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カーボンフレームを考える(5)

2024-04-23 09:28:37 | ロードバイクの科学
 TREKはOCLV、SPECIALIZEDはFACTという名称で有名ですが、カーボンフレームで有名なLOOKには特別な名称はありませんが、先に記したようにフレームの用途によって多様なカーボン素材を組み合わせています。カーボンロードとしては後発のcannondaleはバリステック(BallisTec)カーボンテクノロジーで軽くて剛性も高いロードバイクを制作していますが、今回のLAB71に使用されているカーボン素材は「0カーボン」という新たな素材が使われているようです。

 Cannondaleのバリスティックカーボンもカーボンの種類ではありません。これは補強のためのカーボンシートを側面に増し貼りすることで強度アップを図るという方法で、フレーム側面を中心に、補強カーボン材を連続的に配位することで剛性を上げる新技術(テクノロジー)なのですが、LAB71に関してはカーボン素材そのものも新しくなったようです。cannondaleのカーボンはこれまでのHM(HightModulus)とSM(StanderdModulus)に加えLAB71グレードが新たに追加されたことになります。このLAB71は「0カーボン構造」でこれまでのHMに比べ56サイズのフレームで100g弱も軽くなっているというのです。HMは引張弾性率46tのカーボン素材、SMは30tのIMカーボンなのですが、LAB71に関しては最先端のカーボンファイバー(引張弾性率不明)とナノレジンの組み合わせた「0カーボン構造」としか明かされていないのです。レジンは樹脂のことなので、CFRPに引張弾性率の高い軽量なカーボン糸とナノレジンを使用した新しいカーボン素材ということなのでしょう。

 アルミフレームも配合される金属の違いで素材の硬さや重量に違いがありましたが、カーボンフレームの場合は素材の種類に加え、プリプレグの向きや積層枚数等々多様な技術の組み合わせがあり、最早スペックだけでは評価が出来ないのが実情なのです。にも拘わらず、分かり易い重量や剛性といった数値ばかりが独り歩きしているという現実がある訳です。CFRPの特徴のひとつに加工のし易さがあり、独特のフレーム形状を自由に設計できるというメリットがあります。昨今のエアロロードの進化はCFRPのこの特性が大いに寄与しているのです。

せっかくメーカーのエンジニアたちが、知恵の粋を極めて作り上げたバイクを、その製作意図も考えず、ただ軽くて剛性が高いというだけで選んで良いものでしょうか?最近ではエアロ効果の高いバイクが注目されています。エアロロードがパリ~ルーベを征する時代なので、幅広タイヤを低圧にすれば、エアロロードは荒れた石畳でも走り切れることが証明されたといえるでしょう。今後は単に軽いバイクより、多少重量があってもエアロ性能が高いバイクが求められることになると推測しています。
 

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