備忘録

舞台の感想を書いています。(ネタばれ有り)Twitterはdacho115。

『デスノート』2020版

2020-01-19 03:36:06 | 国内ミュージカル
初演、再演、コンサート版、韓国版の
感想はコチラのまとめで。

今回の変更点。

”正義はどこに”
スマホをイジる女子生徒を
手拍子で脅かし、注意する先生。

先生のソロパート、
『広い視野で〜』
ここのメロディライン変更。

稽古場リハの時は、
前半部分も上がらなかったけど、
本番では上げた。その分、
『探しながら』はリハと同じ音程。


”哀れな人間”
リンゴはカジらないリューク。
叫ばないで、台詞。
それは、歌でも言える。
歌わないで、台詞。

そのため、レムのソロになってる箇所有り。

”デスノート”
途中、ミサミサの両親殺害の
容疑者のニュースが挿入。
捕まったけど、証拠不十分で釈放。
(松田の総一郎への報告シーンが無い)

途中、おもむろに現れる、総一郎。
後ろを向いたままで、歌、終了。

歌唱後、
その容疑者が死んだ話をする刑事達。

その話に割って入る総一郎。
(部下の話に入りたがるオヤジ感)

なお、この時点で死者は18人。
(初演では、歌の途中で
もっと死んでる。28人だった)

異常犯罪事件なので
Lに頼む、という流れ。

ただ、頼みたくないけど、
頼むしかない、というスタイルでなく、
最初からL頼みな総一郎。

途中、『Lが協力するか?』
という松田の疑問に、
『この事件なら興味を持つ』
というシーンがカット。

最後のLを認める一言。
それが苛立ちでなく、
諦め、というか、苦々しさが薄い。
(初演が本当に苦虫を噛み潰したように
言うのだけど、そこまでの演技が無い)

リュークとサユ登場。

リュークの登場ポーズが、
犬が用を足すような、ヨガなポーズ。
これはリュークが姿を見せるとき、
(ミサとL)毎回、そのポーズを見せる。

ミサのライブを誘う理由
(親が独りでは行かせない)
が増えたような。


”キラ”
影コーラスの層が厚くなった。
で、センキューでなく、
テンキューと発音が良いリューク。


”恋する覚悟”
ミサミサのラップ、カット。

リューク、ミサのバックダンサーの
振り付けをほぼ、完コピ、揃ってる。


”ゲームの始まり”
最後の台詞は、
高校生でなく学生。

月の部屋。
『分からないかな?』
が、かなりバカにした言い方。

総一郎登場。
リュークの評価が、
『立派な声の立派なお父さん』

リュークの裾踏みは今回も無し。
退場がリンボーダンス。
(リンボーとリンゴをかけたシャレ)

月が総一郎を気遣う一言追加。
からの、『Lの本名は?』で、間が。
やはり、この時点で疑ってる総一郎。

”一線を越えるな”
総一郎パートが半テンポ遅い。
月のソロ部分は変わらず、
掛け合いの部分から、何故か遅くなる。

”秘密と嘘”
ここの総一郎パートは普通。
Lと一緒に歌う箇所も普通のテンポ。


捜査本部。
死者、一気に50人に増える。
(初演は20人前後)

”できるものなら”
一線を越える、という歌詞。
総一郎とは別な意味で使われる。

”正義はどこに(Re)”
アンサンブルのコーラス箇所が増えたような。

2幕
”正義はどこに(Re)”
ここは刑事役も参加。
川口氏も普通の衣装で登場。

”死のゲーム”
入学式のマイクテストがちょっとノリノリ。

学長は女性で固定。
初演で安崎氏が降板してから、
ずっと、女性で固定した模様。

渋谷のスクランブル交差点。
ミサの前にリュークが姿を見せる。
その時のポーズもやはり、ヨガみたいな姿勢。

この時、月にパルコ劇場の場所を訪ねる、
宅配便の人という役を、長尾氏が担う。

”ヤツの中へ(Re)”
ミサの携帯がガラケーでなくスマホに。

そのまま、ミサの正体がバレ、
逃げていくが、それを追うレムの走り方(笑)


