曜を迎えてほしくないと訴える。
二日後、全てを自供し、木原は死刑に。


そして、再び、三塚の定年の日。

三塚は処刑された木原と話をする。

捕まった後、
木原は落ち着いた日を迎えていた。
そして、最後まで罪を悔いていた。

三塚は犯罪の動機が多角化する、
日本を憂い、それを木原に話し、幕。


三塚@近藤
ベテランの刑事。
しかし、口を割らない木原に対し、
焦りを感じ、最終日を迎える。

木原の口を割らせるのに、
暴力に訴えるが、そんな事をしなくとも、
割らせる事が出来るのでは?という石橋に、
一人でも犯人を捕まえ、手柄を立てることへの執着をみせる。

ただ、そこまでの自信家ではなく、
口を割らせるために、長期的な対応も考慮。
劇中に刑事部長も話していたが、
どういう流れで、犯人を逮捕するのか、
それが最後まで分からなかった。

なので、最後、いきなり、
アリバイを崩したのに、
どんな意味があったのか。

有罪の根拠に、
裏が有るのかと思ったら、
いわゆる、刑事の勘のみというオチ。


今まで、観てきた近藤氏の役は、
取り調べを受ける方の役が多かったので、
取り調べをする方の役というのが珍しい。

映像の仕事とかで、
ネチっこく攻めることもあるけど、
今回はストレートに攻める。
この辺は演出の趣味か。


筑波@木原
過去、二回の取り調べを逃げ切り、
今回も、のらりくらりとかわすが、
何気ない世間話で、ボロが出る。

金の出処を頑なに拒否するが、
それは、誘拐事件で両親から奪ったもの。

途中、夢の中で、母親と話すシーンが有り、
そこで、犯人の母親になる事への謝罪が有り、
犯人で有るという前提は変わらず。

ただ、そこにウラとか有るのかと思ったら、
(誘拐には関わっていない、金だけ奪うとか)
誘拐し、幼児を殺害した、という事も確定。

また、自供するのに月曜日と、家族を
気遣うが、それ以上は、特に無い。

こう、それ以上の展開があるような言動をするも、
特に、それ以上のオチは無い。


土浦出身とあるが、
福島弁が妙にリアル。
イントネーションとか特に。


中島@石橋
後輩の刑事。
三塚の旧体制な取り調べに嫌悪感を示し、
科学捜査導入に積極的に取り組む。

ともかく、三塚を押さえる役目で、
この取り調べで成長するのかと思いきや、
特に、成長するという展開もない。

声が良い。
ナレーターの仕事とかしてる?


基本は取り調べシーン。
しかし、なかなか進展せず、
何の成果を得られないまま、最終日に。

ここで、供述の齟齬を指摘し、
一気にオトシに掛かるが、
それでも、罪を認めない犯人。

更にオトシて、
逮捕まで結びつける。

伏線とか意外な真実とか、
そういうモノがあるのかと思ったら、
特にそういうことは無い。
逃げ切れれば、それで満足だし、
捕まったら、捕まったで、
その行為を悔い、晴れやかに死刑台に。


ミステリーではなく、
あくまでノンフィクションである以上、
余計な脚色や驚くべき理由なんかを、
追加する余地がないのかも知れない。

でも、三塚も木原も
思わせぶりな言動や行動を
しているので、何かあるのかも、
と、ついつい訝しく観てしまう。

あくまで実録モノとして、
割り切ってみないと、
なんか消化不良な結果に。

実際の事件なんて、
人間ドラマも何も無いという結論。
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