備忘録

舞台の感想を書いています。(ネタばれ有り)Twitterはdacho115。

『君が人生の時』

2017-06-28 02:16:55 | 国内ストプレ
テキトーなアラスジ。

サンフランシスコの波止場の酒場。
ニックの運営する酒場には色々な人間が集まる。
ジョーもその一人で朝から晩までずっと呑んでいる。

そんなジョーの弟分、トムが娼婦のキティに
恋をしているのを知り、一肌脱ぐ、ジョー。

上手くいくかと思いきや、キティが
酒場にいると、警察官のブリックが現れる。

キティを売春婦として扱い、
連行するも、止めようとするジョー。
しかし、アルコールの入っている身では
相手にされない。ニックが帰宅し、
とりあえず、ブリックは店から
出されるが、そこに二発の銃声が。

カーソンが店にやってくる。
そして、他人事のように、
ブリックを撃ったこと、
自分の銃を捨てた事を話す。

そんなカーソンに自分の銃を
持たせ、店を出るジョーで暗転。


坂本@ジョー
主人公だが、気まぐれで生きる自由人。
そして、真っ直ぐ歩けないほどの酔っ払い。
どうやって金を稼いだのかは、
不明だが、金は無尽蔵に出てくる。

若干の自殺願望があるのかな、
と思ったけど、単なる世捨て人。


主人公だけど、主演なら、
ニックの方がオイシいような。
酔っ払いなのに、ダメ人間に見えない格好良さ。

振り幅の無い役なので、
終始、低音で話し、舞台に居続ける。
声を枯らす演出では無い、たんたんとした演技。

この微妙なテンションを維持するのは、
それは、それで大変そうだけど。


野々@キティ
売春婦として、店に来たが、
一目惚れしたトムのために、
ジョーが色々、手をつくした結果、
真っ当な人生を歩み始めるも、
ブリックに否定され、
トムと駆け落ち、というナカナカ、
アクティブな人生を過ごす。


声質が高く、ふと、
中越典子さんがよぎったり。

トムを振り回す役だが、
それに違和感が無い。
そもそも、外人設定に違和感ないし。


丸山@ニック
影の主役。
この酒場のマスターなので、
なんでも思うように行動する。
ブリックにも強気だし、
怖いもの知らずだけど、娘に甘い。

そして、悪態をついているわりに
どんな客にも、同じように接する。


映像の人のイメージだけど、
結構、舞台にも立っているらしい。
なので、発声も舞台の人だった。


橋本@トム
ジョーの弟分。
キティのために、奔走し、
それが報われるというラスト。


若さ溢れる役なので、
大袈裟過ぎると、
ちょっと抵抗があるが、
その辺は微妙なさじ加減。


下総@ブリック
この舞台で、唯一の悪役。
最初はそこまでの悪役ではなかったが、
後半になり、実は、イヤミな役設定。

そのまま、フェードアウトかと
思ったら、復讐される側に。


沢田@アラブ
常連の一人。
その名前の通りアラブ系で、
複数の人種が出てるなか、唯一、カタコトで喋る。

また、ハーモニカ吹きとしての役割も。


中山@クラップ
警察官。
なのに、ニックの店に訪れ、
勤務中でもビールをあおる。

ブリックの部下の一人だが、
常連客寄りの立場に。


安定の独特な発声なので、居れば目立つ。
ただ、役としての存在感は薄い。


石橋@マッカーシー
クラップの知り合い。
インテリだけど、港湾労働者。

思ったより、出番は無し。
クラップとセットだけど、
後半はスト破りの名前だけ登場。


枝元@ローレン
ダッドリーの間違い電話の相手。
実際、店に来て、ダッドリーを探す。

勘違いキャラだけど、存在が濃かった。


瀬戸@エルシー
看護婦。
ダッドリーが一目惚れした電話の相手。
てっきり、ダッドリーの電話相手だけで、
終わるかと思ったら、その格好で会いに来る。
そして、仕事が忙しいために、
会いに来れなかったとダッドリーに話す。


