旧国道291(旧17)号は妙見堰で17号と別れて信濃川の右岸づたいを走る。長岡市からだと、妙見町が最後で、続いて浦柄、そして横渡となる。国道はトンネルをくぐることはないが、JR上越線は妙見町でトンネルにはいる。浦柄に抜けた線路はトンネルを出るが、杉を中心とした雑木林のある丘陵の麓をしばらく走り小千谷駅に至る。
この辺の地質は軟弱で、固まりきっていない砂岩や泥岩といったものである。かつて水辺であったのか、横渡と浦柄の境界付近の露頭では貝化石などが得られ、地学ファンが時折訪れるのを見たことがある。もちろん私も子供を連れて貝化石などを採取に来た経験がある。
そんな思い出深いこの辺の丘陵は、先の震災で大きく崩れてしまった。ここに紹介する9枚の写真。そのほとんどが崩落現場を移したものだが、表層というよりはかなり深い部分からずれ動き、崩れてしまったように見受けられる。以前雪のある季節に写真を撮影したが、今回はそんなことはない。その後の降雨にもさらされているので、よけいな泥など洗い流され、ずれ動いた面が美しいくらいの所もある。
一方、斜面の保護強化作業も進められている。その辺は紹介する写真をご覧いただければ違いを確認できると思うので、特に説明は入れない。位置的には浦柄に近い方の斜面の作業が現在進められている。
さらに、一枚だけだが丘陵下を流れている野辺川の現在の様子を紹介する。斜面から崩落した土砂によって、河道が閉塞されたのを機に、応急的とはいいながらもつけ替え工事がなされた。いずれ本格的護岸工事が施され、恒久的な川の姿が形作られるはずである。それでは説明が長くなったが、ゆっくりと現場の写真をご覧いただきたい。
写真①:旧17号から(手前にJR上越線の線路)
写真②:①と同じだが少し移動し、角度を変えて撮影。
写真③:浦柄に最も近い崖崩れ現場(すでにかなり工事が進んでいる。)
写真④:崖崩落現場直下の道路から撮影
写真⑤:④の現場だが、土砂の流れ下った末端から
写真⑥:④の現場土砂の滑落後にできた滑り面
写真⑦:写真⑥現場崩れた土砂の上
写真⑧:⑥⑦の現場隣の崩落現場
写真⑨:つけ替えられた野辺川と道路
他のサイトで横渡の現場を知るなら
平成16年新潟県中越地震・社会基盤システムの被害等に関する総合調査「調査結果と・資料編」 http://www.jsce.or.jp/report/32/teigen2/
同上のサイト、横渡関係のpdfファイル
http://www.jsce.or.jp/report/32/teigen2/2shiryo/doc/A29.pdf
2004年新潟県中越地震 -小千谷市横渡の斜面崩壊-
東北大学のものか?とても詳しい報告がなされている。
写真も豊富で、地質に関する説明も豊富で為になる。 http://soil1.civil.tohoku.ac.jp/~uzuoka/niigata2004/landslide_ojiya/
サイト内関連
雪国の風景010
http://blog.goo.ne.jp/dachasnowman/e/053ef34557b8e9e77193260b498ff777
ようこそ。地理の部屋と佐渡島へ。005 http://blog.goo.ne.jp/dachasnowman/e/e61b0bce30759bfa15439a5bf5eaffeb
ようこそ。地理の部屋と佐渡島へ。107 「続・横渡にて」 http://blog.goo.ne.jp/dachasnowman/e/fab3f6d8295b6c2c9c63da6e42c6ae7c
ようこそ。地理の部屋と佐渡島へ。005 http://blog.goo.ne.jp/dachasnowman/e/e37f81c8df79a751741a3344fc323697
ようこそ。地理の部屋と佐渡島へ。106 「横渡にて」 http://blog.goo.ne.jp/dachasnowman/e/aa1d7eff53e97d03ba3e21f61864ab4f
10.23新潟県中越地震35「小千谷市横渡より1」 http://blog.goo.ne.jp/dachasnowman/e/6046d68d380d7b5a1c65960e88b7e790
<写真撮影:2005.9.19> 2005年 地理の部屋と佐渡島