”命の価値”
ミサの目隠しが
シースルーでなく、全く見えない布。

”愚かな愛”の後の、
月、レム、リュークの会話、
レムのデスノートにLの行動を書くことを指示、
死神を殺す人間の存在に気づくリューク。

そういった諸々、すべて、カット。

”揺るがぬ真実(Re)”
なので、いきなり、月のソロスタート。

倉庫。
Lの前に現れるリューク。
その姿は、あのヨガみたいなポーズ。

”最期の時”
オープニング、レムのデスノート
に行動を指示した事、そこが台詞。
(音楽が入らない。
諸々の説明がカットされたため、
そこだけ客席に聞き取りやすく説明)

”デスノート(Re)”
最後、盆が40秒だけ回転。
これ、途中から導入されたのか。

”レクイエム”
岡田氏が不在。
ここの男性の低音が無い事が残念。


村井@月
豹変してからの演技が顕著。
見た目はマジメで素朴な高校生。
(に、してはちょっとツラいけど。
ただ、小柄なので制服にも無理がない)

ハリーベル辺りから凶器な演技に。
それまでが普通過ぎて、一気に変化。
奇声を発する系の演技でそれは歌唱も。

時々、半音上がる。
ただ、歌声にクセがなく、
サラッと歌うことがシバシバ。


ウライトもカキラも、
演じ分けがキーワードだったけど、
このスモールライトは、
ともかく、狂気の方に重点を置く。

甲斐@ライト
長身で、演技も歌もクール。
村井氏が、ともかく熱い演技だったので、
なおさら、対比がハッキリと。

新宿駅のシーンの、
豹変していくライトも、
顔芸レベルで、歌に豹変さは無い。

クセが無い、という強み。

髪型から浦イトを思い出したり。
良い人演技に共通するところが。
高音への切り替えも。ただ、
どちらかというと、城田氏の
高音と似た処が有るかも。

リュークへの、
『分からないかな?』
が、お兄さん路線。

そこのコントは、
日替わりか、ライトに
よって変えてるのか、違った。

髪に触るな、と、リンゴに
イチゴを加え、イチゴ?
と、ライトにツッコませる。

ラストシーンのもがき苦しむ、
あのシーンで、本当にジタバタするため、
40よりちょっと、先の位置でとまった。
足が長いので、大変そう。

高橋@L
素直なシンプルなL。
変人感は薄く、天才というよりは秀才。

ただ、何より身長があるので、
あの猫背に、Lっぽさが有る。

歌はとにかく、上がる。
語尾を上げたり、ハモリを上げたり。


吉柳@ミサ
アイドルにしては、落ち着きがある。
ピーターパンというカンジ、
(ボーイッシュっぽい声質)は無い。

ちょっと、渡辺直美チックさが。


西田@サユ
コチラは元アイドルかな。
妹キャラに全く、違和感が無い。

月のレムへの説明シーンが、
カットされたため、最後の月を
食事に呼ぶシーンがカット。

ただでさえ、出番が少ないのに、
更に短くなってしまった、今回の再演。

ヘナ@レム
台詞が片言なので、
大変に”僕っ子”感の有るレムに。
(性別がハッキリしない)

その分、歌は全力投球。
韓国版だと、エルファバ・グリンダの
二人だったので、ミサもそれに、
答えたハモリになっていたが、
流石にソレの再現はなく、ミサが
コーラスのようになってしまう。


横田@リューク
石井@リュークの歌派なリュークから、
また、演技派、それも吉田氏よりも、
更に濃い、それでいて、台詞調な歌唱に。

台詞部分の修飾語が、
大幅に減った気がするけど、
これは台本なのか、言いやすいように変えたのか。


川口@先生、松田
予想通り、オープニングの先生担当。
それでいて、一部、アレンジが入る。

松田は普通にコナしているが、
2幕冒頭のアンサンブルがとにかく目立つ。


鎌田氏。
刑事役の一人で、
岡田氏のポジションか?

