備忘録

舞台の感想を書いています。(ネタばれ有り)Twitterはdacho115。

『ジョン・ガブリエルと呼ばれた男』

2010-03-07 18:11:37 | 国内ストプレ
仲代。セリフの語尾が上がり、妙に感情が籠っているように感じる。元々そういう話し方の役者だが、今回、特にそれを感じた。そこが機械の様に淀みない四季の日下氏との違いか?陰陽に別ければ、陰の役だが、A・ミラーの『セールスマン~』よりは、その独特の話し方が多かったので、二時間半の立ち見でも、舞台に入り込めた。やはり、一度、シェイクスピア(『ウィンザー~』のフォルスタッフか『リア王』のリア)か『ドレッサー』の団長あたりを観たい。
舞台からの距離の問題もあるが、発声が恐ろしく良い。呟きも明瞭に聞こえる。あの歳で、ここまで聞き取りやすい役者はかなり貴重かと。上手だと逆側になり、表情が見えなかったのが残念。

十朱。以前も感じたが、吉行和子さんと発声が似ている。ただ、基本、上品な芝居のため、激情してもあまりその劇場さが分からない。

大空。こちらは豪快で、狙った様に対照的。若干、セリフに訛り(方言)を感じるのは演出?系統としては゛大島蓉子゛系。

米倉。結構、独特の発声。映像なら構わないが、舞台になると聞き取りづらい。年齢的・役柄もあるが余計に感じる。これでクリエクラスの劇場で『放浪記』をやった場合、どう変わるのか観てみたい気もする。あるいは、『ゴドーを~』のボケの方とかは妙に合いそう。


栗山演出だが、暗転が少なく、何時もの照明を使った演出がほとんどなかったので、それほど特異な点は感じなかった。翻訳演出の『氷屋来たる』の様な暗さになるかと思ったが、仲代氏独特の間により、それはなかった。
ラストの何もない空間での長台詞等はかなり引き込まれる。この辺は演出というよりは、役者の力量による処が強いかも。
米倉氏の扱い方も、あれしか役者がいない割には、目立たない。これも脚本における役のウェイトが分からないので、演出のせいとも言えないが。

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