四万十川レコード 公式ブログ

四万十と言う小さな町に生まれ、思春期に音楽に目覚めそして今も、長い長い音楽の旅をしています。

無能な人

2013-07-22 02:30:24 | コラム
何故か「つげ義春」さんの
文庫漫画『無能の人・日の戯れ』
を読み返してしまった…



僕は小説でも漫画でも映画や音楽でも何でも良いですが
優れたエンターテインメント作品とは
何度でも繰り返し楽しめるものこそ本物だと思っています。

いわゆる好みや嗜好性の問題もあると思いますが
何時までも自分の心に住み着いてしまう
普遍性がそこにある作品が好きなんです。

つげ漫画が文化人と言う人達から「芸術作品」として
評価されていた事さえ今はもう殆どの人は知らないだろうと思います。
また僕は別につげ漫画が芸術だとは思っていないです。
ただ何度でも読める普遍性を持っている作品だとは思いますが。




んっ?今日は別に漫画論を書くつもりはないのですが…
いや~、今回のホンヤさんのアルバムでもの凄い力を見せてくれた
ギターリストの宮野弘紀さんと「水木漫画」で意気投合して
「んじゃ、俺の持っている水木漫画をあげますよ」
と言う事になってすでに何冊かは宮野さんに漫画をあげたんです。

で、次にあった時のお土産用に出した漫画達とさよならする前に
セコく読み返していただけなんですけどね(笑)

水木さんやつげさんの漫画に共通している事はエッチング画の様な
繊細なタッチと綿密に書き込まれた背景画と言う特色があげられます。
それ以外に僕がこの人達の作品と人間性を好きな所は貧乏もしくは
不遇と言う時間を所有していた人達だという所です。

まぁこの無能の人と言う漫画を読んでいると多分意味が分かりません。
何故そう言う生き方を選択してしまうのかが不思議です。
たしか「無能の人」は竹中直人さんが監督をして映画化されてますよね。
僕はそれほどのつげファンではないので映画は見る気もしませんでしたが。




俯瞰(ふかん)と言う言葉が好きです。
高い所から見下ろした景色の事ですね。

人間はともすれば目の前だけかもしくは足元だけしか見ません。
特に最近は携帯の画面だけ見て生きている人もいるようですが(笑)

俯瞰とは山頂の景色であり鳥の視点ですね。
もしくは飛行機から住んでいた町を見ている時の感覚でもあるでしょう。

先の漫画家さん達の話で僕は貧乏や不遇を囲っていた人達であると書きました。
では何で僕がそこの所を強調して覚えているかと言うと
実は僕は多分器用な方の人間だと思うからです。

まぁ僕は思った事は人様に説明出来るだけの会話力はあるし
多分行動力も人よりはある方だと思います。
そしてたいした下積みもないまま音楽業界でそこそこの仕事をした経験があります。

ある意味、僕は器用な人間に見られると思います。
でも僕はつげさんや水木さんと同じ様に怠惰な時間を好む人間でもあります。
つまり一生懸命頑張りはするけど根はなまけものだという事ですね(笑)




だから僕は時々、自分の中に俯瞰の視点を持つようにしています。
自分のやっている事や言っている事を俯瞰して見るようにしています。
そうすると急ぎすぎたり配慮が足りなかったりしている事が見えたりします。
逆に凄く遠くまで、先の先まで見えて行動している事もあります。

今の僕はかなり先の先を見て動いています。
そしてまぁ思った通りに進んでいる部分もあります。
逆に「あれ?」と感じる事もあります。
少し先走りすぎてしまっていたりしているんです。
そう言う仕事は上手く行かないですね。
周りからずれていたり対象の人物の速度とは違っていたりします。

実は今日の午後に僕がずっと構想していた事の商談があります。
やっと此処まで来たと言う思いと、これは絶対外せないと言う
プレッシャーがない訳でもないです。

でも何となくこの話はまとまると思います。
何故なら僕がずっとそうなると思っていたからです。
いやそうなりたいと、そうしたいと思って行動していたから
たどり着けたと分かります。

そう言う重要な節目の日でありながら…
妙にね、つげさん的な浮世を離れた気分でもあります。
あくせくとがつがつとしているとダメな気がします。

絶対に決めたい事、外せない事だから逆に
肩の力を抜かないといけないと思っています。




まぁ失敗したら…
僕は無能な人?と言う評価を頂くかも知れません。
でもそこはあんまり気にしていないですね。
だって僕はマジで自分が有能なんて思った事はないです。

どちらかと言えば僕は自分がダメ人間だと言う自覚の方が大きいです。
多分僕は浮世的な幸せは手にする事のない人間だと思います。
幸せな家庭?は×がついたし(笑)お金儲けも下手です(笑)

でもお金は否定しませんよ。
人生の幸不幸の大半の部分でお金は絡んで来ますしね。
でももう「お金儲け」だけで生きる年でもないですね。

あっ、お金が向こうから来てくれる分には拒みませんよ(笑)
だから今度のアルバムはもちろんヒットして欲しいし売れて欲しいです。
いや、売らなければいけません。
投資した分の回収は命題であります。
だから受身ではなくて行動でそれを解消しようとしています。



綺麗事だけでは人生は生きられない!
と開き直るほどの貧しさは僕は経験していません。
そう言う意味では僕はハングリーさに欠けているとマジで思います。

でも下品なのは嫌なんです(笑)
貧乏も不遇も長い人生では誰にも訪れる事です。
だからと言って…下品になって良いか?と言う事です。

水木さんもつげさんも下品な所が作品にはありません。
だから僕は何度でも彼等の作品の貧乏や不遇を楽しめるのだと思います。
僕は当然エリートではないし皆さんの様な常識人でもありません。
まさに世間的には無能な危うい所にこの年になって立ってしまいました(笑)

多分大切なのはそう言う自分であると自覚することだと思います。
でも僕は無能な人ではあっても、無策な人ではないので
まぁ何とかなるのではないかと思っています(笑)

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