アソコまでの低音は無いけど、
アンサンブルに居ても判別出来る声。


長尾氏。
リンド・エル・テイラーや、
渋谷の交差点では、ヤマトな衣装。
私服が派手なので、とにかく目立つ。


キャストを一新しての再々演。
細かい変更点は有るモノの、
初演、再演を踏襲した今回のver。
(再演の記憶はあまり無いけど)

ただ、一部、役の設定を
役者に合わせて、変えてきたかな。
それが一番、顕著なのが、総一郎。


千秋楽での日替わりでは無し。
リューク関連のアドリブが増えた。
テニス後のミサが加わり、
一同が介するシーンが特に。



今井@総一郎
初登場時は後ろを向いてる。
手は腰スタイルではない。
(”デスノート”の途中で、
出てこないので、歌い終わってからが初登場に)


デスノートでの死者報告。
一部、部下の台詞が
カットになったため、
長台詞がちょっと大変そう。
(かなり、ナガす話し方)

なのに、途中、段差のある
セットの下に降りるという作業があるため、
ちょっと足下、気をつけて、お爺ちゃん、となる。

この最初のシーン。
最初からLを当てにしてる感が有る。
一緒に捜査はした事は有るけど、
信用はしていない、というキャラから、
Lを当てにした捜査方針への切り替えが早い。


”一線を越えるな”
総一郎パートが遅い。
ここで、腰に手を当てるスタイル登場。

何故、こんなに遅いテンポなのか。
間違いなく、正しく歌詞が歌えるか、
チェックをしたくなるような結果に。

暗転中、舞台上でジャケットを着る。
曲間に腹周りをゴソゴソ、と。
マイクの調整か何か、何時までもやっている。

”嘘と秘密”
ここのテンポは普通。
というか、Lがシングルなので、
高橋氏と合わせた結果が、このテンポなのかも。

高低さのバランスは、月よりも良い。


FBIの捜査官が殺され、
刑事達に判断を任せる。

降格人事は無い、
と言いつつ、その台詞に、
この事件から降りるヤツを
想定してる感が無い。

部下を信頼してる。
これは台詞の言い方か。

で、戻って来る。
そして、『仕事だ』という
決めゼリフで1幕の出番、終了。

”死のゲーム”
刑事達の前に現れるL。

そこで、初めてLを見るが、
他の刑事が不信感を見せるなか、
結構、すんなりLを受け入れる。

月の知能に驚くなよ発言。
ここで、笑いが起きず、不発。

部下の前で、
月への疑いを強調。
からの、”名誉にかけて”

このソロが大変に、
『ジキハイ』を思い出す。
両方とも父親という共通点は有るが、
過去の作品は娘パターンが多い。

なので、息子パターンだと、
同じ父親路線でも、信頼してる感、多め。

ここに来て、初めて、
鹿賀氏の総一郎を思い出す。
『ジキハイ』からの連想なのか。

”命の価値”
Lに『月はキラで無い』
と言いつつ、『代わりに罰を受ける』

全編を通じて、月を疑ってる感が
有る演技プランだけど、
最後まで月を信じ去っていく。

で、出番終了。

ラスト。
ゆっくり歩いていき、
その視線の先は横たわる月。

その視線(向き)は変わらず。
全く、客席の方を向かない。

カテコ中もフリーズ演技。
で、自分の番の時に
初めて、客席の方を向く。

そのカテコ。
他は出演者はストプレ出身者が多いためか、
普通に両足をそろえて挨拶するなか、
なぜか、片足を一歩、前に出して挨拶。

ちょっと、一人エレガントな挨拶に。

総一郎、千秋楽レポ
初登場は後ろ向きで登場。
手をダラーンとしている。

半回転して、ライトの方を向く。
『正義』というフレーズに反応。
暗転中に、更に、回転し、正面に。

千秋楽になり、
ここの長ゼリフが大分、
スラスラと淀みなく。

最後、無駄に段差を降りる。
(八百屋舞台で、降りやすいのかも)

