備忘録

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『リア王』NTライブ

2014-09-01 02:33:42 | ライブビューイング(舞台関係)
サム・メンデスによる現代演出なリア王。


冒頭、何故か男性が客席に向かって座っている。
後に、道化役者と分かるのだが、何故?
そんな疑問を無視して、
普通にグロスターとケントの会話で始まる。

記者会見みたいな状況で遺産分配していくリア。
客席を後ろにして、マイクを使うため、
ちょっと違和感の有る音声に。

そして、長女と次女のお世辞を言うなか、
三女・コーデリアだけ何も取り繕う事が出来ず、リアが激昂。
思い切り机をひっくり返すし。そのまま勘当。
そして、そんなコーデリアを受け入れるフランス王がなんかジェントル。

重臣ケントもそのまま追放に。

一方、もう一つのメイン・エピソードとなるグロスター家の兄弟喧嘩。
こちらは弟・エドモンドが大変に腹黒い。
で、兄・エドガー(トム)が大変に
ボンボンというか、世間知らずというか。

ケントとエドガーが容姿を変えるのは原作通り。
そんな二人に再会する人達は気づかないモノなのか。

リアが家臣100人を連れて、
娘夫婦の家に訪問するシーンが出てくるのだが、
本当に100人居るのかは別として、
こんだけ人を連れてくると確かにウザい。というかムサい。


二人の娘から邪険にされ、出て行くリア。
で、有名な嵐のシーン突入。
音響にそれほど派手さはない。
しかし、この後、室内に入って、
道化が惨殺されるシーンは結構衝撃的。
(脚本でもここでフィードアウトするらしいが、
まさか惨殺されとは思わなんだ。それもリアに)

国家間の争いが現代的の戦争で武装。
それに伴う国民の移動も難民に。
(トムが移民と会話するシーン)

二幕。
トムが父親を必死で生かそうとするシーンは長い。
ただ、そこまで生かそうとしているのに、
後半、真実を知った時に、心臓発作で倒れてしまうのは…。

コーデリアが軍服姿で登場。かなり、格好良い。
というか、そういう設定でくるとは思わなかった。
しかし、長女・次女の軍にあっさり捕まり、
そのまま亡くなるコーデリア。

一方の腹黒弟の勢力抗争。
長女、次女、共に良い返事をしていたら、
双方から責められる上、その旦那からも責められるという。
あげく、毒殺。

コーデリアをお姫さま抱っこで担ぎ上げ再登場する、リア。
良くコーデリアは軽い方が良いと、ネタにされるが、
こんだけ設定が変わってもここは変わらないらしい。

そして、皆、死んで、
エドガーとケントだけが残り、幕。


今更、アラスジを書く作品ではないので、
気になった箇所をザックリ羅列。

シェイクスピアを現代設定というのは、
何回観たことあるが、こういう設定にするとは。
セリフや展開は同じハズなのに、
役へのイメージが変わっていく。

特に、リアを気分屋(狂気)の王様でなく、
アルツハイマーだったのでは?という、
製作サイドのインタビューが幕間に有り。

そういった視点で二幕を観ると、
単なるワガママな国王ではなく、
哀れな老人というか、そういう風にしか見えなくなる。
セリフも単なる狂気から発せられた言葉でなく、
痴呆症を患っている故のセリフに聞こえてくるし。

また、その際、前半、国王の威厳があるようにするため、
スキンヘッドにしたというエピソードも。

確かにあの体型でシェイクスピアだと、
主役というよりはフォルスタッフというか、
コメディリリーフキャラになってしまうかも。
(普通に主役キャラを演じているが)
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