備忘録

舞台の感想を書いています。(ネタばれ有り)Twitterはdacho115。

『こんばんは、父さん』

2012-11-17 11:47:24 | 国内ストプレ
ネタバレあり。


廃屋に忍び込む男が居る。そして、梁からぶら下がったロープを見つけ、首を吊ろうとした時に、スーツ姿の若い男が止めに入る。実は、その工場は忍び込んだ男・富士夫が経営していた工場で、止めた男は富士夫が借金している闇金の社員・山田だった。止めに入るものの、富士夫には借金を返す当てはない。そこで、実の息子・鉄馬に肩代わりしてもらうように山田が提案するが、鉄馬もその工場に忍び込みホームレスのような暮らしをしていた。
山田は少しでも、債務を回収したく、色々と画策するが、その一方で、親子の過去、そして現在への経緯、現状(現実)が明らかになっていく。

どう頑張っても、債務の回収が出来ないと理解した山田は、段々、自暴自棄に。それがエスカレートしていくのを見かねた鉄馬は、債務の建て替えとして、ブランド物の時計を渡す。実は、その時計は息子へのプレゼントとして、用意した物だったが、祖父として申し訳ないと恥じる富士夫。その一方で、父親を受け入れる鉄馬。
そして、二人の間のわだかまりが解け、乾杯をし、幕。


平@富士夫。登場時から、何、この私服が派手なジイサン。それだけで誰トクなのだが、三人芝居なので、喋る喋る。完全に気の良いボケ老人といった仕様なのだが、それがもうツボ。

過去に場面になると、成金になるのだが、そのちょっとイヤミな悪人キャラも楽しめます、と言った仕様。

台詞廻しで、ちょっとモタツカナイ処もあるけど、あの台詞量だしね、と勝手に擁護。
ただ、東京公演より地方の方がスムーズ。


とりあえず、ヒラミキを、かなり、満喫出来る役。


佐々木@鉄馬。
映像に比べ、舞台になると、ハスキーというか、少し掠れ声の印象があるが、今回も。

今回は比較的、悪要素の強い役なので、ちょっと迫力不足だが、父親にデレる(←多分、違う)シーンがなんかツボ。

これまた、地方公演の方が、声が良かった。単に、会場のキャパが小さいので、調整?ナニゲに、ACMで観るのは初。


溝端@山田
初。ま、普通過ぎて、取り立てて。というか、他二人が濃すぎるのか。それでも、当て書きというか、自然体なサラリーマン。ポイントは一人称がオイラ。えっと、今時、オイラというサラリーマンが居るのか。


話に波の無い、ただただ淡々と進むストーリー。それは永井作品(日常風景を切り取る的な意味で)なので、ある程度、許容範囲内だが、最後まで変化が無い。
勿論、ブランド物の時計を通して、親子の関係性の変化はあったけど(主観です。脚本にはそんな事書いてないかも)、富士夫自体に変化が無いので、余計に。
そのため、チラシを落とす方、続出(笑)。


でも、平氏の非情なヒール役より、情けない役が好きなので、かなり満喫。地方公演は立ち見でリピートしたが、ダレることなく、集中して観れたし。
そういう風に考えると、観ていて無駄なシーンが少ないのかな、と。

で、やはり、“父さん“と“倒産“をかけているのでしょうか…。

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