『その通りだ』が、
ちょっと怒り気味。

リンドLテイラーでも、画面を
直視しつつ、Lの言葉に反応。


台詞の途中から、無意識に
腰に手を当てるスタイルがデフォに。

月の部屋コント。
リュークの声が聞こえないシーン。
耳の穴をかっぽじる、というマイムが追加。

ライトが、Lの本名を
聞いた時、二度見をして、疑う顔。

やはり、ここで怪しんでいる。

”一線を越えるな”
前回よりは、早いけど、
それでも、テンポは遅め。

ライトが変わっても、
そこは変わらない。

”秘密と嘘”
次々と、部下から、
資料を渡される。

この資料、縦書きでなく、
横書きなのか、ともかく、
縦に書類をメクっていく。

降格人事シーン。
やはり、段差を降りる。
腰に負担が無いのだろうか。
で、更に、無意識に手は腰に。

『仕事だ』の決めゼリフがドヤ顔。

2幕。
Lが正体を表すが、
最初こそ、驚くが、
他の刑事ほどは反応しない。

”死のゲーム”
『キラはあなた息子だ』
という歌詞に過剰反応。

”名誉にかけて”
ピンスポ箇所まで歩く。
最初、後ろを向いて歌う。
サビ前に振り返る。

歌唱後、歌詞の内容とは
裏腹にキラと確信している。
最後、諦めと最後の希望、
と言った感情の入り交じった表情で〆。

ここのスタンスが過去の総一郎役者、
特に、鹿賀@総一郎と異なる。

諦めている、その表情。


”命の価値”
Lのミサへの詰問。

Lの『ライト』という
言葉に、全て反応する。

『息子はキラでは無い』
という台詞で、最後、声が裏返る事案発生。
これは、アクシデントか、それとも演出か。

ラストシーンでの目線。
前を向く、
→ライト、見下ろす、
→前を向く。




今回、初役。

初演の鹿賀氏は特に似せず、
映画版のままのビジュアル。

ソウル初演版の이종문氏は髭。

再演版の別所氏は眼鏡のみ。

三演目にして、
眼鏡に白髪交じり、髭と、
かなり原作の総一郎、準拠。

ただ、体系が痩躯で無いため、
ちょっと小太り系の刑事になってしまう結果に。
特に、腰に手を当てると目立つ腹回り。
(ドラマ版の松重氏が一番近い)


今回、キャラ設定が微妙に違うので、
鹿賀氏を思い出すことは無いが、
二幕ソロになって、ふと思い出した。

別所氏の時は、
鹿賀氏を彷彿する事が無かったのに。

プログラムのインタビューでは、
最初、刑事ドラマのイメージと
答えており、イメージ写真も
懐に拳銃という如何にもな刑事像。

実際、鹿賀氏も別所氏もソッチ系。
ただ、今回は父親としての面が強く、
月の『Lの本名は?』という質問は
そこまでの疑いの色合いが無い。

どちらかというと、
ミサの拷問シーン、
それにラストの真っ白状態、
ソッチの方に重点を置いた役作り。

やはり、プログラムのインタビューで、
キレる役よりほんわかした役が得意、
と言ってるので、父親路線を強めにしたのか。

だいたい、そんな役って、
今までどのくらい演じてきたのか、ツッコミたいけど。

更に、そのインタビューで、
若ければ月かな、って言ってるけど、
Lでは無いらしい。追うイメージが強いけど。

このまま、ワイルドホーンの父親路線なら、
『ルドルフ』のフランツもイケルとは思うので、
再演の際には、是非、お願いしたく。

(追記)
特に、千秋楽での違いは無く、
順調に慣れてきたな、という演技。

敢えて、言うならソロの『家族を愛する子だ』
の『子だ』までのタメ方が尋常じゃなかった。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ニューイヤーミュージカルコ... | トップ | 『エブリ・ブリリアント・シ... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

国内ミュージカル」カテゴリの最新記事