備忘録

舞台の感想を書いています。(ネタばれ有り)Twitterはdacho115。

『キネマの天地』

2013-09-01 20:55:44 | 国内ストプレ
*劇団名を書いても、まぁ、こんな過疎ブログ、関係者にエゴサーチされることは無かろうと、言う前提で書いてます。


おおまかなあらすじは、栗山演出版こまつ座公演の感想のコチラ


井上ひさし脚本の舞台版。

一幕と二幕で休憩がなく、代わりに、そのタイミングで多数のスタッフが役者の化粧直しで、登場。尾上の台詞をピンスポで二回という、若干、中途半端なメタ的流れ。

また、最初の女優紹介の流れで、椅子が段々、豪華になっていくというベタな流れは無し。

あそこって、ト書きにあるのかと思っていたが、栗山演出のオリジナルだったのか。


一番の古株女優役が、白髪でかなり、エキセントリックな役処に。単に、一番のワガママ女優設定なのだが、幾つの設定何だろう、と。

というか、栗山演出の麻実れいサマの化け物ジミた迫力に勝てる人はなかなか居ないのだが。


二番目の古株・母さん女優役が、立ち振る舞い、台詞廻しと一番の好み。これは理屈でなく、雰囲気・佇まいの問題。


三番目の姐さん女優。これが役的に美味しいというか、栗山演出の秋山さんのキャスティング力を痛感。


一番年下の清純派女優役が、芝居ジミた演技で、基本ラインは問題ない、というよりは、寧ろ自然なのだが、時折、井上脚本の純日本語文体が棒読みに。


監督役が、結構、飄々としたキャラに。結果として、自分の妻の死を利用する強かな役だが、ギャグキャラ?栗山演出の浅野氏がガンコというか、堅物監督キャラだっただけに、こういうパターンかと。


助監督役が、なかなかの好演。完全に狂言廻しというか、本当に話を進めるためだけに存在。滑らかな口調という訳ではなく、たどたどしいけど、棒読みにならない。ま、助監というよりは、ADに近いが。


で、問題の尾上役。
かなり独特の役作りで、既存の刑事・探偵役には無いキャラ。話の流れの演じ分けが浅いかな、と思うけど、ラストの芝居ジミたver、リアリズムverの独白が、大変にスムーズ。

それでも、木場@尾上というハードルは高い。それが例え、何を演じても木場勝巳、だろうが、台詞廻しの持つ独特の演じ分けの違いか?


初めて観る劇団。
やたらとピンスポを多用する演出。役者陣で魅せるでなく、脚本の持つ力で引っ張っているかな、と。
また、井上脚本で良く聞く"お題目"という言葉が、台詞として聞くと、違和感あり。
これを台詞として、スムーズに言える役者は稀なのだが。

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