備忘録

舞台の感想を書いています。(ネタばれ有り)Twitterはdacho115。

『水の手紙/少年口伝隊一九四五』(ゲストトーク・木場勝己)

2010-11-19 17:19:06 | 国内ストプレ
水の手紙
世界における水事情及びそれらの抱える問題を、現地から日本への手紙にした作品。途上国の水不足問題や先進国の酸性雨問題など取り上げる。

戦争や差別問題を取り上げるのは何作か観ているが、現代の環境問題を取り上げる作品は初めて。
あの独特の文体を朗読すると、若干、違和感があるが、それは若手だから?
また、何故に水がテーマ?最後には水が擬人化されるが、これは演出によるものか?
音楽の挿入方法が『イリアス』を彷彿。台詞と音楽のタイミングが結構単調なので、予想通りの箇所に音楽がくる。


少年口伝隊
原爆投下前の描写から始まり、新聞が発行出来ないために、記事を口伝する仕事を与えられた三人の被爆少年の物語。

最初、投下直後の描写など、珍しく直接的な表現があったが、その後の、『戦争を市民の目から』という十八番な運び。
ただ、訴えるテーマ的なものは弱い。群読で演劇とは違うから、それによるモノか?
アコースティックギターを利用しての場面転換が面白かった。
また、"枕崎台風"の存在は知らなかったので、ひとつ勉強に。



『水の手紙』はあまりに抽象的で、なおかつこのメンツ(若手のみ)でこの値段はどうよ、と思ったが、『口伝~』は特出した個性が無い若手でないと成立しないかも。
ただ、それでも棒読みが一人もいなく、聞いていての心地よさが群読には必須ということがわかった。


トークゲストは木場勝己氏。
大声を上げる舞台本番中につき、声が嗄れていると断ってから、井上氏への手紙を読み上げる。
最初は、『きらめく星座』初演の裏話。パンフに載っている正一を41歳でやる(木村氏のモノマネ付き)には、老けているという話から始まり、前回の公演で、竹田を演じ、人間の広告文のシーンで、地球だけが水があるという論点にチャチャ。が、初日、そのシーンになった時、台詞が壁に映し出され、それを読んだ時、腑に落ちた、と(かなり、要約)。また、『夢の裂け目』楽日、ラストで、きらめくものが浮上。それを井上氏と表現。
広告文シーン再現で、訛りのない竹田語りを朗読。かといって、普通の朗読でもない微妙な語りだったが、かなり新鮮。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『Les Miserables』25周年コ... | トップ | 『やけたトタン屋根の上の猫』 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

国内ストプレ」カテゴリの最新記事