四万十川レコード 公式ブログ

四万十と言う小さな町に生まれ、思春期に音楽に目覚めそして今も、長い長い音楽の旅をしています。

ふりだしに戻る…?

2014-06-11 04:17:23 | コラム
あと数日で四万十市に帰る。
はて、18歳の時あの町を出た理由は何だっけ?
え~とあの頃の田舎者らしく都会に、東京にあこがれてだっけ?
もう少しましな理由だな。
俺は作詞家になりたかったんだ…なれなかったけど(笑)

作詞家になろうとして出逢った仲間との縁で、何時の間にか音楽業界に就職して…
ライブハウスの新宿ルイードの制作が俺の業界のスタートだった。
そっから沢山のミュージシャンやバンドと出会った。

ライブハウスのブッキングマネージャーとして独立して
それから音楽プロダクションやレコード会社も経営した…
沢山の出会いと沢山の現場を経験した。



そして長い眠りについた。
目覚めた時には時代はふた昔も過ぎていた。
長い長い眠りだった…

自分が何をして来たか何をやりたいのかも忘れかけた頃
音楽が目覚まし時計になって…
自分の音楽の原点である四万十市の仲間の原盤をかりて
四万十川レコードを作った。

やってくれる人がいないので仕方なく自分でYouTubeに動画の投稿をはじめて
ここでもまた出会いがあった…
素人の動画に沢山のメッセージを世界中から貰った。



そう言う時間を1年以上過ごした頃
遠い昔のアーティストと再会しプロデュースを依頼された。
ソニーのSD事業部と提携して作ったレーベル、インディビジュアルレコードのアーティスト
ホンヤミカコはメジャーデビューして20年間も走り続けていた。

オカリナと言う楽器で、言葉を持たない音楽で、彼女は世界的な評価を得ていた…
韓国の子供がホンヤミカコの楽曲を、まるでスタンダードの楽曲の様に
演奏している動画を見て感動した。

ホンヤミカコのプロデュースをしている間、四万十川レコードは開店休業状態だった(笑)
“田んぼ”の松田から、四万十川レコードはホンヤミカコレコードやねや、と言われ
「ほんまよ(笑)」と答える始末だ。



「創作活動の為に自然の中に身を置きたい。そしてお遍路さんももう一度やりたい」と
ホンヤミカコが突然言い出し
「んじゃ、四万十市に拠点を作ってそこから四国遍路をやりますか?」「ええ♪」

あっと言う間に物事が決まり、今ではすでにホンヤミカコは四万十市に住んでいる。
俺は後数日で30年近く住んだ埼玉を引き払って四万十市の実家に帰る。
昨年の暮れに父親を亡くし、ひとり暮らしになっている母親の事も気になっていた。
そう言う意味ではホンヤの希望と、自分の都合を合わせた折衷案が四万十市への移住だった。

しかしである。
よくよく考えてみたら俺は田舎が、あの町が退屈で故郷を出たのだ。
田舎に3日もいたら退屈で時間を持て余してしまう。



まぁ、今はホンヤミカコの仕事があるので四万十市、いや四国で退屈する事もないだろう。
実際、スケジュールが次々と入っているし…
でも少し考えてしまう所がある。

俺の人生、ひょっとしたら、ふりだしに戻っていないか?
何でこの年で四万十市に帰ってるんだ?

う~ん。
折衷案とはいえ、決して望んだ訳ではないのだ。
人生すごろく、そろそろゴールだぞ…今、ふりだしに戻って良いのか?
まぁ、幸いに夢だけでおん出た18歳の頃とは少しは違ってそれなりの人脈はある。
都会の現役のノウハウを四万十市に持ち込む事は出来る。

しかし不思議なもんだ。
つい数カ月前までこの事態なんて想像もしていなかったのだ。
でもまぁ良いか。

今はまだ…人生を語る気はないから(笑)


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