ダッドリーの架空の相手で終わるかと
思っていたので、普通に登場して驚いた。


渋谷@メアリー
フラッと酒場に現れた婦人。
そのため、気になったジョーが、
名前を当てようと話しかける。

最初は不審に思っていたメアリーだが、
二人ともアイルランド人で
有ることが分かり、打ち解ける。

その会話からジョーの過去、
結婚しようとしていた相手が居たこと、
以前していた仕事のこと、
ずっと酒を煽っている理由が明らかに。


その内容は他愛もない事で、
メインの話には関わらないけど、
ジョーのキャラ設定確立要因。

で、その話す声が良い声。
若干、声優っぽさもある。


ロンロン@ハリー
ダンサー枠。
ニックの店で働こうとした、
コメディアン志望の男。
しかし、コメディよりも、
ダンスの方が上手く、そっちで採用。


結構、台詞に難有りだったけど、
本職のダンサーで、基本、そっち要員。
実際、タップを華麗に踊っている。
ただ、脇で踊っているので、謎演出に。


かみむら@ウェスリー
ピアニスト枠。
ニックの店に働き口を求めに来た男。
置いてあったピアノを弾いたことから、
ピアニストとして採用される。


こちらも台詞に難有りだったが、
実は本職のピアニストだったらしい。


林田@ダッドリー
エルシーに電話をする男。
ひたすら、電話をするも、
繋がらない、それで終わりかと思ったら、
エルシーが会いにくるという展開に。


野坂@ウィリー
店の奥にあるピンボールに熱中な男。
最終的にクリアして、店を去る。


二木@母さん
ニックの母親。
イタリア語を話し、
颯爽と登場し、
颯爽と去っていく。


寺内@サム
酒場の従業員。
結構、細々と働いており、
ずっと居るけど、喋らないし、
この男にドラマは無い。


一柳@貴婦人
好奇心旺盛な上流階級の婦人。
安酒場に興味を持ち、ニックの店に。
自由奔放に振る舞い、旦那を困らせる。


ヅカ枠かと思ったら、
オペラの人だった。
なので、歌も少々。


篠塚@紳士
婦人の手綱を引く、その夫。
最初は奥さんに振り回されていたが、
段々、酒が入り、本音もチラホラ。

ただ、ブリックが登場し、
余計な事に巻き込まれまいと、
フェードアウトしていく。


二幕の、それも一部でしか、
登場しない、かなりの無駄遣い。
もっと、メインに絡むと思ったのに。


原@酔っぱらい
店に出入りしようとするが、
ニックに疎まれる酔っ払い。

かなり謎な存在。


木場@キットカーソン
白髪ロン毛のカーボーイ。
店に酒を飲みに来ているが、
金がなく、奢ってもらうために、
自分の過去を話し、それで奢らせる。

後半、キティに手をあげるブリックに、
決闘を申し込むが、あっさり殴られる。
店から去っていくブリックを追いかけて、発砲。

その後、店に行き、その話をし、
持っていた銃を捨てたことも話すと、
ジョーから拳銃を受け取る。


与太話をするのだが、
強弱の付けた話し方。
結構、淡々と話す人が多かったので、
そういう処で、こういう
モノローグ作品でも、存在感を発揮。

演奏シーンではドラマーとして参加。
ただ、叩いているだけだけど、
演奏者として参加するのは珍しい。

やはり、あのカツラ。
稽古場写真にも出てこなかったので、
かなり予想外な扮装だった。

そして、ジーンズ。
『8月の家族たち』でも、
ジーンズでは有ったが、
かなり歳をごまかしている。
実際、60歳とサバを読んでるし。



アラスジを書いてはいるが、
個々のエピソードが続くため、
脚本は有っても、無いようなもの。
その内容も抽象的なモノから具体的な話まで。
なので、シーンによっては睡魔が。


途中、同時進行で、複数の会話がなされる。
雑踏を歩いているような感覚に。


役者が研修卒業生や今回が初舞台など、
人数を揃えるけど、演技でベテランとの格差が。



実はこのタイトルが謎だった。
そしたら、プログラムに、
『良い事だけ見て、人生を過ごせ』的な台詞が。

え、そんな台詞あったっけ?
と思いつつ、そんな楽天主義を
全面に押し出していたとは。

それでも、どんなタイトルなら
相応しいのか、思いつかないけど、
もっと、分かりやすいタイトルもあるような。
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