備忘録

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『紳士のための愛と殺人の手引き』

2017-04-16 18:18:03 | 国内ミュージカル
テキトーなアラスジ。

狭い牢獄で伯爵のモンティが、
自身の回想録を語る処から物語は始まる。

ある日、モンティが部屋に居ると、
老女ミス・シングルが訪ねてくる。
その会話からモンティの母の葬儀があったこと、
これで天涯孤独の身になったこと、
そして、母親が名門ダイスクイス家の
血をひいていることを教えられる。

母親を亡くし、失意のなか、
恋人のシベラに会うモンティだが、
モンティを捨て、結婚すると言われる。
ダイスクイスの後継者と言われても、
継承権が無いモンティとは結婚できない、
別な金持ちと結婚すると言われてしまい、
さらに途方にくれるモンティ。

まず、銀行家のアスクイス・シニアに
就職の斡旋手紙を書くが、ムゲに断られる。

そこで、母親と親交のあった
牧師のエゼキエルを頼る。

教会のガイドをしているエゼキエルは、
モンティの依頼に対し、その願いは
聞き入れることは出来ない、と拒絶。

そのまま、教会のガイドを続けるが、
塔に登った時に、強風が。
その時、モンティは手を貸さず、落下。

この件でダイスクイス家の爵位継承権
を持つ人を一人づつ殺すことを決意。

まず狙ったのが、
銀行家ダイスクイス・シニアの息子の
ダイスクイス・ジュニアを狙う。

丁度、ジュニアが恋人とスケート中、
氷に穴を開けて、湖に落とし、凍死させる。

次が養蜂が趣味のヘンリー。
微妙に同性愛者を匂わせ、
モンティに気があるが、
蜂が集まる香水を、帽子に振りかけ、
ヘンリーに刺されるように仕向ける。

なお、このヘンリーには、
妹のフィービーがおり、
モンティは恋に落ちる。

次のターゲットは、
女優のパンフレー夫人。
ヘッダカプラーを上演中、
銃で自殺をするシーンで、
小道具を本物に変えて殺害。

次のターゲットは、
軍人のバーソロミュー。
筋トレが趣味な少佐には、
重量上げ中に、重量を増やして圧死。

次のターゲットは、
慈善活動家のヒヤシンス。
彼女の虚栄心を利用し、
人がしない慈善活動を紹介し、
アフリカやインド、アマゾンに
への慈善活動を提案するが、
何度も生還してくるヒヤシンス。

最終的に弓矢で暗殺するモンティ。

と、次々と殺害し、ついに、
アスクイス・シニアもターゲットに。
ただ、仕事を斡旋し、仕事を教えてくれた彼に、
殺す事を躊躇うが、心臓発作で亡くなってしまう。

そして、最後のターゲット、
第8代後継者のアダルバート。

彼の晩餐会に招かれるモンティ。

その席には、フィービーや
別な男性と結婚したシベラも同席。
そんな席で毒を入れて、アダルバートを
殺害しようと画策するが、その前に死んでしまう。

こうして、第9代の伯爵におさまり、
フィービーとも結婚式に、警部が訪ねてくる。
それはアダルバートの毒殺を疑われ、逮捕、投獄。

で、冒頭に戻る。
その独房で、掃除夫として雇われる男と知り合う。
実は、ダイスクイス家の血をひくが、
一族から疎まれているので、名乗りでないと。

一方、フィービーとシベラが、
それぞれをシベラとフィービーが
犯人だと、司法に訴える。

その事で、疑わずは罰せずという、
理念から、モンティは無実になり釈放。
(犯人は家政婦のミス・シングル。
モンティのために実行)

晴れて、伯爵となるモンティだが、
彼を狙うダイスクイス家の末裔で暗転。


市村@ダイスクイス
作った役はもう絶品。
その一方で、ナチュラルメイクな
ダイスクイス・シニアには
違いはそこまで役の違いを明白にしない。

それぞれの役で何曲か歌うが、
一番はダイスクイス・シニアの、
父親視点でモンティを観てしまうという歌。
この曲の音域が大変に市村氏に合い、好み。


柿澤@モンティ
早口な歌を聞き取れる明瞭な歌詞で歌う。
特に、繰り返し出てくる曲が、
毎回、早口歌という地獄のような設定。

全体的にモンティの歌は、
難曲が多い気がするけど、
これWのもう一人も歌うのか。

コレに関しては、柿澤氏、一択。


シルビア@シベラ
金が全てという女性。
そのため、モンティも、
結婚相手でなく遊び相手。
が、紳士になっていく
モンティに、人として興味を持つ。

この若いツバメを相手にするマダム感。
台詞廻しがオーバーなので、
浮きそうなキャラなのに、
それが似合う衣装と派手さ。


宮澤@フィービー
シベラとは対称的な役。
何時、モンティに惹かれたのか、
そこはあまり描かれないが、
(シーソーシーン?)
普通に夫として、無実を証明。

ともかく、高音曲が多い。
そこまで、オペラチックにしなくとも、
と思うが、常にソプラノ声。

で、台詞が微妙に棒読みなのだが、
そういうキャラなんだろうか。


春風@ミス・シングル
甲高い声のおばあちゃん役。
常に作った声で、シスアクよりも
ぶっ飛んだ役だけど、出番は冒頭のみ。


阿部氏の警部、小原氏の低音ソロ、
安福氏の目立つ頭髪具合といった
色々と注目する処のあるアンサンブル陣。

久々にアンサンブルにも、
目がいくキャスト陣。


全体的にご都合主義な脚本を
柿澤氏がこなし、市村氏が
それぞれの役の演技でカバー。

実際、歌は同じくらいなのに、
モンティの歌の方が複雑。
なので、主役は演じ分けに専念。

曲はモンティの”ポケットに毒薬”ソングが
一番、印象に残るが、これは歌唱力込み。


たぶん、この8役(+1)をこなせるのは、
市村氏と駒田一氏くらいかな、と思うけど、
『サイゴン』で台詞の不明瞭さが、
散々言われていたので、今回は
どうなんだろう、と思って覚悟して
観ていたが、特に、台詞に聞き取りヅラい処は無かった。

これは、市村氏のチャンネルを持っているのか、
はたまた、前から二列目で観ていたから。
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